ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (2016)  

文字数 782文字

【贅沢な使い捨てシネマ】 2016/12/21



エンディング・タイトルロールに「キャリー・フィッシャーに特謝」とあった。
このスペシャル・サンクスによって僕は本シネマの余韻から一気に覚醒した、
「あぁ これはスターウォーズなんだ」って。

シリーズのスピンオフ作品として喧伝されているが、宇宙戦争歴史の悲劇の特殊作戦、
普遍的にクラス付けすればコマンド戦争アクションの秀作に仕上がっていた。
コマンド戦争アクションシネマの古典的名作「ナバロンの要塞」においても
特徴づけられているテーマ、
多くの味方の命救うための自己犠牲が今作でも僕の胸を打つ。

コマンド隊員たちの白兵戦はとても宇宙戦争とも思えない
プリミティブなアクションで彩られている。
ターゲットは、シリーズ冒頭にあった悪の権化「デス・スター」だけど、
そういえばこれは最終兵器と呼ばれる核兵器に通じる非情さを持ち合わせている。
核兵器の秘密に迫るコマンド戦争アクションも数知れない、
さほどに本テーマはシネマファンの共感を得て今に至っている。

今作は、単発のアンソロジーとして思い切りのいい俳優陣構成になっているのも、
見所の一つだった。
僕の好みのシネマで好感度だった演技人が、
きっちりとスペースオペラに現実感を増幅させてくれている。
フェリシティー・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)、
ディエゴ・ルナ(天国の口、終わりの楽園、)
リズ・アーメッド(ナイト・クローラー)、
マッツ・ミケルセン(007カジノロワイヤル)など。

コマンド隊員二人の最後は、
絵のような「渚にて」の悲劇のようにも思えるが、心が感じるのは「希望」だった。
コマンドの使命であり矜持でもある「希望」、
それをレイア姫が確信させてくれる (もう一度スペシャルサンクス)。

よくできたコマンド戦争アクションだった、
スターウォーズ本シリーズの陰に咲きそして散った可憐なエピソードだった。

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