轢き逃げ 最高の最悪な日 (2019) 

文字数 564文字

【最高の水谷フィルム】  2019/5/10



水谷豊フィルム 2作目、観終わって心を洗われるような想いになった。
監督2作目の本シネマは脚本も担っている、
その意味でも水谷イズムの真髄に迫るシネマだった。

今作においても、
シネマはエンターテイメントであり総合芸術である点をしっかりと見据えた配慮がうかがえる。
まず、新人二人の発掘と抜擢かな。
その石田法嗣、中山麻聖のお二人は無論演技の実力、それも多層的演技の力は認めるが、
それ以上に、脚本と監督の差配による予想を超える高揚が二人に生じていた。

前半の轢き逃げシークエンス、後半の意外な展開、終焉における二人の演技は
あとから思い出してもぞくぞくした。
緊張感の張りつめたシーンを和ませてくれるのが、
盟友の一徳さん、本作でも重厚感のある出番だった。
そんな中で、監督ご自身の役が相対的に不安定な位置にある。
そこはそれで役者の見せ所なのだろうし、水谷ブランドを表に出したかったのだろうが、
完璧に機能したとは思えなかった。

監督・脚本の兼任に加えての重要な轢き逃げ被害者の父親の存在感は
少し負担が大きかったのかな?

これほどの物語を映像で(それも随所に新機軸がある)
魅せてくれる水谷フィルム、
次回は演技者まで兼ねる必要はない。
その代わり、キャスト・スタッフに新しい血を注いでください。
楽しみにしています。
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