【エテ公エイリアン】
文字数 2,306文字
何をやっても笑われてしまう人がいる。
こういったタイプの人はどこのコミュニティにも大抵ひとりはいるもので、そのことに対して、イラッとするタイプとそれでいいとするタイプで二分されることが多い。
とはいえ、基本的に人から笑われるというのは余り気持ちのいいことではないだろう。そもそも、「笑わせている」なら気分も晴れようが、「笑われている」となるとシンプルに不快になるのは当たり前の話だろう。
こういった何故か人に笑われてしまう人というのは、何が原因でそうなってしまうのか。これは要因としては、三つ考えられるのではないかと思われる。
ひとつは、余りにも空前絶後な発想や行動を取ってしまう人だ。これはいってしまえば、昔の天才によくあったとされることだ。
基本的に人の理解を超えることを考えたり、しようとする者は嘲笑の的になりがちだ。が、それを実現したからこそ、現代でもその技術が残っていたり、当たり前に使われていたりすることを考えると、その当時嘲笑していたヤツラというのはあの世で顔を真っ赤にしているであろうと思えてならないワケだ。
またこれに似た理由のふたつ目としては、「何処までも愚直」ということだ。これはいってしまえば、どこまでもひたむきで黙々と何かに対して心血を注ぐタイプのことだ。
それこそ学生時代なんかは、努力をすることがカッコ悪いみたいなアホな風潮があったけれど、このふたつ目のタイプはまさにこういった悪習の嘲笑の的になりやすい。
まぁ、ひたむきに何かを続けるということはなかなか出来ることではないし、逆にいえばそれが成功するとも限らない。
とはいえ、逆に成功してしまえばバカにしていたヤツラは黙るか、ヘコヘコと揉み手をしてくるか、自分が嘲笑していた過去をあたかもなかったかのようにして「トモダチィ、ウェーイ!」みたいに偉そうに肩を組んでくるかといった見事な手のひら返しを見ることが出来るワケだ。まぁ手のひらを返すなら始めから偉そうにすんなって話だけど、それはまた別の話。
まぁ、これらふたつはポジティブな理由であって、もうひとつ、どちらかといえばネガティブな理由としていえるのはーー
シンプルにどうかしている場合だ。
まぁ、どうかしているといっても、笑いながら人を刺しちゃうみたいなことではない。この場合のどうかしているヤツというのは、人間的な最低限の倫理観は持っているが、どこかネジが飛んでるヤツのことだ。
まぁ、この手の人の話題といったら事欠かないのが、この駄文集の特徴だ。というか、そもそも書いてるヤツがそういうヤツだしな。
そう、かくいうおれも人から嘲笑されるタイプの人間であるのはいうまでもない。
というのも、意味不明なところでひた向きで、尚且つネジが三十本くらい飛んでしまっているような言動を平気でするのだから、そりゃ笑われるのも仕方ないよな。
ただ、人を黙らせたことも何度となくある。というのも、ひた向きにやってしまった結果、ちょっとした結果が出てしまったとかそういうことで、な。暴力ではーーうん、余りにも酷い場合は致し方ない場合もあるとは思うけど、基本的にはダメだよな。
とはいえ、これはまだひた向きに何かをやったという事実があったからよかったモノの、これで怠惰だったら、それこそナチュラルに嘲笑されることはいうまでもないだろう。
さて、今日はそんな話ーー
あれは中学二年の頭のことだったと思う。その日は所属していた卓球部の練習試合で、近隣の中学に遠征しに行っていたのだ。
そこで、おれは早々に試合がひとつ組まれることとなった。相手は遠征先の「草野」という三年生で、ルックスでいえば、80、90年代のジャニーズを書類選考で落とされるような感じ。サラサラのやや長い茶髪にどこか中性的だけど気の強そうな顔、背はまぁまぁ。
というワケで試合開始。おれは挨拶をしつつ、試合を始めたのだけど、
草野がまるでやる気がないのだ。
もうトコロテンかってくらい動きに芯がなく、ボールを打ち返すにもかなり適当な感じだった。まぁ、とはいえおれも、格下相手にやる気がないんだろうなぐらいにしかその時は思わなかった。
まぁ、そんなこんなで試合が進んだのだけど、結局おれの勝ちで試合は終了。控えに戻ると、五村西のメンバーから、どうだったか訊ねられたのだけど、コメントがしづらい状態に。
で、そのすぐ後に草野は他のヤツと試合を始めたのだけど、これがまた態度が悪い。ミスるとキレてボールをそこらへんにぶっ飛ばし、舌打ちをしまくる。中学生かよーー中学生か。
そんな中、次のサーバーが草野となったその時である。草野はバックのカットサーブを打とうとしたのだ。がーー、
何故かボールを手前に上げ過ぎて、草野はうしろにひっくり返ってしまったのだ。
正直、自分でも書いててどういうことかわからないのだけど、早い話が、サーブを打とうとしたら、何故か仰け反ってうしろ向きに転んでしまったワケだ。
どうしてそうなる。
が、これ以降草野のスピリットにも火がついたらしく、試合中に、
「ウェーイ!」
とか掛け声を掛け始めたり、
「ウェイ、ウェイヤー!」
とか叫びながらラケットで床を叩いたりとかワケのわからないことをやり始めました。仮面ライダーブレイドかよ。
結局、そんな奇行を繰り返すモンだから、五村西の連中ーー特にキャナーーの目に止まり、今に至るまで散々ネタにされることとなったとさ。
ちなみに、相手方の中学でも草野は変なヤツとして先輩後輩関係なく笑われていた模様。そりゃそうなるよな。ウェーイ!
奇行をする際には十分ご注意を。
アスタラ。
こういったタイプの人はどこのコミュニティにも大抵ひとりはいるもので、そのことに対して、イラッとするタイプとそれでいいとするタイプで二分されることが多い。
とはいえ、基本的に人から笑われるというのは余り気持ちのいいことではないだろう。そもそも、「笑わせている」なら気分も晴れようが、「笑われている」となるとシンプルに不快になるのは当たり前の話だろう。
こういった何故か人に笑われてしまう人というのは、何が原因でそうなってしまうのか。これは要因としては、三つ考えられるのではないかと思われる。
ひとつは、余りにも空前絶後な発想や行動を取ってしまう人だ。これはいってしまえば、昔の天才によくあったとされることだ。
基本的に人の理解を超えることを考えたり、しようとする者は嘲笑の的になりがちだ。が、それを実現したからこそ、現代でもその技術が残っていたり、当たり前に使われていたりすることを考えると、その当時嘲笑していたヤツラというのはあの世で顔を真っ赤にしているであろうと思えてならないワケだ。
またこれに似た理由のふたつ目としては、「何処までも愚直」ということだ。これはいってしまえば、どこまでもひたむきで黙々と何かに対して心血を注ぐタイプのことだ。
それこそ学生時代なんかは、努力をすることがカッコ悪いみたいなアホな風潮があったけれど、このふたつ目のタイプはまさにこういった悪習の嘲笑の的になりやすい。
まぁ、ひたむきに何かを続けるということはなかなか出来ることではないし、逆にいえばそれが成功するとも限らない。
とはいえ、逆に成功してしまえばバカにしていたヤツラは黙るか、ヘコヘコと揉み手をしてくるか、自分が嘲笑していた過去をあたかもなかったかのようにして「トモダチィ、ウェーイ!」みたいに偉そうに肩を組んでくるかといった見事な手のひら返しを見ることが出来るワケだ。まぁ手のひらを返すなら始めから偉そうにすんなって話だけど、それはまた別の話。
まぁ、これらふたつはポジティブな理由であって、もうひとつ、どちらかといえばネガティブな理由としていえるのはーー
シンプルにどうかしている場合だ。
まぁ、どうかしているといっても、笑いながら人を刺しちゃうみたいなことではない。この場合のどうかしているヤツというのは、人間的な最低限の倫理観は持っているが、どこかネジが飛んでるヤツのことだ。
まぁ、この手の人の話題といったら事欠かないのが、この駄文集の特徴だ。というか、そもそも書いてるヤツがそういうヤツだしな。
そう、かくいうおれも人から嘲笑されるタイプの人間であるのはいうまでもない。
というのも、意味不明なところでひた向きで、尚且つネジが三十本くらい飛んでしまっているような言動を平気でするのだから、そりゃ笑われるのも仕方ないよな。
ただ、人を黙らせたことも何度となくある。というのも、ひた向きにやってしまった結果、ちょっとした結果が出てしまったとかそういうことで、な。暴力ではーーうん、余りにも酷い場合は致し方ない場合もあるとは思うけど、基本的にはダメだよな。
とはいえ、これはまだひた向きに何かをやったという事実があったからよかったモノの、これで怠惰だったら、それこそナチュラルに嘲笑されることはいうまでもないだろう。
さて、今日はそんな話ーー
あれは中学二年の頭のことだったと思う。その日は所属していた卓球部の練習試合で、近隣の中学に遠征しに行っていたのだ。
そこで、おれは早々に試合がひとつ組まれることとなった。相手は遠征先の「草野」という三年生で、ルックスでいえば、80、90年代のジャニーズを書類選考で落とされるような感じ。サラサラのやや長い茶髪にどこか中性的だけど気の強そうな顔、背はまぁまぁ。
というワケで試合開始。おれは挨拶をしつつ、試合を始めたのだけど、
草野がまるでやる気がないのだ。
もうトコロテンかってくらい動きに芯がなく、ボールを打ち返すにもかなり適当な感じだった。まぁ、とはいえおれも、格下相手にやる気がないんだろうなぐらいにしかその時は思わなかった。
まぁ、そんなこんなで試合が進んだのだけど、結局おれの勝ちで試合は終了。控えに戻ると、五村西のメンバーから、どうだったか訊ねられたのだけど、コメントがしづらい状態に。
で、そのすぐ後に草野は他のヤツと試合を始めたのだけど、これがまた態度が悪い。ミスるとキレてボールをそこらへんにぶっ飛ばし、舌打ちをしまくる。中学生かよーー中学生か。
そんな中、次のサーバーが草野となったその時である。草野はバックのカットサーブを打とうとしたのだ。がーー、
何故かボールを手前に上げ過ぎて、草野はうしろにひっくり返ってしまったのだ。
正直、自分でも書いててどういうことかわからないのだけど、早い話が、サーブを打とうとしたら、何故か仰け反ってうしろ向きに転んでしまったワケだ。
どうしてそうなる。
が、これ以降草野のスピリットにも火がついたらしく、試合中に、
「ウェーイ!」
とか掛け声を掛け始めたり、
「ウェイ、ウェイヤー!」
とか叫びながらラケットで床を叩いたりとかワケのわからないことをやり始めました。仮面ライダーブレイドかよ。
結局、そんな奇行を繰り返すモンだから、五村西の連中ーー特にキャナーーの目に止まり、今に至るまで散々ネタにされることとなったとさ。
ちなみに、相手方の中学でも草野は変なヤツとして先輩後輩関係なく笑われていた模様。そりゃそうなるよな。ウェーイ!
奇行をする際には十分ご注意を。
アスタラ。