【ナイーブなおマヌケさん】

文字数 1,113文字

 個人的にはかなり衝撃的なニュースだった。

 突然何をいい出すのかという感じだろうけど、ちょっと個人的に衝撃を受けたニュースがあったのだ。というのもーー

 二瓶正也さんがお亡くなりになったというのだ。

 二瓶さんの名前を聴いてもピンと来ない人も多いかもしれないので一応いっておくと、初代『ウルトラマン』に出演し、科学特捜隊のイデ隊員を演じていた俳優である。

 まぁ、ウルトラマンの科学特捜隊の隊員というと、普通に脇役じゃないかとも思われるかもしれない。だが、そんな脇役にも関わらず、語り草になるほどに素晴らしかったのがイデ隊員であり、イデ隊員を演じた二瓶さんの演技だったワケだ。よくーー、

「ウルトラマンがいるなら、防衛隊なんていらなくね?」

 みたいなことをいう人がいるけれど、実はこの話は初代『ウルトラマン』の時点で既に取り上げられたテーマだったりする。

 そして、そのテーマに真っ向から立ち向かったのがイデ隊員だった。

 ウルトラマンがいるのだから、自分たちのような存在は必要ないのではないか。

 そういったジレンマに悩みに悩み、一度は職務を放棄してしまうも、最終的には自ら製作した新兵器で怪獣を倒し、自信を取り戻すーー本当に感動的な話だ。

 またある時は、元は地球人だったが、火星探査計画の中で行方不明となったが、何とか生き残り、変わり果てた姿で地球に復讐に来る宇宙人に対して感情移入してしまい、職務を半分放棄してしまう。だが、故郷の地球を燃やし尽くし、家屋を踏み潰す宇宙人に対し、

「お前は地球人のこころを亡くしてしまったのか……!?」

 と絶叫する。そして、宇宙人が死に、墓碑に刻まれた美辞麗句を見て、

「犠牲者はいつだってそうだ……! 文句ばかりは美しいけど……!」

 と内に滾る感情を噛み殺していう。

 もうこのふたつのエピソードだけでも、イデ隊員ーーひいては、二瓶さんの芝居が如何に素晴らしいかがわかると思うのだけど、どうしてもおれ程度のチンピラが書く文章じゃ、この魅力も伝わらないだろう。

 だから、もし少しでも興味があれば、初代の『ウルトラマン』を観てみて欲しい。

 子供向けの特撮だと侮るなかれ。そこにあるのは哲学的な大人のドラマ。勧善懲悪に終わらない切ない幕切れだったり、考えさせられる結末だったりが、観る者の胸を打つはずだ。

 だから、もし少しでも気になる、興味があるのなら、初代の『ウルトラマン』を是非とも観て欲しい。本当に面白いから。

 まぁ、初代『ウルトラマン』に関することならもっともっと話せるのだけど、それじゃ切りがないので、今日はここまで。

 最後に、二瓶さん、素晴らしい芝居をありがとうございました。

 お疲れ様でした。
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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