ハンコック (2008)

文字数 597文字

【ヒーローはつらいよ】 2009/2/14



「おちゃらけヒーロー」シネマかと思って敬遠した経緯があった。
すくなくともウィル・スミスお得意のコメディ風味満載だったらいく分食傷気味だったもので。

ところがどっこい、
アメリカンコミックの、それもかなり変形バージョンの様式を被りながら、
本シネマが伝えてきたのは「永遠」と「愛」、なかなか渋いテーマだった。

まず、破滅型ヒーローの傍若無人な活躍(?)が説明なしで登場する。
何か前提ストーリーを勉強していないと理解できないものか・・と一瞬反省する。
このあたりの展開は創り手の思う壺に嵌まったようである。
なんと、このスーパーヒーローは、孤独と記憶喪失で鬱状態に陥っていたとはびっくり。

おかしな展開に、ますます変形コメディの様相を確信していたところ、
スーパーヒロインの登場に二度びっくり。

ヒーロー(ウィル)とヒロイン(シャーリーズ)の謎解きに収束してくる終盤は心痛くなるほどのラブストーリー。永遠の使命に与えられたスーパーパワーの代償は「愛」、または人間としての安息だというアイロニー。
「愛」を求めれば使命を果たせない・・・・決してヒーローの領域だけの話ではない。
究極の愛の形に「心中」がある。
永遠にヒーローのミッションを果たすことに疲弊し、死を選択することを誰も非難できない。

離れて、互いを遠くからいとおしみ使命を果たすヒーロー、ヒロインたち。

ヒーローはつらいよ?
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