【神帝は反射がお嫌い】

文字数 2,279文字

 慣れないことをするのはキツイもんだ。

 とはいえ、人は何かを始めようとするときは何事においても初心者であり、慣れないことをしなければならない。

ただ、それがストレスに繋がるのは事実とはいえ、逆にできなかった、やったことのなかったことができるようになると、それだけで人は成長できる。そう考えると、慣れないことをするのもいいことだと思うのだ。

 まぁ、人は年齢を経るごとに新しいことに挑戦する機会も減り、中々成長できる機会も少なくなってしまうのだけど、残念なことにおれという人間はーー、

 高校三年で成長が止まってしまったワケだ。

 どんだけ苦労してないんだって話だけど、まぁ、自分から進んで苦労したがる人なんてそうそういないワケで。

「人間はなぁ、苦労しなきゃダメなんだぞ」

 とかいいつつ、人をアゴで使って楽している年増を見ていると、苦労すると人をアゴで使うようになるのかね、と呆れてしまうのだけど。

 とはいえ、多少の苦労というものは必要だと思うし、ストレスがまったくない状態では頭の働きも悪くなるというから、まぁ、ぬるま湯に浸かるくらいなら多少熱いか、冷たい水に浸かったていたほうがいいのかもしれない。

 と、前置きが長くなってしまったけど、慣れないことに挑戦した経験ということで、今日も応援団長のことを書いていくことにするー。

 あらすじーー「残念ながら復活した」

 もうあらすじなのかどうかもわからないのだけど、そういうことだ。煩悶とした一夜が明け、学校へいくと、どういうワケか応援団員たちに気遣われ、団練習もスムーズにできるようになっていたのだった。

たまには人に迷惑を掛けるのもいいかもしれないーーとガイキチが申し上げております。

 さて、昨日から空気が一転し、いい感じに練習が回り始めたんです。そのお陰か、クラスメイトだけでなく、いつの間にか下の学年からも頼りにされるようになりまして、芹沢くんや小田さんを始め、他の後輩たちにも慕われるようになりだしたんだわ。

 あれ、可笑しいぞ。五条氏なのに人に慕われるとか、そんな馬鹿な話がーーあったんですな。まぁ、おれの勘違いかもしれんがね、それで話が上手く回るんだったら、全然いいことで。むしろ、その程度のことで上手くいくんなら、どんどん勘違いするべきですわ。

 といいつつ、精神的に疲弊していなかったかと問われると、それはダウトで。やはり、慣れないことを続けていると、緊張感から解き放たれるタイミングもなく、常に気が張っているような状態で、もはや朝になる度にリビングのソファに寝転がって自分は誰だとか自問してたからなーー完全に精神が逝ってんじゃん。

 それに体育祭一週間前にもなると、ほぼ毎日のように全体練習があって、何とか無難に役割をこなしていても、もう本気で吐きそうになってましたわ。

 さて、そんな時、団会議にて、団長がコスプレをして走るという競技で、おれがどういう格好をするのがいいかとなったのだ。

 そこでおれは、黄色ということで、当時話題になっていた北野武の『座頭市』を提案したのだ。黄色要素?ーー髪が金髪だらうが!

 ということで、提案したらーー

 二秒で却下されたわ。

 もうね、は?って感じ。となるとぼくも剥きになってしまい、「じゃあ、何をするんだ? ピカチュウか?」とか自ら墓穴を掘りにいくスタイルを見せてしまい、一瞬、マジでピカチュウに決まり掛けたからな。

 しかし、改めて考えてみると黄色がイメージカラーのキャラクターって案外いないと思うんよな。と思いきや、目の前のホワイトボードには次々と案が立ち並んでいくではないの。

提案者はブタさん、シーサー、金田の三人で、しかも案を出しては笑っているではないの。貴様ら……。

 あまりにも女たちが盛り上がってるんで、こっちもバイオ4のレオンよろしく、「泣けるぜ……」と呟くしかなかった。マジ泣けたぜ。

 さて、そんな感じでーー女性陣の間でーー協議を重ねた結果、決まったのはーー

 松浦ゴリエだとさぁー!

 もう、あたし、マジで混乱したんだからぁ! とまぁ、あまりに衝撃的でカマ口調になってしまいましたが、これにはほんと、絶句。

 知らない人のために説明すると、「松浦ゴリエ」はかつて水曜の一〇時に放送していた『ワンナイ R&R』にてガレッジセールのゴリが演じていたキャラクターなんだけど、おれはこの番組を観ておらず、何が面白いのかわからなかった上、いってしまえば、「女装の女装」をしなければならないのが非常にイヤだったワケだ。

 でも、シーサーに金田にブタさんはヤル気満々ということで。でも、おれはいったんよ。ゴリエのどこに黄色の要素があるのかね、と。そしたら、金田が答えたんですわーー

「だって、髪の毛金髪じゃん」

……ん? そこで、おれは改めて座頭市を提案したんだけど、

「ダメ」

のひとことで一蹴されましたわ。もう、おれは女子のおもちゃでしかないらしい。ここはそういう倶楽部ではないんだぜ、女王様。

 うん、辞めようーー本気でそう思ったワケだ。まぁ、辞めないんだけどさ。

不幸中の幸いだったのは、セーラームーンにならなかったことーーどっちもどっちか。

 そんな感じで、今日はここまで。次回は最後の準備、というか体育祭前夜って感じの話になるかな。ま、適当に頑張りましょうか。

 んじゃ。
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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