【湿気た花火~拾~】

文字数 694文字

 昼間の日射しはもはや刃物のようだった。

 暑いという感覚は殆どなくなり、皮膚を貫く痛さがそこにはあった。ほんの少し外に出ただけでも簡単に熱中症になってしまいそうだ。いや、これでは室内にいても普通に熱中症になるだろう。

 今となっては、夏はエアコンがなければ生きてはいけない。おれが小学生から高校生くらいまではまだギリギリ、エアコンがなくても何とかなっていたーーまぁ、学校の授業中は普通にエアコンが効いていたとはいえーーが、今はエアコンが必須になっているといっても過言じゃない。今、中学、高校生に戻ったとしたら、間違いなく運動部には入らないだろう。この暑さの中、運動部でハードに動けば、三十分ともたないだろう。ほんと、今の時代の学生たちはどう部活をやっているのだろう。もちろん、おれがガキの時みたいな教師によるハラスメントみたいな待遇はないだろうけど、だとしても季節そのモノがハラスメントみたいなモノなんだから生きるのもしんどいといったところだ。

 おれは一階のリビングで扇風機の風を浴びながらソファに座ってうだっていた。時計を見た。11時ーーそりゃ暑いはずだ。祭りのスタートは16時。あと五時間。それまで身体が持つだろうか。何となく手を伸ばして新聞を取ると、テレビ欄を見た。面白そうな番組はやってない。まぁ、ウィークデー。普通なら働いている時間にこんなことをしてられるのも、活動時間の不規則な役者ならではといった感じだった。

 新聞を置いた。落ちた。放っておこうかとも思ったが、また小言をいわれるのも面倒なので手を伸ばした。届かない。仕方なく身体を起こした。

 あるモノに目が止まった。

 【続く】
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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