いつまた、君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)

文字数 500文字

【マイクロ・コア・プライヴェートシネマでした】 2017/6/25



主演の向井理さんご家族の物語ということでの向井ファン、
先日亡くなられた野際陽子さんの遺作ということでの野際ファン、
この二種類の観客がほとんどだろうと感じた、僕は後者の方だった。

僕がその他に気になっていたのは唯一 尾野真千子さんの献身的演技だった。
尾野さんのドアップ・ストップモーションが喝采を僕の心に呼び起こす、
彼女の演技はいつもの通りすばらしい。
ところで、
主人公 芦村朋子さんの人生を描いたとすればあまりにも核になるものが乏しい。
シネマは1945年の敗戦からおよそ10年間の主人公一家の不幸の連続とそれに負けない不屈の明るさを綴っている。これは、しかしながらその時代の日本人がみんな遭遇していた不幸だった。
僕自身のこの時代の思い出は貧しかったことが一番、そしてみんながそうだったので悲しくなかったことだ。

庶民には庶民の物語がある、そんなお話を、シネマにしてしまった。
ご本人の手記を語り部にする安易な方法も、物語のカタルシスをうやむやにしてしまう。

もちろん戦争を生き延び、戦後の混乱を生き抜いた人たちのことを忘れてはいけないのだけど。
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