コンペティション (2021)

文字数 546文字

【当てこすりも皮肉も中途半端】 2023/5/16


こんなシネマ製作ってのもあるよね・・・・とか
いや実際にこんな形で作られたことなかったっけ・・・とか
例のあれなんかそうじゃないか・・・とか
色々と詮索するのも面白かった。

ビッグスポンサーが自分の名誉のためだけにシネマ製作に際限なく資金提供する。
世界的ベストセラー原作映画化権を金の力で買い取る。
賞を総なめした著名監督に依頼する。
その監督と主演二人のリハーサルの一部始終顛末が本シネマの見どころになっているが、そんなもの見て面白がるのは業界人か、または よほどディープなシネマファンに違いない。

一歩譲って、主演お三方(ペネロペ・クルス、アントニオ・バンデラス、オスカル・マルティネス)の楽屋落ちエピソードに共感を覚えるかもしれないが、所詮クランクインまでの三人三様の個人バトル羅列に過ぎない。
膨大なスタッフのお仕事ぶりも一部分紹介されてはいるが、監督・俳優のエゴのぶつかり合いがメインとして終始提供されていた。
そのひとつひとつも予想した範囲、笑いも驚きも中途半端のままエンディングに進む。

ラストに用意された二段構えのカタルシス、ようやくシネマらしい展開になったが、時すでに遅かった。
当てこすりも皮肉もぼくには感じ取れなかった。
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