ネオン・デーモン (2016)

文字数 544文字

【「血糊」】 2017/1/13



このファッショナブルホラーシネマをして、コンセプチュアル、シンボリックと世辞することもいいけど、僕には頭でっかちの印象が強かった。
物語は田舎からLA に出てきた美少女が天性の美貌をもってのし上がり、やがて滅びるというとてもシンプルで短いものだ。

冒頭から血糊ベットリで驚かされるが、血糊はそのあと何度も映像に使用される。
何をメタファーしたいたのだろうか?
ファッションショーモデルたちの厳しい生き残り世界を描いているだけに、血糊はその代償ということなのだろう。

モデル業界らしく、カメラマン、デザイナー、メイク・ヘアーたちが奇矯な人物として登場し、ぽっと出の美少女をほめたたえる;
「生まれつきの美貌こそ唯一無比のもの」・・・「外面がすべて」・・・
そりゃライバルでなくてもカチンとくるでしょう。

価値観の歪な世界を描くためなのだろう、意表を突く設定で美しい映像を追求する。
その思いの強さが、シネマの流れを大きく滞らせるという弊害は、そのためにあっさりと無視される。
美しさとオドロオドロシさに「間」が空くシーンが多かった。
美を継承するための「食祭儀式」はなかなか印象的だったのに・・・。

老婆心:
キアヌ・リーブスの友情出演は愉快だが、ヤマネコは何のメタファーだったのか?
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