ノー・エスケープ 自由への国境 (2015)

文字数 654文字

【名監督も親ばかチャンリン】 2017/5/9



アルフォンソ・キュアロンの息子である ホナス・キュアロンの初監督作品( 「ゼロ・グラビティ」では脚本を父と共同)。
加えてアルフォンソ・キュアロン監督エマニュエル・ルベッキ撮影の名作「天国の口、終わりの楽園」のガエル・ガルシア・ベルナルが主演・製作とあっては捨て置くわけにはいかなかった。

予告編情報では、メキシコからの不法入国者が狙撃される恐怖が喧伝されていた、確かにアメリカ新大統領の移民政策に対するカウンターとしてはタイムリーなのかも。
もっとも、制作は2015年ということはトランプパニックとは無関係のようだけど。

そうするとお楽しみはサスペンス、誰が何のために密入国者を撃つのか?
これも冒頭からあっさりと犯人は明らかになってしまう。

こうなれば、ルベッキはいないけど、国境砂漠地帯の魅力的な映像に酔いしれてみるか?
冒頭30秒を超えるロングの長回し撮影で見る国境にまたがる砂漠は凡庸なショット、銃撃から逃れる手持ちカメラシーンも然り。

シネマのテーマはどうやらメキシコ人密入国者(ガエル・ガルシア)と狂気のスナイパー(ジェフリー・ディーン・モーガン)との一対一の狩猟ゲームになる。
追い詰められた鼠が猫にかみつく・・・・そして。

アメリカ人の本音を代表するかのような狂った愛国者スナイパーは最後まで下品で傲慢(ただし犬とは深い愛情がある)、一方のメキシコ人は心優しく、リベラル。
こんなシネマを本気で制作したとは思えない、
これは息子のための習作ですよね、アルフォンソさん。
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