グレタ GRETA (2018) 

文字数 653文字

【これも愛、あれも愛、きっと愛、地獄の愛】 2019/11/11



本シネマの感想を述べるにはどうしてもネタを明らかにしなければなりません。
その意味ではテーマがひと筋ズンと通った作品であるともいえます。
それは サイコパス・ストーカーの恐怖、それも悪質なものです。

いまだ妖艶なまでの美しい佇まいを見せてくれるイザベル・ユペールさんも前期高齢者、
相変わらない迫真のサイコパス演技にまたもや僕は降参してしまうのです。
ELLEで見せてくれたフランス女性の愛の形を、今作では鬼気迫る迫力で魅せてくれます。
今作での愛の形はもちろん大いに偏っているのです、娘に対する異常な執着という愛です。
本作ではご本人はハンガリー人という設定、
おかしなフランス語を操って顧客を苦笑させているのでしょう、僕は想像するだけでしたが。

サイコパスの執拗なストーキングがエスカレートしていきます。
先日拝見した「IT THE END」よりも怖いのです、
何せ恐怖が単純化されて集中されているのですから。
その対象となる女性を演じるクロエ・グレース・モリッツちゃん(でいいのかな)、
大人と少女が身心内ではせめぎ合っている複雑な思いを熱演します。
母親と娘の立ち消えた愛情を取り戻そうとした挙句、
まんまと罠にはまり恐怖のどん底への転落でした。

しかし、
サイコパスの愛は狂気に迷いながらも、しっかりと娘を守ります。
自分の指を切られても、お仕置きすらしない母の優しさ、
救助に来た探偵にはあっさりと死を与える母の強さ、

これも愛、あれも愛、きっと愛、
でも地獄の愛でした。
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