【永久機関に劣化ウラン】

文字数 2,520文字

 どうしても理解できない風潮がある。

 それは、学校で大便をするのは恥ずかしいという風潮だ。朝から不潔な話題で本当に申し訳ないけど、こればかりは本当に理解できない。

 かくいうおれはというと、堂々としていた。別に恥じることでもないし、我慢して腹を痛めるよりはずっとマシだと思っていたからだ。

 まぁ、加えていえば、そういうことでイチャモンをつけてきたり、バカにしてきたりするボケがいなかったのも大きいだろうけど、しかし、子供とはいえ普通に考えて人体に起こる生理現象をバカにするというのは如何なモノかと思う。バカにするならーー

「お前、家でウ◯コしてんのかよ! 汚え」

 くらい煽らなきゃ話にならない。家でもできないとなると、もう誇張なしに腸が膨張して死ぬしかないよな。アイドルはアレをしないみたいなファンタジーの世界の話みたいよな。

 とはいえ、そういったことをバカにするならそれくらいしなければならない。その程度のことが一部のコミュニティでタブー視されるなら、他の場所でもタブー視されるべきだしな。

 それはさておき、今日はそんな汚い話をしていこうかと思う。まぁ、内容が内容ではあるんで、イヤだなぁと思ったらここでブラウザバックしても構わぬ。というか、それならここにたどり着くまでにやってるか。

 じゃ、やってくーー

 あれは小学校一年の時のことだった。

 その時の五条氏といえばまだいたいけなバカガキで、他人とのトラブルも日常的な面倒くさいガキだったワケだ。今も変わらんだろって?ーーそれはいえてる。

 まぁ、小学一年ともなるとまだ九九の掛け算が出来た出来ないのレベルで、五条氏としても絶賛六の段、七の段で詰んでいまして、頭の悪さをこれでもかといわんばかりに周囲に見せつけていたワケだ。どうして六・七と七・六の乗算の結果が一致しないのか。

 とはいえ、小学一年生となると勉強ばかりというワケでもなく、むしろ野外活動も多く、イスに座って黒板の数式をノートになぞるより、そっちのほうが好きで、中でも校内の畑に植えられた自分の芋を育てる活動が好きだった。

 当然、この芋は育ったら掘り出して食べるのだけど、やはり芋っていいよな。てか、芋掘りって全国的にやっているのだろうか。改めて考えたら、五村は里芋が一応名産らしいから、うちの地域だけなのかもしれんよな。

 それはさておき、みな裏山の麓にある畑に行き、自分たちの持ち場に入って土をスコップやなんかで耕していた。大きな芋に育って欲しい。子供というのは純粋なモンだった。

 おれも顔に泥をつけながら芋のためにスコップで土を叩いたり、じょうろで自分の持ち場に満遍なく水を掛けたりしていた。そんな中ーー

 あっちゃんが苦しそうにしていたのだ。

 久しぶりの登場に、誰だっけとなっている人もいるだろうから説明すると、あっちゃんはおれにとっては小学校で最初に出来た友人であり、その後高校卒業まで同じ学校であり続けたヤツなのだが、気性が荒く、面倒なこだわりをやたらと持っていることから、周囲からは若干煙たがられていた男だった。

 とはいえ、おれは別に彼のことが嫌いとかイヤとかは思ったことはなく、むしろ自分のやりたいようにやっている彼をどこか羨みもしたことがあるーーまぁ、方法論や結果論でいえば、真似しなくて正解ではあったのだけど。

 そんなあっちゃんが苦しんでいるではないの。とはいえ、おれも彼とは場所が近くもなければ授業中ということもあって声は掛けられず、不安は募るばかりだった。

「何か、あっちゃん、変じゃない?」

 となりのヤツにそう訊ねると、

「そう? 普通じゃない?」

 と普通に流されてしまい、結局あっちゃんがどうなっているかはわからぬまま、そのまま時間は過ぎ去っていったワケだ。

 授業終了五分前くらいになった時のことだった。作業も佳境に入り片付けに入ろうとしたところで、唐突に女子のひとりが悲鳴を上げたのだ。一体何よと思ったんだけど、何とーー

 あっちゃんが漏らしてた。

 何をって、うん、想像しようなーーしたくないだろうけど。ちなみに前門の虎に後門の狼って感じで大災害が起きてまして、畑にひと筋のアレが落ちていたんだわ。多分、半ズボンの間から落ちたんだろうな。

 オマケに一部の土は色濃くなっていて、まぁ、この状況を例えていうなら擬態昆虫っているだろ? ちょうどあんな感じだったと思うわ。意味わからんけど。

 とはいえ、あっちゃんは悪びれたり、やってしまったという感じもなく、女子の悲鳴も何のその。そのまま何食わぬ顔で作業を続けていました。誤魔化すにも流石に無理があるだろ。

「あっちゃんどうしたの!?」

 担任の女性教師が悲鳴混じりにいう。するとあっちゃんはーー

「したくなったからした」

 お前はエデンの園から追放されたのかってくらい自由意思を感じさせるモノいいをしてた。何というモンスター思考。

 とはいえ、このモンスターないい分が先生に通用するワケもなく、ヒステリックな悲鳴混じりに理由を追及してくる先生に気圧されたのか、あっちゃんが答えたのはーー

 学校のトイレは不潔だから行きたくないということだった。

 いやいや、不潔でも自分の生理現象に逆らってどうするよ。結局先生にも、我慢するくらいなら授業中でもトイレに行きなさいと諭されたのだけど、あっちゃんは尚も、

「学校のトイレはくさいからイヤだ!」

 といい張ってました。いや、パブリックな場所に劣化ウランを投下したほうが圧倒的にくさいだろ。当たり前ですが、そのいい分も先生には通用せず、次回からはちゃんとトイレにいけと怒られたあっちゃんは、不服そうな表情を浮かべて黙り込んでいました。

 いや、そこはトイレに行けよ。

 結局、それからあっちゃんが学校のトイレに行くようになったのは小学三年生からで、二年の終わりまでにも何度か教室にてクリスタル・レイクの惨劇を繰り広げていました。

 ちなみに、うちの学校にてトイレでウランを投下したからってイジメをするボケは誰ひとりとしていなかった模様。

 トイレは我慢してもいいことはないんよ。残念ながらな。トイレにはちゃんと行こう。

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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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