殿、利息でござる! (2016)

文字数 528文字

【キャーッ 、結弦くん 龍平くん】 2016/5/16



コミカルなチョンマゲエンターテイメントかと思っていたら、然に非ず。
究極の格差是正のお話だった。
というのも、江戸時代の確立された身分制度の中での民衆運動と貧困脱出は、
現代に置き換えても偉業だから。

タイトルからも読み解けるとおり、
統治者への投資と利益還元は今の日本でも国債に代表される手堅いマネープランだ。
しかし、このシネマのように最下層の身分からの提案と実力行使は難しい、
そしてこれは実話だそうだ。

この物語には現在の日本の道しるべになる教訓が散りばめられていた。
●一刻の我が身のためでない、子々孫々の繁栄のための生き方
●政治家は常に民衆から収奪する
●改革は時間のかかるもの、世代をまたぐこともある
●トップリーダーは民衆に寄り添うべし

これらの教訓を反芻するにつけ、
現代日本の閉塞感は加速すことはあっても
解決することがないことに気付いて、愕然とした。
本作品は強烈な風刺に満ち溢れていた。

老婆心:
歴史エンターテイメントらしい、手練れ俳優陣で手堅くまとまっていたなか、
二人の演技者に感服した。
畑違いでも天才ぶりを見せてくれた羽生さん、
そして毎回予想を裏切る演技振幅の松田さん、
二人がシネマの深刻さを救ってくれた。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み