寝ても覚めても (2018) 

文字数 624文字

【東出メソッド】 2018/9/3



最近 東出昌大さんの意欲的なキャスティングに驚かされっぱなし、
本シネマもその興味の流れで拝見した。
というのも、
演出の濱口さんもヒロインの唐田えりかさんもよくは存じ上げないからだった。

彼がひとりで二人を演じることは事前に知っていたが、
ここまでクローズな展開になるとは想像していなかった、
そう、僕は原作も未読だった。

直近で拝見した「菊とギロチン」と同じ印象になった。
東出ワンマンショーである。
その意味は決して悪い思惑ではなく彼のおかげでシネマが成立していたという意味である。
ちなみに、その前の公開作品「オーバー・ドライブ」では一歩引いた共演という微妙なポジションを上手にこなしていた。
近年の東出さんは機会があればチョイ役から汚れ役まで、躊躇なくシネマに飛び込んでいる、嬉々としてという風にも思える。

そして、東出メソッド(勝手なネーミングで失礼)を駆使し、
どんな役柄でもあのつるんとした二枚目顔で対処する。
基本的に細やかな役作りは見えてこない…ように感じるが、
しかし観終わってみればしっくりとした存在感がスクリーンに残っている。
もしかして彼は、超ド級の天才なのか? 常々僕は感心していたのだった。

本シネマではとうとう、というか必要上明確に二人の性格を演じ分けている。
顔がそっくりという設定だし、実際彼の二役なのだけど、
そこには全く違う男が息をしていた。

今までの疑問がすっかり消えてしまった。
東出メソッドは実在していた。

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