ファーストラヴ (2021)

文字数 600文字

【シネマ飢餓は続きます】2021/2/15




堤幸彦フィルムという一点だけを頼りにシネコンに足を運んだ。
シネマ飢餓の現在狭められた選択肢の中ではベストチョイスだ・・と思った。
新型コロナパンデミック以来よくお見掛けする北川さん主役が気がかりだったが、
それも堤作品のブランド魔力に頼ることにした。

冒頭から言い訳というか恨み節になってしまったが、
結局のところ僕は失望感とともにシネコンを後にした。

原作は不勉強で拝読していないが、本作に漂うこれほどまでのエモーション欠如
に満ちたものではないと願う限りだ。
シネマとしては前述したように顧客を揺さぶる感情の噴出がない、
物語としての論理的構成が見られない、
そもそもテーマが明確にされていない、
サスペンスなのか?事件捜査がメインなのか?家族の秘め事なのか?
はたまた家族愛情が訴えたいのか?
脈絡の見えないエピソードが散見されるだけだった。
確固たる製作コンセプトがないところに顧客訴求はなく、
当然顧客満足もあり得なかった。

ドローン撮影、こじんまりしたセット撮影のシーンが繰り返し流れる、
そこにシネマのダイナミクスが感じられない。

本編であることのプライドを今の感染症パンデミックのなか新作製作に求めるのは、
やはり酷なのかもしれない。
だからと云って薄味の薄っぺらいシネマを認める理由にはならない。

2021年2月 新型コロナパンデミックから一年、
相変わらずシネマ飢餓が続いていく。
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