疾風ロンド (2016)

文字数 565文字

【笑撃ならぬ、チープな小撃】 2016/11/26



作品プロ―モーションのコピーからしてサスペンスを捨て去っていることを事前に確認してはいた。
プロットそのものは、かなり深刻なサスペンスなのだから、ちょっともったいない気がした。
その「笑撃」具合はというと、ほぼ予告編でネタバレしている。
阿保な上司、生意気な子供、そして頼りにならない主人公・・・この辺りで笑いを取ろうとして見事に転んでいた。

生物兵器を一人の素人が探し出すことが「大笑い」なのだとすると納得がいくが、観る方としてはそうもいかない。
そんなこんなが合わさって、シネマは「失せもの探し」と「ハイエナ泥棒」と「雪上アクション」のライト感覚ネタに逃避してしまう。

ただし、スキーとスノボーの滑降バトルは予期しない見ものだった。
クレジットに「ライディング撮影クルー」が流れていたのが印象的だったように、実写とSFX の巧妙な仕上がりが新鮮だった。

それ以外は、スキー場でのエピソードが雑多に紹介されていて、季節がらスキーリゾートタイアップのイージーさも透けてみた。
イージーさといえば、スキー場にいる出演者がいつも同じウェアなのは致し方ないとしても、研究所所長がいつも同じ洋服なのはチープ感満載の象徴だった。

とどめとしてスターウォーズパロディが、いやがうえにその思いを強くさせてしまった。
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