【嵐が来る】
文字数 2,710文字
何かが始まる前の高揚感といったらない。
それ、マジでいっているのかといわれても可笑しくないくらいおれが怠惰なのは、この駄文集を読んでいる人ならおわかりだろう。
そもそも、体育祭だって団長になると決まった瞬間の絶望感といったらなく、大怨霊となって担任のブタさんを末代まで呪ってやろうと本気で考えたくらいなのだ。
確かにおれは、何かをやるとなった時に憂鬱になりがちだ。とはいえ、それは対象のことをどう思っているかで大きく変わると思うのだ。
とまぁ、本当だったらクソみたいに下らない話をして、読み手を嘔吐パーティにしてやろうかとも画策したのだけど、よくよく考えたら、短いスパンで二度も続きものを休むのは、どうにも不親切な気がしてならなかったのだ。
というわけで昨日の続きな。あらすじーー「二度の死闘の末、アポロガイストはアポロン宮殿にて倒れた。が、それも束の間、神敬介の前に新たな敵が立ちはだかる。その名もキングダーク。神敬介は打倒GoDに向け更なる闘志を燃やすのだった」
数日ぶりの神敬介シリーズなワケなんだけど、とうとうアポロガイストも死んでしまい、悲しんでいる間もなく新たな敵がーー
どうでもいいので、本チャンのあらすじーーあおいと食事にいった五条氏は夜のストリートで彼女と色々あったのだ。
もはや本チャンのあらすじすらまともに書く気がないのかと思われるかもだけど、恥ずかしいんだ。詳しくは昨日の記事を読んでくれ。
さて、続きを書いていくよ。
あの夜の後、五条氏とあおいは付き合うこととなった。とはいえ、キャリアのある団員と新入団員がそういう関係になるというのは、イヤな人はイヤなのはいうまでもない。
そこで、おれとあおいは、ふたりの関係は劇団内では秘密にしようと決めた。まぁ、もしもの時のために、あおいの彼氏となる人物の名前ーー偽名を考えて、誰かに話を訊かれた場合はその名前を答えようということにしたのだ。
「名前、何がいいかな……?」
そう訊ねられ、おれは少し考えていった。
「んじゃ、『弓永龍』で」
これは適当におれのシナリオに出てくるキャラクターの名前を使ったワケではなく、その当時、マジでそうしたのだ。
弓永龍ーー名前の由来は、ハードボイルド作家、ロス・マクドナルドが創作した探偵『リュウ・アーチャー』からだ。ちなみにアーチャーは「弓使い」のことなので、最初は「弓塚」だったのだけど、字数と響きで「弓永」に変更したんよ。どうでもいい偽名に変なこだわりを見せる男、五条。
まぁ、個人的にこの名前を気に入っていたこともあって、後に自分のシナリオの登場人物の名前にしてしまおうということになったわけだ。ちなみに警察官という設定になったのは、リュウ・アーチャーが元警官という設定とは、まったく関係ない。ま、どうでもいいわな。
まぁ、弓永の名前の由来がこんな下らないものだったと知って、みなさんは鼻くそをほじりながら座椅子に深く腰を掛けて「下らね」とかいっているかと思うのだけど、正直そんな話はどうでもいいです。
さて、それから翌週の稽古。この日はいうまでもなくも公演台本の最終決定の日だった。
稽古場に入り、あおいに軽く会釈をすると、おれはゆーきさんやXたちとまったく中身のない話をした。
あまりくっついていると関係を疑われかねないからと、最低限の関わりに留めようとふたりで取り決めていたのだ。あおいも、ヨシエさんたちと話をしていたし、意図的に離れているようには見えなかったーーと、思いたい。
時間となり、あおいの音頭でアップが始まった。おれは、一応声は出る。とはいえ、出せるのはボーカリストとしての声であり、役者としての発声は依然として全然できなかった。これがおれの公演に向けての課題だった。
アップが終了するとそのまま話し合いに移った。ヨシエさんの台本は、前回のアンケートの結果、候補にいれるという話で纏まった。そして改めて取られた台本選定で上位に挙がったのは、ヨシエさんの本と立野さんの本だった。
が、そこで正さんがもの申す。やはり、ヨシエさんの台本のエントリーには納得できないし、立野さんの台本をやるとしたら演出はどうなるか。自分の台本なら演出もいるし、クリーンだ、とどうしても自分の台本をやりたいという気持ちが出ているのがわかった。
とはいえ、ヨシエさんの台本のエントリーはもう決まっており、その手のイチャモンは今さらつけても遅かった。
が、結局収集つかず、候補として残った四本の台本の代表者が自分の推薦台本をPRし、それによって最終決定しようということになった。
ひとり目はヒロキさん。推薦するのは、某有名劇団のアクション台本だ。演出はやるつもりはなかったが、この台本に関しては自分が演出をやって、舞台を作りたいとのことだった。
ヒロキさんを知っている団員からしたら、このヒロキさんの発言は意外だったようで、みんな驚いていた。その真意はーーいずれ話す。
ふたり目は正さん。まぁ、いった内容は上に書いた通り。
三人目は立野さん。立野さんはこの時点で他県に移住してしまっていたので、メールで意気込みを送ってきていた。それによると、自分の台本で、ひとつの舞台を作って欲しい。演出は協力者である他団体の人に頼んである、とのことだった。
この他団体の協力者に関してはまた今度話す。というか、話すの忘れてたわ。
そして最後、ヨシエさんだ。内容は、遅出しの詫びと、自分の台本と演出で最高の舞台を作り上げたいとのこと。更にそこにショージさんも加わり、熱量はオーバーヒート。これは流石にやり過ぎな気がしたけれど、まぁ、いい。
四人のPRが終わり、最終集計となった。結果はーー
ヨシエさんの台本『死神とわたしたち』に決定した。
これはもはや疑いようがなかった。色々と思うことがある人も多かったようだが、結局はヨシエさんの台本に決まったのだ。
そして、次の稽古からは、この本を使って公演に向けた稽古が始まるワケだ。
稽古後はいつも通り、アフターの時間。外で参加者を募っている中、おれは乾いた風に吹かれながら、期待と不安を胸に抱き、静かに夜空を仰いだのだーー
とまぁ、今日はここまで。次回からは『舞台稽古篇』に突入やね。
となると、一回の稽古にクローズアップするというよりかは、数回の稽古から重要な部分をピックアップする感じになるか。
ま、そんな感じで、アスタラビスタ。
それ、マジでいっているのかといわれても可笑しくないくらいおれが怠惰なのは、この駄文集を読んでいる人ならおわかりだろう。
そもそも、体育祭だって団長になると決まった瞬間の絶望感といったらなく、大怨霊となって担任のブタさんを末代まで呪ってやろうと本気で考えたくらいなのだ。
確かにおれは、何かをやるとなった時に憂鬱になりがちだ。とはいえ、それは対象のことをどう思っているかで大きく変わると思うのだ。
とまぁ、本当だったらクソみたいに下らない話をして、読み手を嘔吐パーティにしてやろうかとも画策したのだけど、よくよく考えたら、短いスパンで二度も続きものを休むのは、どうにも不親切な気がしてならなかったのだ。
というわけで昨日の続きな。あらすじーー「二度の死闘の末、アポロガイストはアポロン宮殿にて倒れた。が、それも束の間、神敬介の前に新たな敵が立ちはだかる。その名もキングダーク。神敬介は打倒GoDに向け更なる闘志を燃やすのだった」
数日ぶりの神敬介シリーズなワケなんだけど、とうとうアポロガイストも死んでしまい、悲しんでいる間もなく新たな敵がーー
どうでもいいので、本チャンのあらすじーーあおいと食事にいった五条氏は夜のストリートで彼女と色々あったのだ。
もはや本チャンのあらすじすらまともに書く気がないのかと思われるかもだけど、恥ずかしいんだ。詳しくは昨日の記事を読んでくれ。
さて、続きを書いていくよ。
あの夜の後、五条氏とあおいは付き合うこととなった。とはいえ、キャリアのある団員と新入団員がそういう関係になるというのは、イヤな人はイヤなのはいうまでもない。
そこで、おれとあおいは、ふたりの関係は劇団内では秘密にしようと決めた。まぁ、もしもの時のために、あおいの彼氏となる人物の名前ーー偽名を考えて、誰かに話を訊かれた場合はその名前を答えようということにしたのだ。
「名前、何がいいかな……?」
そう訊ねられ、おれは少し考えていった。
「んじゃ、『弓永龍』で」
これは適当におれのシナリオに出てくるキャラクターの名前を使ったワケではなく、その当時、マジでそうしたのだ。
弓永龍ーー名前の由来は、ハードボイルド作家、ロス・マクドナルドが創作した探偵『リュウ・アーチャー』からだ。ちなみにアーチャーは「弓使い」のことなので、最初は「弓塚」だったのだけど、字数と響きで「弓永」に変更したんよ。どうでもいい偽名に変なこだわりを見せる男、五条。
まぁ、個人的にこの名前を気に入っていたこともあって、後に自分のシナリオの登場人物の名前にしてしまおうということになったわけだ。ちなみに警察官という設定になったのは、リュウ・アーチャーが元警官という設定とは、まったく関係ない。ま、どうでもいいわな。
まぁ、弓永の名前の由来がこんな下らないものだったと知って、みなさんは鼻くそをほじりながら座椅子に深く腰を掛けて「下らね」とかいっているかと思うのだけど、正直そんな話はどうでもいいです。
さて、それから翌週の稽古。この日はいうまでもなくも公演台本の最終決定の日だった。
稽古場に入り、あおいに軽く会釈をすると、おれはゆーきさんやXたちとまったく中身のない話をした。
あまりくっついていると関係を疑われかねないからと、最低限の関わりに留めようとふたりで取り決めていたのだ。あおいも、ヨシエさんたちと話をしていたし、意図的に離れているようには見えなかったーーと、思いたい。
時間となり、あおいの音頭でアップが始まった。おれは、一応声は出る。とはいえ、出せるのはボーカリストとしての声であり、役者としての発声は依然として全然できなかった。これがおれの公演に向けての課題だった。
アップが終了するとそのまま話し合いに移った。ヨシエさんの台本は、前回のアンケートの結果、候補にいれるという話で纏まった。そして改めて取られた台本選定で上位に挙がったのは、ヨシエさんの本と立野さんの本だった。
が、そこで正さんがもの申す。やはり、ヨシエさんの台本のエントリーには納得できないし、立野さんの台本をやるとしたら演出はどうなるか。自分の台本なら演出もいるし、クリーンだ、とどうしても自分の台本をやりたいという気持ちが出ているのがわかった。
とはいえ、ヨシエさんの台本のエントリーはもう決まっており、その手のイチャモンは今さらつけても遅かった。
が、結局収集つかず、候補として残った四本の台本の代表者が自分の推薦台本をPRし、それによって最終決定しようということになった。
ひとり目はヒロキさん。推薦するのは、某有名劇団のアクション台本だ。演出はやるつもりはなかったが、この台本に関しては自分が演出をやって、舞台を作りたいとのことだった。
ヒロキさんを知っている団員からしたら、このヒロキさんの発言は意外だったようで、みんな驚いていた。その真意はーーいずれ話す。
ふたり目は正さん。まぁ、いった内容は上に書いた通り。
三人目は立野さん。立野さんはこの時点で他県に移住してしまっていたので、メールで意気込みを送ってきていた。それによると、自分の台本で、ひとつの舞台を作って欲しい。演出は協力者である他団体の人に頼んである、とのことだった。
この他団体の協力者に関してはまた今度話す。というか、話すの忘れてたわ。
そして最後、ヨシエさんだ。内容は、遅出しの詫びと、自分の台本と演出で最高の舞台を作り上げたいとのこと。更にそこにショージさんも加わり、熱量はオーバーヒート。これは流石にやり過ぎな気がしたけれど、まぁ、いい。
四人のPRが終わり、最終集計となった。結果はーー
ヨシエさんの台本『死神とわたしたち』に決定した。
これはもはや疑いようがなかった。色々と思うことがある人も多かったようだが、結局はヨシエさんの台本に決まったのだ。
そして、次の稽古からは、この本を使って公演に向けた稽古が始まるワケだ。
稽古後はいつも通り、アフターの時間。外で参加者を募っている中、おれは乾いた風に吹かれながら、期待と不安を胸に抱き、静かに夜空を仰いだのだーー
とまぁ、今日はここまで。次回からは『舞台稽古篇』に突入やね。
となると、一回の稽古にクローズアップするというよりかは、数回の稽古から重要な部分をピックアップする感じになるか。
ま、そんな感じで、アスタラビスタ。