ベネデッタ (2021) 

文字数 717文字

【救われるもの、居座るもの、狂信するもの】 2023/3/28


名匠 ポール・バーホーヴェン 81歳の作品、日本では2年遅れの公開、コロナパンデミックが原因ではなく、聖女ベネデッタ物語が18禁規制になったからであろうと推察する。
イエスの妻と自称する修道女の奇跡がフェイクだとしながらも、宗教界のために容認する組織は今も昔も変わらないと切って捨てることもできるが、ことはカトリックの歴史事実に基づくシネマであるのが実に興味深かった。
もとより、僕はキリスト教徒ではないので本シネマにたいして宗教的観点の批評はしない、というか、これはシネマなのだから。

鑑賞前から気になっていた「18禁」規制は、主人公と愛人のレスビアンシーン、お二人の美しいオールヌードシーンが原因かなとは思うが、現実はもっとエゲツナイ映像がネットにはそこら中に捨て置かれているとすれば、それでは宗教面からの18禁対象だと想定すれば今の現実世界の宗教問題に発展するのかもしれない。
どちらにしても、バーホ-ヴェン監督が撮りたかったに違いないお二人の輝くほどの美しさのおすそ分けをいただき僕も幸せだった。

さて物語をざっとまとめると、17世紀 トソカーナのペシアの修道院 キリストの花嫁を自称するベネデッタ 粗野な娘を愛する苦悩  レスビアンに目覚め権力を求める 忍び寄る黒死病 魔女として火刑 しかし・・・・・。

18禁シーンもお愉しみ、しかしながら全編で問われていた宗教の意義が小気味よかった。
宗教で救われるもの、宗教に居座るもの、宗教を狂信するもの。
黒死病におびえる罪なき羊のような17世紀民衆はコロナパンデミックに生きる僕たちとちっとも変わらない、歴史は繰り返す。
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