【丑寅は静かに泣いた】

文字数 1,505文字

 丑寅は静かに嗤う。

 初めて書き上げた時は、もっとぬるいシナリオだった。

 桃川は悪党じゃなかったし、犬蔵も猿田も死ななかった。お卯乃も、大鳥関連の一行も出てこなかったし、犬蔵の手下で次期戌亥となる猪も出てこなかった。というか、犬蔵がはぐれるという展開自体なく、村を出たあとは駆け足で、すぐに盗賊の隠れ家へと到着する。

 どういうシナリオだよって話だけど、そうでないと舞台台本としては長過ぎたのだ。

 更にいうと、メインの四人の内、三人の名前も変わっている。同じだったのは猿田だけ。まぁ、下の名前の「源之助」は今回のシナリオを書くに当たって考えたモノだから、事実上は猿田も名前が変わったといっても過言ではない。

 ちなみに各々の名前は、

 ・桃川←桃瀬
 ・犬蔵←犬井
 ・お雉←雉原

 とかそんな感じだった。桃川の名前が変わったのは、気分。犬蔵の元の名前は「犬井」と「戌亥」をかけて。そもそも身寄り不明の盗賊に苗字があること自体可笑しいし。お雉の名前に関しては、単純に知識のない男がノリで書いてしまったモノだから変な苗字になってしまった。サムライの家の出ってことで苗字はあるにしても、それを捨ててる女だし、やっぱ苗字があるのは変だということで。

 そういえば、坤も最初は「お羊」という女性ではなく、ただ単に「坤」と呼ばれる巨体の男で、猿田の友人だったという感じ。

 違う点でいってしまえば切りがないのだけど、多分、今回のキャラクター造形の点で大きく変わってくるんじゃないかというのが、

 猿田とお雉が『川越天誅屋』という殺し屋集団の人間ではなかったということか。

 お雉は、元は義賊で、ただの泥棒でしかなかった。そもそも最初の登場シーンも泥棒して村民に袋叩きにされているといったモノだった。ただ、桃川の妹というのは、元からあった話だったりする。

 それと猿田だけど、猿田は『川越天誅屋』ではなく、『忍』という忍者の落ちこぼれという感じだった。ちなみに結婚もしていて、その女房の名前が『未来』ーー「未」が入ってるーーだった。プラス未来も『くノ一』という『忍』の女部隊の一員で、最後の戦いでは火縄銃を持って立ち回っていたりしていた。まぁ、猿田は未来が『くノ一』だってことは知らず、逃げ延びる前に既に関係を持っていたり。

 ここら辺の設定は離散し纏まり、『天誅屋』だとか、お雉だとか、お羊だとかになった。

 それとお馬か。お馬は最初の頃のは『馬場』という女で、盗賊のボスだった。

 ちなみに『丑寅』はただの四天王、幹部でトップではなかった。性格は粗暴で残虐。

 ここら辺は北野武の『座頭市』からパクったのだけど、それも気づいたら離散してた。

 それと桃川について。

 桃川ーー当時は『桃瀬』ーーは正義漢で、最初は村を去ることなく残り、お京と夫婦になって、老後の姿も描かれていた。しかもちゃんと記憶喪失にもなっていたし。ただ、目的が復讐なのは同じ。盗賊の頭になったのは、一度ダメ出しを喰らった反抗心から。変な話。

 最後にお京。お京の最初の名前は『京子』で、役回りとしてはあまり変わらない。拐われてる時間が長い分、印象が薄いかもしれないけど、個人的には結構好きだったりする。ただ、もっと活躍できるところを書けたんじゃないかとも改めて考えると思う。

 まぁ、こんなもんか。思い出したことがあれば改めてまた書くかな。

 にしても、昨年の四月の頭から始まって、今年の四月の末に終わる。丸一年続いてしまった『丑寅~』もこれにて終わり。

 ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。途中脱落した人も同様にありがとうございました。

 次回は何を書くか、迷いどこだねぇ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み