さらば　あぶない刑事　（２０１５）

【村川透 同窓会シネマ、楽しいね】　2016/1/31



監督はじめ皆さん、お歳の割にはとてもお元気でよろしゅうございました。
とはいうのは、ほんのお世辞でして、
港署アブデカチームメンバーのクローズアップが怖くて仕方がなかったのが本音です。
でもこれは30周年同窓大会だと思って納得するしかないでしょう。
ひろしさんと同じ年（つまり恭平さんが1歳下）の僕だからこそ
容認できる加齢の妙味がそこにはあるからです。

一般的に言って、「働き止め」する社会人にとって
最後まで何かに役立つことは周りが想像する以上に大切な事なのです。
残り五日で定年退職するタカヤマ＆オオシタにとってもこの定理は真実です。
横浜の街を、グローバル犯罪から守るという大義名分もちゃんと用意されています。
定年後の夢の生活も用意されている以上、
残り五日のアブデカ騒動は余計にその重さが増すのでしょう。

ところで、今作のカタキ役が魅力的です、
吉川さん演じる麻薬カルテルマフィアの
知性と残虐さとスタイリッシュなアクションが効果的でした。
タフな敵と戦った意義ある五日間は、これからの老後で繰り返し思い出せる宝物になります。

村川監督は相変わらずライトアクションがお上手でした。
ＴＣＦの伝統が今でも色濃くにじみ出ていてうれしくなります。
一通りの過去アクションをおさらいした後、
唐突に表れるブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの
ストップモーションラストシーンには涙がこぼれそうでした。
決まり台詞をスペイン語で喋らせたり、
辛味の繰り返しギャクなどなど、お手軽だけど楽しめる工夫が一杯でした。

洒落たジョークと華麗なアクション、ありがとうございました。
楽しい同窓会に出席できた思いです。