【想像と創造のはざまにて】

文字数 3,246文字

 唐突にしょうもないことを考えてしまう。

 いつものことだろといわれたら、まったくその通りだ。そもそも、小説を書いている時点で、しょうもないことばかり考えているのはいうまでもなく、人間的には異端なのだ。

 別に小説を書いている人をディスる気はない。自分もそのひとりだしな。ただ、有りもしないことを空想できるっていうのは、ある人からすれば才能であり、ある人からしたらゴミでしかない。それだけは事実だ。

 でも、何かを思い描けるというのは、非常に素晴らしいことだと思う。クオリティ云々は別として、何かを想像し、創造できるのは、人間の素晴らしさのひとつであるのは間違いない。

 クオリティ云々をいえば、おれは最底辺の最底辺なので、失うものも何もないし、何があっても恐くはない。

 とまぁ、こんな前置きをしたということはそういうことを話すよ、ということだ。

 さて、何度もいうけれど、おれは唐突にどうしようもないことを考えてしまう傾向にある。

 例えば、今日思いついたのはーーもし、呪いの○○みたいな呪いを掛けられる何かを何十万人とかで一斉に踏んだら、全員呪われるのだろうか、ということだ。

 おれはスピリチュアル的な話は大嫌いだし、興味なんか欠片もないのだけど、唐突にそんなことを思いついてしまったのだ。

 まぁ、その概要なんだけどーー

 とある呪いのメッセージ。それを読んだ人間は、例外なく呪い殺されてしまうという。そして、その呪いを掛けるのが、狂暴な悪霊である「レント」である。今日もまた、呪いのメッセージを読んだ人間が、ひとり……

「うっへへへへ、今日もまたメッセージを読んだバカ者で出てきたで、呪ったろ」

 そんな感じで今日もレントの呪いのメッセージの被害者が増えていく。しかしーー、

「おっ! またメッセージを読んだバカがきたやんけ! コイツも呪ったろ!」

 そんなことをいっていたら、

「おやおや、またひとり……、いやふたり? 一〇……、百……!? いや、一万いっとるやん。こんな短時間で何で? こんなん呪い切れんやん……、いや、まだ増えるやん……」

 そうして、呪いのメッセージを読んだ者は一〇万人を超えーー

「うひゃあー! 呪い切れん! コイツら、ワシにケンカ売っとるやろ! 全員呪ったる!」

 しかし、一〇万人をすぐさま呪うには手作業では時間が掛かる。

「今、何人や……、一七三人!? まだ全然やんけ! 時間は……、もう五時間も経っとるやん! クソ……、あと何人呪えばええんや……」

 しかし、メッセージを読んだ人間は次々増えていく。

「……どんどん増えとるやん。もう無理なんやけど。こっちは手作業で呪ってるんやぞ。少しは人のこと考えたことあるんか。……うわッ! また増えとるやん! ええ加減に……」

 更に一時間後……、

「ギブアップや……。もう成仏するわ」

 こうして呪いのメッセージはただのメッセージとなったのだったーー

 本当に下らない。

 これが冒頭で想像することは素晴らしいとかいってた人間の想像なのかねって感じ。

 まぁ、他にも、『耳なし芳一』なんだけど、あれについてもちょっと考えたことがあって。というのもーー

 無くなったのは本当に耳だけだったのか?ということである。

 またワケのわからんことをといわれるかもしれないけど、要はこういうことであるーー

「うわぁ……、耳盗られちまったわ。マジ、悪趣味やろアイツ。まぁ、経を書き忘れたのが耳だけでよかった……、ギャー! ち○こも無いやんけぇー!」

 これじゃ『耳なし芳一』じゃなくて、『玉なし芳一』やん、とかそんな下らないことはどうでもよくて。もうね、こんなモン書いてる自分の感性と品性を疑うわ。

 さて、最後にもうひとつ。これはおれが大学一年生の時のことだったと思う。その当時は大学も夏休みで、久々に実家に帰っていたのだが、大学一年にも関わらず、何故か母親と進路のことで揉めてしまったのだ。まぁ、詳しい内容は覚えてないけど。

 話を終え、おれはひとりリビングでメシを食っていたのだ。そしたら、固定電話に電話が掛かってきた。電話は目の前にあったにも関わらず、おれは電話を取らずにそのままお茶漬けを啜ってたんです。で、急いで走ってきた母が電話を取ったんですな。

「はい。ーーは?……あ、そう」

 そういうと、母はおれのほうを見てきたんよ。電話に出なかったのがそんなに悪かったのか、と思いましたが、どう考えても悪いーーいや、そうともいえなかった。

気になったのは声のトーンの変化だ。人間、電話に出る時は基本的にトーンの高い「他所いきの声」を出す。実際、母も最初はそうしていたのだけど、そのトーンが急に低くなったのだ。疑問は募るばかりだが、玉もあるし、耳もあるおれは、もう少し耳を澄ませて、母が喋る様を観察してみることにした。品なし五条。

「うん。……で、大丈夫なの?ーーあ、そう。じゃあ自分で何とかして、頑張って帰ってきなさい。……罰金? 自分で何とかしなさい」

 そういって母は電話を切ったのだ。かと思いきや、大きくため息をつくと、ウンザリしたような目でおれのことを見てくるではないか。

「アンタ、さっき新宿で事故起こしたの?」

  このババア、とうとう可笑しくなっちまったのか、とこの当時は思ったけど、違和感は正直あった。声のトーンはもちろんだが、もっと気になるのは、おれはずっと家にいたということだ。しかも、家から新宿まではそれなりにあって、歩いて気軽にいける距離ではない。

 あまりにワケがわからないので、おれは何の話かと訊ね返したのだ。そしたらーー、

「今、アンタから電話があったんだけど」

 そうか、若年性アルツハイマーか。そう思わざるを得なかった。おれから電話があったとか、頭バグってんのか。というのも、おれは目の前でお茶漬けを啜ってたワケで、携帯は自室にあったんでまず電話なんか掛けられない。おれは更に詳細を訊いたのだ。するとーー

「何か、アンタ、新宿で車で人ひいたんだって? だから示談金を振り込んでだって」

 そうか……、おれは何て親不孝な人間なんだ……。大学一年、車どころか免許も持ってないのに無免で、盗んだ車で走り出し、人をひいて、挙げ句の果てには親に示談金を払えとか……、おれという人間はクズすぎる……。

 待てよ?ーーおれ、家にいたぞ?

 そこでわからなくなってしまったのだ。おれは家で茶漬けを啜っていた。が、一方で新宿で事故を起こし泣きそうになっている。これは一体どういうことなのだ。

 もしや、おれはこの短時間で新宿までいき、車を盗むかして、事故を起こしたのか? しかし、どうやって……。

 そこでおれは、これは流行りのドッペルゲンガーなのではないかと考えたのだ。とすると、仮におれが電話に出ていたらーー

 自分自身と会話することになっていたのだ。

 こんな恐ろしい話はない。自分の知らない自分と会話するなど。ドッペルゲンガーと会うと死ぬといわれているが、電話で会話するのはどうなのだろうか。やはり……

「まったく、詐欺にはウンザリ。茶碗、ちゃんと洗っといてね」

 そう言い残して母はリビングを後にした。そんなバカな。詐欺なんて有り得ない! おれは間違いなく、この世にふたり……

 うん、詐欺だな。

 もう間が持たねえわ。確かに何かを想像し、創造するのは素晴らしい。でも、ある程度のクオリティは保たないとダメだと思うのだ。そこで思うのはーー

 これ、本当にアップするのかよ……(するよ)

 今日はいつも以上にゴミ記事だったな。

アスタラヴィスタ。
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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