コンフィデンスマンJP プリンセス編 (2020)

文字数 857文字

【美しいMOTHER 、こうでなくちゃ】2020/7/27



日本全国に新型コロナ感染が拡大し予想外の夏の第二波に心を悩ませ、
より一層のSTAY HOME実施中のなかを敢えてシネマ鑑賞に出掛けるのだから、
観て良かったと思えるシネマであって欲しいという我儘な心を
十分に満足させてくれる出来だった。

前作ロマンス編をして「予告編詐欺」と糾弾した、
劇場版のみでのコンフィデンスマンJP経験者として、
だから今作ではちょっとだけ身構えていた
…「もう詐欺には合わないぞ」ってね。

さてその結果はどうだったかと言えば、
物語の流れとしてのラストの騙し(騙され)にいたく感心してしまった。
さすが一代で世界のトップグループの富豪になったお方らしい、
類をみない騙し方だった、それも素人のくせに、立ち聞きのくせにである。
僕はこの一点だけでもって、本作がピシっと引き締まったと評価している、
そこに至るまでの常連さんゲストさんの騙し合いは、
それなりに手が込んでいるが、いわばいつもの通り、想像の域内でもあった。

その多数のキャストも本作のお愉しみどころ、
超ベテランの欣也さん、恭平さんのおかげでシネマ全体がスピード違反になるところを
救っているし、
欣也さんに至ってはワンシーンですべてのキャストを食ってしまったくらいの重厚感だった。
若手俳優たちもこのおとぎ話を嬉々として且つ真剣に演じている、
繰り返しになるが今のような憂鬱な毎日だからこそこの「軽さ」が嬉しかった。

長澤さん、竹内さんは僕の想定内の活躍だった、
つまり今回はお二人の罠には引っかからなかったということ、
別に自慢になるお話でもないが。

ただし、
長澤さんが「母性」に目覚めて、
秘蔵の子猫少女を新しい世界に送り出すラストシークエンスで大いに納得してしまった。
本作の長澤さんお母親イメージは「あくまでも美しく優しく」、
やはりこうでなくちゃ。
先日拝見した「MOTHER」でのアンバランスな存在は本作では微塵も形成されてはいない。
「お母さん」と呼びかけられた長澤さんの美しかったこと、
やはりこうでなくちゃ。
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