【ドランク・ドランカー】
文字数 2,466文字
年末年始は酒を飲む機会が増えがちだ。
まぁ、飲むヤツは年末じゃなくても飲むだろって話だけど、やはり忘年会、新年会のシーズンともなると酒の量は間違いなく増える。
確かにこの状況下ともなると、そういったイベントを開く機会は圧倒的に減るだろう。とはいえ、飲む人は家で飲む。特に年末と三ヶ日ともなると仕事もなく暇になるため、飲食は最高の享楽となり、酒も進むことだろう。
かくいうおれも、年末に中学の友人たちとリモート飲みをし、それを皮切りに数日に渡って飲酒し、肝臓に打撃を与えていたのだが、それではいけないと思うのだ。
況してや、緊急事態宣言が出るとなると、習い事はもちろん、人によっては仕事までと、行動範囲が大きく制限され、家にいる時間が増えるに違いない。
はじめの頃はまだいい。問題はそれが長引き始めてからだ。昨年のおれはそのストレスを解消するために暴飲暴食に逃げ、結果、バカみたいに体重は増え、体調も崩したのだ。
今回は二回目だから大丈夫だろうという考え方もあるかもしれないけど、おれはそうは思わない。何故なら、自粛期間が長引いた時と今では精神状況が違う為、明確な答えは出せないからだ。
兎に角、次の自粛期間はそこを気をつけなければ、と今から気を引き締めていかなければならないだろうね。
とまぁ、そんな今日は酒に関する話。楽しいことにはリスクあり。じゃ、やってくわーー
あれは大学二年の一月のことだった。その頃はまだ年が明けたばかりで、当時地方へ島流しされていたおれも、五村に帰省中だったのだ。
まぁ、帰省して何をするかといえば、友人と遊ぶか家にいるかしかないんだけどな。案の定その日も夜から勝明の家で飲もうということになっていたのだ。
勝明は、この駄文集では初登場なのだけど、今でも付き合いのある友人のひとりだ。ちなみに、年末の九人飲みのメンバーのひとりで、おれとは幼稚園からの付き合いだった。
大学時代は、帰省すると勝明の家でよく飲んでおり、その日も漏れなくそうだったのだ。ちなみに、勝明の家でのエピソードも少なくはないんで、また話すかもしれん。話を戻そうーー
その日のメンツはというと、おれ、勝明、そして麻生の三人だった。
麻生のことはーー説明しなくていいよな。簡単にいえば、規格外の秀才って感じ。詳しくは過去の記事を読んでくれな。
さて、今まで話題に挙げてこなかっただけにこの三人の関係性がわからないだろうと思うのだけど、早い話が中学時代の部活と塾の仲間で、卒業後別の学校にいってもコンスタントに連絡を取り合ってはよく遊んでいた仲だった。
さて、そんな感じでこの日も三人で飲むこととなっていたのだ。
夜の八時頃、勝明の家にいき、三人で乾杯する。三人とも大学に進学し、二〇歳になって三人で酌み交わす酒は最高に美味しかった。
ツマミを口に頬張り、個々の大学の話で盛り上がる。夜だというのにテレビを観ながら談笑し、静かな夜を盛り立てる。
楽しかった。多分、この頃はまだ酒が飲めるようになって浅かったこともあってか、みんな随分と早いペースで飲んでいたと思う。
そんな感じで気づけば深夜二時を回っており、おれも勝明も疲れきっていた。何故ならーー
麻生が面倒な酔い方をしていたからだった。
これはもう面倒で仕方なかった。どんな感じかというと、早い話が酔うと饒舌になる会社の上司やサークルの先輩といった感じだった。つまりは、滅茶苦茶面倒だったワケだ。
もうバカみたいに笑うし、話は通じんしで兎に角面倒くさかった。なんでーー
目の前にある酒を全部混ぜて飲ませたんだ。
もう酷かった。ジンロのビール割りだとかウォッカのテキーラ割りだとか、飲んだら一撃で糖尿になるんじゃないかって身体に悪そうな液体が目の前に並んでいた。
それを麻生はバカみたいに飲みまくり、そのまま眠ってしまったのだ。何とも迷惑なヤツ。
さて、それから時間も過ぎて朝方の四時のことだった。おれも勝明もボンヤリ揺れるテレビの画面を何となしに眺めていたのだ。
平和な時間だった。残ったツマミを適当に食いながら、真空のような時間を過ごした。
そんな時、唐突に変な音が聴こえた。そして、勝明の「うわっ!」という声。おれは勝明の視線が向いているほうを見た。そしたらーー
麻生が嘔吐してた。
まぁ、麻生は起きていたらしく、ビニール袋の中に吐いたからフローリングは汚れなかったからまだよかったけど。とはいえ、唐突な嘔吐におれも勝明も狼狽してしまい、麻生の動向を注視していたのだけどーー
また嘔吐したんよな。
まぁ、これもビニールの中だったからよかったのだけど、流石にここまでくると大丈夫か心配にはなったのだけど、麻生本人がいうには、
「大丈夫」
とのことだった。どこが大丈夫なのか訊きたかったけど、そこは訊かないでおいた。
とりあえず、ビニール袋を胸元に置いておくようにとだけいっておいたのだけど、それから更に二回、三回嘔吐し、かと思いきや、
「ふひぃ! ふひぃ! ふひぃ!」
とか意味不明な喘ぎ声を出し始め、しゃっくりをするように肩を上下させ始めたのだ。まぁ、不謹慎ではあるけど、その滑稽さに思わず笑ってしまいまして。更に麻生は、
「ちゃ! ちゃむい!」
とかいい出したかと思うと、
「ご、ゴルフの接待ッ!」
とかもはや頭がバグってしまったとしか思えないようなワードを連発し出しまして。勝明は心配していましたが、おれは笑いが止まらなくなってしまいました。
まぁ、これだけ余裕だったのも、急性のアル中になったヤツを何人か目の前で見てきて、麻生がそうでないと思ったからだったんだけど、そういうのを見たことない人からしたら怖いよなぁ。でも、やっぱ笑いごとではないよね。
結局、麻生は陽が昇る頃には正気に戻ってまして、自分が嘔吐したモノが入ったビニール袋を両手に帰っていきましたとさ。
ちなみに家まで送ったけど何ともなかったんで、本当によかったわ。
飲酒にはご注意を。
アスタラビスタ。
まぁ、飲むヤツは年末じゃなくても飲むだろって話だけど、やはり忘年会、新年会のシーズンともなると酒の量は間違いなく増える。
確かにこの状況下ともなると、そういったイベントを開く機会は圧倒的に減るだろう。とはいえ、飲む人は家で飲む。特に年末と三ヶ日ともなると仕事もなく暇になるため、飲食は最高の享楽となり、酒も進むことだろう。
かくいうおれも、年末に中学の友人たちとリモート飲みをし、それを皮切りに数日に渡って飲酒し、肝臓に打撃を与えていたのだが、それではいけないと思うのだ。
況してや、緊急事態宣言が出るとなると、習い事はもちろん、人によっては仕事までと、行動範囲が大きく制限され、家にいる時間が増えるに違いない。
はじめの頃はまだいい。問題はそれが長引き始めてからだ。昨年のおれはそのストレスを解消するために暴飲暴食に逃げ、結果、バカみたいに体重は増え、体調も崩したのだ。
今回は二回目だから大丈夫だろうという考え方もあるかもしれないけど、おれはそうは思わない。何故なら、自粛期間が長引いた時と今では精神状況が違う為、明確な答えは出せないからだ。
兎に角、次の自粛期間はそこを気をつけなければ、と今から気を引き締めていかなければならないだろうね。
とまぁ、そんな今日は酒に関する話。楽しいことにはリスクあり。じゃ、やってくわーー
あれは大学二年の一月のことだった。その頃はまだ年が明けたばかりで、当時地方へ島流しされていたおれも、五村に帰省中だったのだ。
まぁ、帰省して何をするかといえば、友人と遊ぶか家にいるかしかないんだけどな。案の定その日も夜から勝明の家で飲もうということになっていたのだ。
勝明は、この駄文集では初登場なのだけど、今でも付き合いのある友人のひとりだ。ちなみに、年末の九人飲みのメンバーのひとりで、おれとは幼稚園からの付き合いだった。
大学時代は、帰省すると勝明の家でよく飲んでおり、その日も漏れなくそうだったのだ。ちなみに、勝明の家でのエピソードも少なくはないんで、また話すかもしれん。話を戻そうーー
その日のメンツはというと、おれ、勝明、そして麻生の三人だった。
麻生のことはーー説明しなくていいよな。簡単にいえば、規格外の秀才って感じ。詳しくは過去の記事を読んでくれな。
さて、今まで話題に挙げてこなかっただけにこの三人の関係性がわからないだろうと思うのだけど、早い話が中学時代の部活と塾の仲間で、卒業後別の学校にいってもコンスタントに連絡を取り合ってはよく遊んでいた仲だった。
さて、そんな感じでこの日も三人で飲むこととなっていたのだ。
夜の八時頃、勝明の家にいき、三人で乾杯する。三人とも大学に進学し、二〇歳になって三人で酌み交わす酒は最高に美味しかった。
ツマミを口に頬張り、個々の大学の話で盛り上がる。夜だというのにテレビを観ながら談笑し、静かな夜を盛り立てる。
楽しかった。多分、この頃はまだ酒が飲めるようになって浅かったこともあってか、みんな随分と早いペースで飲んでいたと思う。
そんな感じで気づけば深夜二時を回っており、おれも勝明も疲れきっていた。何故ならーー
麻生が面倒な酔い方をしていたからだった。
これはもう面倒で仕方なかった。どんな感じかというと、早い話が酔うと饒舌になる会社の上司やサークルの先輩といった感じだった。つまりは、滅茶苦茶面倒だったワケだ。
もうバカみたいに笑うし、話は通じんしで兎に角面倒くさかった。なんでーー
目の前にある酒を全部混ぜて飲ませたんだ。
もう酷かった。ジンロのビール割りだとかウォッカのテキーラ割りだとか、飲んだら一撃で糖尿になるんじゃないかって身体に悪そうな液体が目の前に並んでいた。
それを麻生はバカみたいに飲みまくり、そのまま眠ってしまったのだ。何とも迷惑なヤツ。
さて、それから時間も過ぎて朝方の四時のことだった。おれも勝明もボンヤリ揺れるテレビの画面を何となしに眺めていたのだ。
平和な時間だった。残ったツマミを適当に食いながら、真空のような時間を過ごした。
そんな時、唐突に変な音が聴こえた。そして、勝明の「うわっ!」という声。おれは勝明の視線が向いているほうを見た。そしたらーー
麻生が嘔吐してた。
まぁ、麻生は起きていたらしく、ビニール袋の中に吐いたからフローリングは汚れなかったからまだよかったけど。とはいえ、唐突な嘔吐におれも勝明も狼狽してしまい、麻生の動向を注視していたのだけどーー
また嘔吐したんよな。
まぁ、これもビニールの中だったからよかったのだけど、流石にここまでくると大丈夫か心配にはなったのだけど、麻生本人がいうには、
「大丈夫」
とのことだった。どこが大丈夫なのか訊きたかったけど、そこは訊かないでおいた。
とりあえず、ビニール袋を胸元に置いておくようにとだけいっておいたのだけど、それから更に二回、三回嘔吐し、かと思いきや、
「ふひぃ! ふひぃ! ふひぃ!」
とか意味不明な喘ぎ声を出し始め、しゃっくりをするように肩を上下させ始めたのだ。まぁ、不謹慎ではあるけど、その滑稽さに思わず笑ってしまいまして。更に麻生は、
「ちゃ! ちゃむい!」
とかいい出したかと思うと、
「ご、ゴルフの接待ッ!」
とかもはや頭がバグってしまったとしか思えないようなワードを連発し出しまして。勝明は心配していましたが、おれは笑いが止まらなくなってしまいました。
まぁ、これだけ余裕だったのも、急性のアル中になったヤツを何人か目の前で見てきて、麻生がそうでないと思ったからだったんだけど、そういうのを見たことない人からしたら怖いよなぁ。でも、やっぱ笑いごとではないよね。
結局、麻生は陽が昇る頃には正気に戻ってまして、自分が嘔吐したモノが入ったビニール袋を両手に帰っていきましたとさ。
ちなみに家まで送ったけど何ともなかったんで、本当によかったわ。
飲酒にはご注意を。
アスタラビスタ。