【コマの中で躍動する男たち】
文字数 2,490文字
マジなことをいうと、おれはあまりマンガは読まないのだ。
まーたそうやってマンガのことディスるんだろこの老害はとか思われるかもしれんけどね、そんなつもりは毛頭ないんよ。
そもそも読まないといっても、「あまり」読まないって話なんで、まったく読まないワケではないのよ。
そもそも、年に一度くらいはマンガに夢中になる瞬間もあるんよ、こう見えて。じゃあ、一体何を読むんよ、って思われるかもしれないけど、多分、タイトルをいってもピンと来ないものが多いと思うのだ。
まぁ、いってしまえば、九〇年代から二千年代初頭に連載していたマンガや昭和中期のマンガのリバイバルが多くて、まずいってもわからんだろうって話だ。
まぁ、おれの好きなマンガの話はさておき、何でそんなマンガの話を始めたんよってことになると思うんだけど、それはーー
『NARUTO』が『忍空』のオマージュだったと知って驚きだったからだ。
そうだったの?と思った。何でも作者曰く、『忍空』のその後を読みたくて『NARUTO』を書き始めたとのこと。なるほどな、という話である。
そういや『ワンピース』も海賊をモチーフにした『七人の侍』みたいな記事をどこかで読んだことがあるし、案外どのマンガも色んなモノの影響を受けているんだろうなと思うのだ。
最初、「海賊版」と書いたら語弊がある感じになってしまったんで、わざわざ「海賊をモチーフにした」と書き直したのは秘密。でも、実際「海賊版」だよなーーいや、そっちの意味じゃなくて。日本語ってややこしいんだよ。
しかし、今では国民的マンガと呼ばれているようなそんなマンガも、自分が小学生の頃はまだ連載され始めて間もなく、『NARUTO』に至ってはアニメすらやってなかったと思うのだ。あれって『ヒカルの碁』より後だよな?
まぁ、年齢が諸バレする発言ではあるのだけど、そんな感じでワシが小学生の頃はそういったマンガたちがジワジワと盛り上がってくる黎明期みたいな時代だったのだ。
さて、今日はそんな時代にあった話だ。
小学六年の頃だ。冒頭でマンガは読まないと発言した割に、その頃のおれは「マンガクラブ」というクラブに所属していたのだ。
このクラブ活動、小学四年生から始まり、学年ごとに所属するクラブが変わるのだが、おれは小四、小六とマンガクラブに所属していた。
何だ、マンガ好きなんじゃんといわれるだろうけど、別にキライとはいってないしな。ちなみに小五の頃は科学クラブでした。完全なインドア派ではあるのよね。
さて、そんなおれがマンガクラブを選んだのは下手なりに絵を描くのが好きだったからだ。
とはいえマンガにもコマ割りとか色々な技術があって普通のハナタレ小学生にはその難しさなんかわかりもせず適当にイラストやマンガを書いて楽しんでいたのだ。案外、無知だからこそ工夫しようと思えるのかもしれんけど。
さて、そんなある時のことである。
とある木曜日、おれはクラブにて描くイラストのためにとあるマンガを持ち込んだのだ。
そのマンガとは、『花さか天使テンテンくん』だった。
何それといわれるかもしれないが、テンテンくんは九〇年代の終わりごろにとある少年誌で掲載されていた、ダメダメ天使のテンテンくんが何の才能もないダメダメ小学生ヒデユキの才能を探すためにグータラするギャグマンガだ。
奔走しねぇのかよと思ったアンタは間違ってないけど、テンテンくんは奔走なんかしないのよ、残念ながら。
まぁ、そんな感じでテンテンくんのコミックスを学校に持っていってたんよ。
普通は学校へのマンガの持ち込みはアウトなのだけど、マンガクラブということもあって多少の外交特権があったんで、それはそれで。
クラブの時間となり、キャナと一緒に図書室へと向かう。クラブが始まり顧問の佐藤先生が挨拶をし、クラブ活動がスタート。
この日は校内に掲示するイラストの候補を描くこととなっていた。おれは早速配られたA4用紙にシャーペンを走らせたのだ。
描き始めて十数分、佐藤先生がおれのイラストを取り上げてじっくりと眺めだしたのだ。そしてーー
「卑猥な絵だねぇ、おちんちん出ちゃってるよ」
といいだしたのだ。ちなみに、おれはそういった卑猥な絵は描いていなかった。ただ、テンテンくんというキャラクターが全裸なだけだ。それだけで、卑猥とは聞き捨てならなーー
全裸の絵を学校に掲示しようとか、中々狂った小学生だとは思うけどな。
とはいえ、その頃のおれも純粋で、テンテンくんについて説明しようとするのだが、佐藤先生はニヤケながら、
「卑猥だねぇ」
というばかり。しかも、図書室内に聴こえるように。尚も「卑猥だねぇ」と連呼する佐藤先生があまりに滑稽だったのか、笑いを堪える生徒もおり、中には卑猥な絵を描いたと見られるおれを冷ややかに見つめる女子の目もあって、どうにも困ったものだった。ブルブルブルブルリーン!震えが止まらないー!
仕方なしにおれは「卑猥だねぇ」と呟き続ける佐藤先生にテンテンくんの説明をして何とかイラストを返して貰おうとするのだけど、
如何せん話が噛み合わない。
何という会話の銃撃戦。アフガンも大陸ごと逃げ出すほどビックリといった感じだった。
まぁ、そんな感じでクラブ終了後、佐藤先生に呼び出され、
「おちんちんの絵は掲示できないねぇ」
といわれたのだった。尚も笑いを堪える男ども、冷たい目で見る女ども。おれは説明を諦め、潔く敗けを認めるのだった。いうこと聞かなーい。勇気が足りなーい。こっちんこっちんこっちんこっちんこー!ちんこー!
帰り際、キャナが爆笑しながら、
「卑猥だねぇ!卑猥だねぇ!」
と佐藤先生のモノマネをしてました。ほんと、卑猥だねぇ。
そんな感じではあったのだけど、おれもただでは引き下がらずに、その翌週描いた『世紀末リーダー伝たけし』のリーダーお肉のイラストを掲示することにしました。
あれこそ卑猥だろうに、佐藤先生は何もいわんかったけど。どういう判断基準なんよ。
てか、何の話をしてるんだ?
マンガって面白いよね。
アスタラビスタ。
まーたそうやってマンガのことディスるんだろこの老害はとか思われるかもしれんけどね、そんなつもりは毛頭ないんよ。
そもそも読まないといっても、「あまり」読まないって話なんで、まったく読まないワケではないのよ。
そもそも、年に一度くらいはマンガに夢中になる瞬間もあるんよ、こう見えて。じゃあ、一体何を読むんよ、って思われるかもしれないけど、多分、タイトルをいってもピンと来ないものが多いと思うのだ。
まぁ、いってしまえば、九〇年代から二千年代初頭に連載していたマンガや昭和中期のマンガのリバイバルが多くて、まずいってもわからんだろうって話だ。
まぁ、おれの好きなマンガの話はさておき、何でそんなマンガの話を始めたんよってことになると思うんだけど、それはーー
『NARUTO』が『忍空』のオマージュだったと知って驚きだったからだ。
そうだったの?と思った。何でも作者曰く、『忍空』のその後を読みたくて『NARUTO』を書き始めたとのこと。なるほどな、という話である。
そういや『ワンピース』も海賊をモチーフにした『七人の侍』みたいな記事をどこかで読んだことがあるし、案外どのマンガも色んなモノの影響を受けているんだろうなと思うのだ。
最初、「海賊版」と書いたら語弊がある感じになってしまったんで、わざわざ「海賊をモチーフにした」と書き直したのは秘密。でも、実際「海賊版」だよなーーいや、そっちの意味じゃなくて。日本語ってややこしいんだよ。
しかし、今では国民的マンガと呼ばれているようなそんなマンガも、自分が小学生の頃はまだ連載され始めて間もなく、『NARUTO』に至ってはアニメすらやってなかったと思うのだ。あれって『ヒカルの碁』より後だよな?
まぁ、年齢が諸バレする発言ではあるのだけど、そんな感じでワシが小学生の頃はそういったマンガたちがジワジワと盛り上がってくる黎明期みたいな時代だったのだ。
さて、今日はそんな時代にあった話だ。
小学六年の頃だ。冒頭でマンガは読まないと発言した割に、その頃のおれは「マンガクラブ」というクラブに所属していたのだ。
このクラブ活動、小学四年生から始まり、学年ごとに所属するクラブが変わるのだが、おれは小四、小六とマンガクラブに所属していた。
何だ、マンガ好きなんじゃんといわれるだろうけど、別にキライとはいってないしな。ちなみに小五の頃は科学クラブでした。完全なインドア派ではあるのよね。
さて、そんなおれがマンガクラブを選んだのは下手なりに絵を描くのが好きだったからだ。
とはいえマンガにもコマ割りとか色々な技術があって普通のハナタレ小学生にはその難しさなんかわかりもせず適当にイラストやマンガを書いて楽しんでいたのだ。案外、無知だからこそ工夫しようと思えるのかもしれんけど。
さて、そんなある時のことである。
とある木曜日、おれはクラブにて描くイラストのためにとあるマンガを持ち込んだのだ。
そのマンガとは、『花さか天使テンテンくん』だった。
何それといわれるかもしれないが、テンテンくんは九〇年代の終わりごろにとある少年誌で掲載されていた、ダメダメ天使のテンテンくんが何の才能もないダメダメ小学生ヒデユキの才能を探すためにグータラするギャグマンガだ。
奔走しねぇのかよと思ったアンタは間違ってないけど、テンテンくんは奔走なんかしないのよ、残念ながら。
まぁ、そんな感じでテンテンくんのコミックスを学校に持っていってたんよ。
普通は学校へのマンガの持ち込みはアウトなのだけど、マンガクラブということもあって多少の外交特権があったんで、それはそれで。
クラブの時間となり、キャナと一緒に図書室へと向かう。クラブが始まり顧問の佐藤先生が挨拶をし、クラブ活動がスタート。
この日は校内に掲示するイラストの候補を描くこととなっていた。おれは早速配られたA4用紙にシャーペンを走らせたのだ。
描き始めて十数分、佐藤先生がおれのイラストを取り上げてじっくりと眺めだしたのだ。そしてーー
「卑猥な絵だねぇ、おちんちん出ちゃってるよ」
といいだしたのだ。ちなみに、おれはそういった卑猥な絵は描いていなかった。ただ、テンテンくんというキャラクターが全裸なだけだ。それだけで、卑猥とは聞き捨てならなーー
全裸の絵を学校に掲示しようとか、中々狂った小学生だとは思うけどな。
とはいえ、その頃のおれも純粋で、テンテンくんについて説明しようとするのだが、佐藤先生はニヤケながら、
「卑猥だねぇ」
というばかり。しかも、図書室内に聴こえるように。尚も「卑猥だねぇ」と連呼する佐藤先生があまりに滑稽だったのか、笑いを堪える生徒もおり、中には卑猥な絵を描いたと見られるおれを冷ややかに見つめる女子の目もあって、どうにも困ったものだった。ブルブルブルブルリーン!震えが止まらないー!
仕方なしにおれは「卑猥だねぇ」と呟き続ける佐藤先生にテンテンくんの説明をして何とかイラストを返して貰おうとするのだけど、
如何せん話が噛み合わない。
何という会話の銃撃戦。アフガンも大陸ごと逃げ出すほどビックリといった感じだった。
まぁ、そんな感じでクラブ終了後、佐藤先生に呼び出され、
「おちんちんの絵は掲示できないねぇ」
といわれたのだった。尚も笑いを堪える男ども、冷たい目で見る女ども。おれは説明を諦め、潔く敗けを認めるのだった。いうこと聞かなーい。勇気が足りなーい。こっちんこっちんこっちんこっちんこー!ちんこー!
帰り際、キャナが爆笑しながら、
「卑猥だねぇ!卑猥だねぇ!」
と佐藤先生のモノマネをしてました。ほんと、卑猥だねぇ。
そんな感じではあったのだけど、おれもただでは引き下がらずに、その翌週描いた『世紀末リーダー伝たけし』のリーダーお肉のイラストを掲示することにしました。
あれこそ卑猥だろうに、佐藤先生は何もいわんかったけど。どういう判断基準なんよ。
てか、何の話をしてるんだ?
マンガって面白いよね。
アスタラビスタ。