【空白と白紙の狭間にて】

文字数 985文字

 漸く落ち着いて来た気がする。

 落ち着いたって何が?って感じもするかもしれないけど、これは早い話が漸く現実を受け入れることが出来たといった感じだ。それはつまりーー

 芝居の延期の話だ。

 本来なら昨日が本番だったのだが、それも結局は無為に終わってしまった。それもそうだろう。東京都の感染状況がヤバ過ぎることになっている今、芝居なんかやったところで人に見せるどころか、不安で芝居を観るような心境、こころ持ちになれる人なんかいないだろうから。

 それは尤もだ。とはいえ、無念なことには変わりない。「延期」という名目に従えば、まだチャンスはあると信じてもいいのかもしれない。ただ、これまで何度となく煮え湯を飲まされて来た身とすると、また同じことになると考えざるを得ない。

 また「延期」が続き、結局はイタズラに時間を消費するばかりで最終的にはーー

 人間、予防はしても、その強固な意思や信念、注意力には、ちょっとしたことで綻びや解れが生まれ、気づけば毛糸のマフラーもバラバラ、ただの糸クズと化す。

 そんな意思や信念、注意力に綻びが生まれる瞬間、それはーー

 疲れている時、くたびれている時だ。

 疲労が溜まれば、注意力は散漫になり、意思や信念はおざなりになる。揺るぎなき思い、そんなモノは存在しない。意図も簡単に吹き飛ぶ。疲労という解れや綻びから。容易く。

 だからこそ、休養は必要なのかもしれない。どんなに高級な腕時計だって、オーバーホールしなければ、その秒針は大きく狂うし、名刀だって手入れをしなければ刃は零れていくのだ。

 だからこそ、今は刃を研ぎ澄ますための空白期間として、ゆったり静かに待つべきなのかもしれない。決戦の時のために。

 思えば、ここ最近、気が張り過ぎていたのかもしれない。緊張感、テンションはマックスになり、糸が千切れそうになっているのを高揚感で必死に誤魔化し取り繕おうとしていた。

 だが、張りぼてはいつか倒れる。

 騙し騙しという幻影に永遠はないのだ。

 だからこそ、今はゆっくりしようと思う。来るべき瞬間に備えて、刃を研ぎ澄ます。今はそんな時なのかもしれない。

 というワケで、ある程度は気分も楽になった。とはいえ、やたらとシナリオを書くのが捗ったし、それはそれで良かったんだけども。

 そんなワケで、またゆっくりやっていくことにしますよ。焦っても仕方ないんでね。

 アスタラ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み