TENET テネット (2020)

文字数 875文字

【次は テネット・ビギニングですか?】 2020/9/18



ノーラン・フィルムのなかでも、コンセプチュアルな作品群が気に入っている、
今作もその分類に入る内容であることは事前予告で察していた、
パラレルワールドタイプだと。

映像の前衛パーフォーマンスで満足させてくれた「インセプション(2010年)」から10年、
さてさてノーランワールドは今回もどこまで僕を置いてきぼりにしてくれるか?

新作シネマ公開が少ない2020年の現状もあって、僕の期待はマックスだった。
第三次世界大戦を阻止するべく未来からタイムトラベルしてきた敵と戦う主人公を
売り出し中のジョン・デイヴィッド・ワシントンが演じる。
いつか髭のないさっぱりしたお顔を拝見したいものだが今作でその願いはかなわなかったが、
いい男であることには違いない。
物語りは、しかしながら、
ジョン・デイヴィッドのイケメン度などにまるで関係なく複雑に展開される。
なにせ、リアルタイムの主人公がタイムマシンもどきで時間を行き来し始めると、
タイムパラドックス以前の「現在時間」があやふやになり、
ノーランの思うままにアッチコッチに引きずり回されるに至り、
乏しい脳みそを酷使することは止めて引き回されるままに映像を愉しむ。

スクリーンに再現されるテロ攻撃、巨大カーアクション、空港襲撃、最終総攻撃などなど
あっけにとられるシーンの連続だった。
前述の「インセプション」の見どころだった建物の崩壊に代わって
本シネマでは反転アクションが何度も使われる、
その本質が理解できないのが悔しかったが、
所詮シネマは作り物、そうそう悩むことでもない。

広告コピーに謳われたハルマゲドン阻止がいつの間にか消えたと思ったら
エンディングで再登場する整合性調整にも疲労が蓄積する。

観終わってみても、納得がいったようないかないような気持になったのは、
そもそもこの物語がま実は始まっていないことに起因すると気づく。

今作はミドル・エピソードに違いないと感じている。
そうすると「テネット ビギニング」という次回作を期待していいのだろう
・・・と勝手に満足してしまった。
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