【そこを歩く、という恐怖】

文字数 3,714文字

 ホラーが大好物だ。

 またゲテモノ趣味の悪辣演芸会か何かの話かなとも思われかねないのだけど、おれはホラーが大好きなのだ。

 そもそも、おれがそういうモノを好きになったのは、中学生の時だった。キッカケは『サイレントヒル』という国内でも五本の指に入るであろうホラーゲームの影響だったりする。

 ここで『サイレントヒル』について話してもいいんだけど、そこは敢えて話さない。むしろ自分で調べてくれ。

 とまぁ、今回のタイトルにピンときた人は鋭いというか、中々なモノだと思うのだ。そう、このタイトルーー

 リメイク版『バイオハザード』のキャッチコピーなのだ。わかった人はシンプルにすごい。

 リメイク版『バイオ1』は、これまでに自分がやったホラーゲームの中でもトップクラスに怖かったゲームのひとつだ。初めてやったのは小学生の時だったのだけど、その当時は怖いプラス難しいで、その頃の自分にはイージーモードでクリアするのが限界だった。今では高難易度で縛りプレイをするくらいなんだけどさ。

 昔からそんなゲームばかりやっていたこともあってホラーには強いようで、ちょっとやそっとの描写では動じなかったりする。

 それはお化け屋敷も同様だった。

 さて、昨日の続きです。『富士急篇』やね。一応あらすじ書いとくか。

 あらすじーー『イキッた骸骨のもこみちは、全然怖くないといっていたジェットコースターにて失神してしまったのだ』

 うーん、何ともバカっぽい話。やっぱイキるのはよくないね。さて、昨日はジェットコースターだったけど、今日はお化け屋敷篇です。

 では、いくーー

 ドドンパ終了後も様々なアトラクションを楽しんだおれは、昼飯を食ったのちにある場所へ向かったのだ。それはーー

『超戦慄迷宮』だ。

 戦慄迷宮といえば、世界で最も長いといわれるお化け屋敷で、一定期間で内部の構造が変わるため、何度リピートしても飽きないという、お化け屋敷のゴリアテみたいな存在だ。

 そんな感じで、戦慄迷宮の前までくると五人の塾生と出会ったのだった。

「あー、五条くんだぁ!五条くんも戦慄迷宮入ろうよぉ!」

 中本というギャルがいった。おれはそれに同意し、一緒に行動していたヤツに加え、迷宮前で会った塾生とともに中に入ることにしたのだ。まぁ、ひとりイヤだっていって辞退しちゃったけど。

 受付を終えて中に入ると、最初に診察室のような部屋におれを含めた四人が案内される。中央に置かれた長椅子に座るよういわれて座るとーー

 急に椅子が陥没したのだ。

 かと思いきや唐突に室内がピカリンと光り、ハゲ頭かって感じだったのだけど、それが終わると血だらけの看護師に先に進むようにいわれ、部屋を出たんですな。

 そうして先にいっていた一団と合流して先に進んだんだけど、そもそもが廃病院をお化け屋敷に改築したというだけあっておどろおどろしさが半端でないのだ。それに薄暗い照明も伴って、もはや異界だった。

 ただ歩くだけでも緊張感があり、シーツがあからさまに膨らんでいるベッドだったり、ストレッチャーだったりが急にガタガタと動き出すのには流石に驚いた。

 とはいえ驚きながらも前に進んでいたんですよ。そしたらーー

 三名がリタイアしました。

 確か、診療室を出て五~一〇分ほどで、ちょうど最初の部屋を出たあたりだったと思う。でも、怖いものは怖いしな。リタイアするもしないも個人の自由よね。

 ちなみに、戦慄迷宮はその長さと怖さもあって、ある程度の距離でリタイアポイントがあってそこから外へ出れるようになってるんよ。怖いの無理だけど少し雰囲気を感じてみたいって人はリタイア前提で入ってみるといいよ。

 それはさておき、三人がリタイアした後も更に先へと進んでいったんですが、その間も椅子に座っているゾンビだとか血塗れでメスもった医者だとかが驚かせようとしてくるのよ。でも、ホラーゲーム廃人の五条氏には通用なんかしない!って感じでした。もはや五条氏の頭がホラーだよな。

 そんな感じで進んでいると唐突に血塗れの看護師が現れまして、

「ここから先はふたりずつでしか進めません」

 と数本の別れ道を指していうでないの。ふたりって。まぁ、その時点で三人リタイアしてたもんでちょうど偶数になってたんでふたりずつでも問題はないのだけど、ただどうやってメンツを分けていくかが問題ーー

「あたし、五条くんといく!」

 そういったのはギャルの中本でした。これには流石の五条氏も「はぁ?」って感じでした。

 いやね、五条氏といえばモテないことで通っているワケですよ。それなのにこんなギャルに指名されてお化け屋敷でふたりとか、あっていいのかって感じなんだけど、驚きのあまり思わず理由を訊いてしまったところーー

「だってプロレスとか好きじゃん!」

 ちょっと意味わかんない。プロレスが好きだと怖いもの知らずとでもいいたいのだろうか。

 そんな感じで、プロレス好きの怖いもの知らず(らしい)五条氏は、ギャルの中本とともに先に進むことになったのだ。がーー

 中本がおれの背中を掴んで離さないのだ。

 しかも、服を掴んでうしろに引っ張るから絶妙に前に進めない。いやいや、進めんだろうにとオブラートに包んでいってみたところ、

「だって怖いじゃん!」

 とのこと。怖いのはいいけど、体重を掛けるのだけは止めろ。シンプルに重いーーいや、体重がどうとかじゃなくて進めねえんだよ。

 まぁ、五条氏といえば小学六年の修学旅行にてお化け屋敷に入ろうとしたらあっちゃんに背中のリュックを引っ張られるという珍事がありましたが、どうも五条氏は背中を引っ張られる傾向にあるらしい。どういう傾向だよ。

 それから中本という背後霊を背負いながら、ゾンビたちとハートウォームな交流をして先に進み、ふたりのゾーンを突破して他のメンツと合流したんだわ。合流後、

「中本さんと一緒とか羨ましいぞ」

 と自称「極真空手の覇者で遊戯王世界チャンピオン」の高橋にいわれましたが、苦笑するしかなかった。規模のデカイ自称だな。

 まぁ、でも流石に長いダンジョンということもあっておれもトイレにいきたくなり、リタイアしようかとも思ったのだけど、ここまできたら最後までいこうと考えを改めたのだ。

 先にいっとくけど、漏らさないからな。

 ご希望に添えなくてすまんね。

 さて、そうして進んでいくとまた分岐点が出てきたのだ。今度は、人数は指定されていないが、ふたつの道にそれぞれ別れなければならないという。

 まぁ、今度は中本とふたりの時みたいな感じにはならないだろうと内心安心していた。

 が、自称「極真空手の覇者で遊戯王世界チャンピオンで世界一のポケモントレーナーでピカチュウマスター」の高橋に、

「じゃ、おれたちはこっちいくから」

 と先にいかれてしまいました。その中には中本もおり、

「五条くん、気をつけてね」

 とかいってました。今度は重い思いしなくて楽そうだよ。と思ったのだけど、

 残されたのはおれともうひとりだけでした。

 はぁ?って感じですよ。向こうは四人だからな。何でこっちはふたりなんだよ。しかも、

 懐中電灯を全部持っていきやがった。

 一応誘導灯と演出のためのライトがあるとはいえ、滅茶苦茶暗く、普通に前が見えない。これには困ったものだった。

 というわけで、おれはその場に残された原野くんの妹であるユミちゃんと先に進むこととなったのだ。

 原野くんといえば、以前話した月曜日のゲーム大会を開いていたヤツで、同時に小野寺先生のホームページの掲示板を荒らしていた犯人でもあった。

 原野くんの妹、ユミちゃんは当然原野くんの家に遊びにいったときに会っているし、話もしたことはあるけれど、こうやってふたりになるとどうも変な感じだった。

 まぁ、それでユミちゃんと先に進むこととなったのだけど、やはり暗い。微かに前が見えるくらいで、どうにも足元が見えずらい。

 ユミちゃんに足元に気をつけるよういいながら先に進むも、マジで道がわからなくなりそうだった。

 そんな中、うしろから足音が聴こえたのだ。

 他の人が追い付いて来たのかと思い、同行して明かりを拝借しようかと思ったのだけどーー

 ゾンビでした。

 何でお前なんだよと思ったね。これにはもう困り果ててゾンビに思わず、

「明かり持ってかれちゃったんだけど、どっちに進めばいい?」

 とか普通に訊いちゃってました。しかも、ゾンビも身振り手振りでちゃんと道を教えてくれました。ありがとうゾンビ。

 そんな感じで何とか先へと進み、ギャルの中本や自称「極真空手の覇者で遊戯王世界チャンピオンで世界一のポケモントレーナーでピカチュウマスターで元アメリカ軍の訓練生」の高橋たちと合流して、戦慄迷宮を脱出したんだわ。もう滅茶苦茶だな。

 ちなみに脱出には一時間掛かりました。流石は自称じゃない世界最長。脱出後、専門のショップにて、写真の販売があったのだけど、

 診察室にて間抜け面した五条氏がアップで写ってました。あのピカリンはカメラのフラッシュだったんよね。

 そんな感じで、富士急ハイランドにて楽しく過ごしましたとさ。長くなっちゃった。

 アスタラビスタ。

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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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