【残光~参~】
文字数 1,081文字
突然、何かが爆発したようだった。
大学三年を終え、四年に進級するのを控えた春休み、おれは外夢の実家でノンビリしていた。だが、その時に限って、おれはひとり買いたいモノがあった関係で都内にいた。
取るに足らない日常だったーーはずだった。そこで何かが爆発したような音がした。しかし、爆炎も何も見えなかった。だが、それが何かはすぐにわかった。とはいえ、それがどれぐらいのモノかはわからなかった。
おれは帰れなくなった。交通機関がマヒしたからだった。おれは歩けるところまで歩き、一夜を同じ境遇の人たちが集まる公園で過ごして翌朝、何とか動き出した電車に乗って外夢まで帰ることが出来た。
何とか無事に帰ることは出来たが、問題はここからだった。
それから少しして、おれは下宿先に帰るために電車に乗った。そこから悪夢は始まった。急に世界が180度反転したーーようだった。何が起きたのかと思った。視線が右に左に飛んだ。心臓が爆発するような鼓動を打った。怖くて堪らなかった。呼吸が浅くなり、吐き気が止まらなくなった。脂汗が全身を濡らした。突然の体調不良。
おれは電車を降りてやり過ごした。落ち着いた。再び電車乗った。が、ダメだった。結局、何度もそれを繰り返して下宿先に帰った。きっと、今日は体調が悪かったのだ。そう思いつつ、おれは眠りについた。
だが、地獄は翌日以降も続いたのだ。
朝起きればいいようのない気持ち悪さが身体にのし掛かっていた。人のいる場所にいれば、またもや視界が回転し、吐き気が止まらなくなり、脂汗が全身を濡らした。
異常ーーおれは自分の身体が何かに取り憑かれたような異常にようやく気がついた。そして、結果として次のような問題が下された。
パニック障害ーー
この時からおれはまともに日常生活を送れない身体なのだと自覚した。そして、パワハラ気質の教授の研究室に配属され、日に二時間説教される日々が続き、おれは肉体的にも精神的にもボロボロになっていった。
卒業する頃にはもはやおれはボロ雑巾のようになっていた。鏡を見れば死んだような自分の顔にウンザリし、毎日夜になれば明日が見えずに死にたくなる。研究室にいればパニックはもちろん、ノイローゼになって常に気持ち悪くて仕方がなかった。
だからこそ、おれは大学時代のことを思い出したくないほど嫌っている。
最低最悪の学生時代。こんな記憶はもはや捨て去ってやりたかった。だからこそ、おれは卒業式を終えた直後に卒業証書をビリビリに破って海へと流してやったのだ。
二度と、このクソみたいな過去が蘇って来なくなるようにーー
【続く】
大学三年を終え、四年に進級するのを控えた春休み、おれは外夢の実家でノンビリしていた。だが、その時に限って、おれはひとり買いたいモノがあった関係で都内にいた。
取るに足らない日常だったーーはずだった。そこで何かが爆発したような音がした。しかし、爆炎も何も見えなかった。だが、それが何かはすぐにわかった。とはいえ、それがどれぐらいのモノかはわからなかった。
おれは帰れなくなった。交通機関がマヒしたからだった。おれは歩けるところまで歩き、一夜を同じ境遇の人たちが集まる公園で過ごして翌朝、何とか動き出した電車に乗って外夢まで帰ることが出来た。
何とか無事に帰ることは出来たが、問題はここからだった。
それから少しして、おれは下宿先に帰るために電車に乗った。そこから悪夢は始まった。急に世界が180度反転したーーようだった。何が起きたのかと思った。視線が右に左に飛んだ。心臓が爆発するような鼓動を打った。怖くて堪らなかった。呼吸が浅くなり、吐き気が止まらなくなった。脂汗が全身を濡らした。突然の体調不良。
おれは電車を降りてやり過ごした。落ち着いた。再び電車乗った。が、ダメだった。結局、何度もそれを繰り返して下宿先に帰った。きっと、今日は体調が悪かったのだ。そう思いつつ、おれは眠りについた。
だが、地獄は翌日以降も続いたのだ。
朝起きればいいようのない気持ち悪さが身体にのし掛かっていた。人のいる場所にいれば、またもや視界が回転し、吐き気が止まらなくなり、脂汗が全身を濡らした。
異常ーーおれは自分の身体が何かに取り憑かれたような異常にようやく気がついた。そして、結果として次のような問題が下された。
パニック障害ーー
この時からおれはまともに日常生活を送れない身体なのだと自覚した。そして、パワハラ気質の教授の研究室に配属され、日に二時間説教される日々が続き、おれは肉体的にも精神的にもボロボロになっていった。
卒業する頃にはもはやおれはボロ雑巾のようになっていた。鏡を見れば死んだような自分の顔にウンザリし、毎日夜になれば明日が見えずに死にたくなる。研究室にいればパニックはもちろん、ノイローゼになって常に気持ち悪くて仕方がなかった。
だからこそ、おれは大学時代のことを思い出したくないほど嫌っている。
最低最悪の学生時代。こんな記憶はもはや捨て去ってやりたかった。だからこそ、おれは卒業式を終えた直後に卒業証書をビリビリに破って海へと流してやったのだ。
二度と、このクソみたいな過去が蘇って来なくなるようにーー
【続く】