マーサの幸せレシピ (2001)

文字数 1,064文字

【プロのお墨付き】 2008/2/11



僕はプロフェッショナルな人間が好きだ。
本シネマは、ずばりプロの料理人の物語だが、
本シネマ(実際はDVD)との出会いもプロの介在だった。

僕は渋谷Tの会員、
週に一度ここでDVDを眺め、選ぶのが他に譲ることのない愉しみだ。
ここの店員さんたち、望むべく最上のプロである。
作品を尋ねれば、歩くデータベースのごとくたちどころに捜し求めるDVDを見つけてくれる。

先週、立ち寄った際「幸せのレシピ」がちょうどDVDレンタル開始になっていた。
ハリウッドリメイクと聞いていたし、
ハリウッドリメイクは食わず嫌いで避けていたし、
そのぶん、オリジナルのドイツシネマには興味があった。
渋谷Tがお気に入りなのは、メガショップゆえの物量在庫は当然ながら、
先に述べた店員人さんのプロ意識とそれに伴う企画力だ。
今回も《幸せのレシピ》と併設でオリジナル版「マーサの幸せレシピ」も提案されていた。
Yahooレヴューで承った記憶も相俟って、
まずはオリジナルから・・・と意気込んでレジカウンターに行った。

まず、
店員さんに「これは新作ではなくオリジナル版ですが、よろしいですね」と念を押された、なんと親切。
僕は「いや、こちらの評判がいいと聞いたものでね・・・」と返す。
当の店員さん「私もこちらの方が好きです」といってくれた。
どうです、
シネマファンにとってこれ以上のアドバイスなんて考えられないでしょう?
僕が常々尊敬する渋谷Tスタッフのお墨付きのシネマなのです、
この《マーサの幸せレシピ》は。 

と前置きが長くなってしまったけど、
以上のエピソードがすべてこのシネマを物語っていた。
心温まるヒューマンドラマ、加えておいしそうな料理の匂いが漂ってきそうな映像。
心悪しき人は一人も登場しない。
主人公のマーサが神経症のスーパーシェフとしてこのストーリを紡いでいく。
そう、これはフェミニズム万歳のシネマでもある。
ドイツに、これほど味のよさそうなレストランがあろうとは不勉強だったが、
シェフが女性だというのはなかなか説得力があった、
かの国の女性はとてつもなく強い。

ところが、彼女の盲点はまたもやイタリア男性だったのには笑ってしまう。
もっとも、マリオ(なんでみんなイタリア男性はマリオなのかね?)はイタリア男性の魅力完全装備だった、これも笑った。
ま、EUの時代にドイツもイタリアもないでしょう、
仲良くやって頂戴というところかな・・・。

才能のきらめきが随所に感じられる習作の秀作、
「自分だったこうする」というハリウッド女優が出てきそうなシネマだった。
納得。
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