危険な関係 (1988)

文字数 918文字

【衣食住足りすぎて礼節を忘れ愛は冒涜される】 2017/10/17



このところ、何ゆえこのDVDをレンタルしたんだっけ?
みたいな場面に遭遇することがある。それも観終わった後に・・・。
同じように情けないのは、
3作借りて帰る途中、「今夜はどれを見ようか・・・?」と考えても1作しかタイトルが思い出せない。あとの2作はタイトルどころか、どんなシネマってのすら覚えていない
・・・・僕の記憶は35分。
この症状を「あるいは健忘症という名のボケ」と呼んでいる。

本「危険な関係」も、そのくちだ。
観終わってから「????」がいっぱい湧いてきた。
例によって英語を流暢に喋るフランス貴族が、男も女も揃いも揃って恋に命を賭けるお話だった。
マルコビッチさんが上手だし、
フランス貴族のお洋服が豪華だし、
インテリアもまがい物には見えない。
なるほど、18世紀末を示唆する会話もあったので、
いわゆる世紀末のそして革命前の堕落がテーマなのだろう。

日本には「衣食住足りて礼節を知る」という諺がある。
本シネマには
「衣食住足りすぎて礼節を忘れ、愛は冒涜される」を捧げたいと思った。
生産活動などという概念の無い貴族たちが、階級にあぐらをかいて愛情ゲームを弄んでいる。
最近「マリーアントワネット」に見た国家中枢の堕落は、見事に貴族階層にも根付いていたんだな。

若手俳優として初々しい
キアヌ・リーブス、ユマ・サーマン(なんと可憐)、ミシェル・ファイファーを今と見比べることも一興。
観どころ一番はやはりグレン・クローズとジョン・マルコビッチが繰り広げる「愛の戦争」だろう。ここでは女は理性で、男は感情で愛に生きているような印象、
・・・つまり女性を裏切ると怖いってことです。

でも、しかし、「なにゆえ」このシネマだったんだろう??
一晩眠ってようやく思い出した
・・・監督スティーブン・フリアーズがきっかけだったんだ。
「ハイ・フィデリティ」で魅せてくれたイーベン・ヤイレはじめ女優さんの扱いの小憎いところが記憶にあったんだ。
そう思えば、本シネマの女優さんたちも皆さんそれぞれに生き生きと魅力的だったな・・・と。
改めて納得したようなしだいで、
やっぱり  「あるいはボケという名の認知症」だな、こりゃ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み