誘拐の掟 (2014)
文字数 756文字
【「ネオ」が取れた本格ハードボイルド】 2015/6/2
2015年前半でアクションシネマでリーアム・ニーソンを観ること三回。
「96時間シリーズ」という化け物企画がそれなりのパンチがあったものだから、
残りの2作の評価が焦点を外している気がしてならない。
特に本作は、ネオ・ハードボイルド代表の「マット・スカダー」の映像化という快挙だ。
しかしながら、免許すら持たない一匹狼の酔いどれ探偵のどこを削り取れば、
リーアム・ニーソンのマッチョに当てはまるのだろうか?
この一つの、でも致命的な懸念も確認したく、意を決して拝見した次第だった。
今年前半で見せていただいたリーアムの役柄を復習してみる:
(1) もとCIAエージェントのスパーパパ
(2) 落ちぶれた殺し屋
そして
(3) アル中のもぐりの探偵
というかなり振幅のある役作りが要求されるものだが、
見た目はほとんど変えていない(変えようがないのかもしれないが)。
しかし、話は飛躍するが、高倉健様が同じ出で立ちで幅広い役を演じたように、
リーアムも外見と裏腹に3人を演じ分けているのはわかる。
というのは苦しい建前であって、多くのファンはCIAエージェントパパを期待しているのだろう。
正直なところ、銃撃アクションシーンなどではそのあたりの差別化は困難に思えた。
いや、しかし、
本シネマの価値は、実は「ネオ」を取り払った本格ハードボイルドにあった。
マットが禁酒会で懺悔しても似合わないように、パソコンもセルフォンも彼にはマッチしない。
ひたすらに犯人を追いつめる執拗な聞き込み、体を張った捜査展開など、
近年とんと観ることができなかった「ハードボイルド作法」がそこにあった。
犯人への非情な対応と黒人少年に投げかける優しい眼差し。
強くなければ生きていけない、やさしくなければ生きていく資格はない。
2015年前半でアクションシネマでリーアム・ニーソンを観ること三回。
「96時間シリーズ」という化け物企画がそれなりのパンチがあったものだから、
残りの2作の評価が焦点を外している気がしてならない。
特に本作は、ネオ・ハードボイルド代表の「マット・スカダー」の映像化という快挙だ。
しかしながら、免許すら持たない一匹狼の酔いどれ探偵のどこを削り取れば、
リーアム・ニーソンのマッチョに当てはまるのだろうか?
この一つの、でも致命的な懸念も確認したく、意を決して拝見した次第だった。
今年前半で見せていただいたリーアムの役柄を復習してみる:
(1) もとCIAエージェントのスパーパパ
(2) 落ちぶれた殺し屋
そして
(3) アル中のもぐりの探偵
というかなり振幅のある役作りが要求されるものだが、
見た目はほとんど変えていない(変えようがないのかもしれないが)。
しかし、話は飛躍するが、高倉健様が同じ出で立ちで幅広い役を演じたように、
リーアムも外見と裏腹に3人を演じ分けているのはわかる。
というのは苦しい建前であって、多くのファンはCIAエージェントパパを期待しているのだろう。
正直なところ、銃撃アクションシーンなどではそのあたりの差別化は困難に思えた。
いや、しかし、
本シネマの価値は、実は「ネオ」を取り払った本格ハードボイルドにあった。
マットが禁酒会で懺悔しても似合わないように、パソコンもセルフォンも彼にはマッチしない。
ひたすらに犯人を追いつめる執拗な聞き込み、体を張った捜査展開など、
近年とんと観ることができなかった「ハードボイルド作法」がそこにあった。
犯人への非情な対応と黒人少年に投げかける優しい眼差し。
強くなければ生きていけない、やさしくなければ生きていく資格はない。