【喋りまくる男】
文字数 3,035文字
今日の枕はなしです。
何も考えてなかったのか、といわれると違う。じゃあ、書くのが面倒なのかと聞かれると、イエス。まぁ、仕方ないよね。
とはいえ、文章を書く上で枕って大切だと思うんよな。まったく関係がないようで、本編とどこかでリンクしているというかね。
こういうのは、それこそ初心を忘れずにどんなことにも全力で取り組む姿勢で頑張っていくべきだと思うのだ。
最近、ダレてきたんじゃない?ーーそういわれないように気をつけたいと思う。
じゃないと、チャンスは巡ってこないし、人から誘いを受けることもなくなってしまうからね。
そんなことより今日も『初舞台篇』を書く。
あらすじーー「五条氏は殺陣の稽古があるにも拘わらず爆睡。稽古をサボってしまったのだ」
何の話だよといわれたらアレなんですけど、早い話が昨日のおれの話なんよね。本当にやらかした……。ダラケるのはよろしくない。
さて、本当のあらすじは、五条氏は一日稽古終わりに劇団から誕生日プレゼントを貰い、感激するのだった。とこんな感じ。まぁ、間違ってないよな。では、いくーー
さて、ことの始まりは一〇月に入ったばかりのことだ。まぁ、昨日の話よりも前のことなんでどういうことなのって感じだけど、早い話が話忘れたことを今回収してるワケだ。
稽古終わりの終わりの会。そこでゆーきさんがこんなことをいったのだ。
「FM五村から出演依頼の話が来ています」
FM五村というのは、五村のローカルラジオ局だ。何故、そんなところから連絡が来たのかというと、単純に局にOBが勤めていることと、そして『ブラスト』の上層部が地味に地域の活動に貢献していることもあって、そういう話が来やすいというのだ。
ラジオ出演の目的はいうまでもなく、活動内容の紹介と舞台の宣伝だ。
おれは、「ラジオねぇ」とそんな感じの反応だった。まぁ、どうせ五条氏はラジオなんかどうでもいいんだろ、とか思われてるかもしれんがね、実はおれ、ラジオが好きなんよ。
というのもおれは、高校時代は地味に元黒夢やSADSの清春のラジオを聴いていたり、大学時代は映画にまつわる話の多い某ラップグループのメンバーのラジオや、とあるフリーアナウンサーがやっていた昼の帯番組なんかをよく聴くラジオ青年だったのだ。
その時期も、地味に深夜の芸人のラジオを聴くのが日課で、それこそラジオは身近な存在だったのだ。
んなこともあって、ラジオの出演依頼と聞いて、いいなぁと思う気持ちと、本番になったら話せないだろうなというネガティブな気持ちがあり、とりあえず様子を見ることとした。
「じゃあ、おれ出るわ」
そう手を挙げたのはショージさんだった。それにつられたようにタカシさんも、
「あっ、じゃあおれも出るかなぁ」
と手を挙げる。普通に考えたら、『ブラスト』の人間でないタカシさんが出るのは可笑しな話だけど、それはご愛嬌。まぁ、別の団体とはいえ、稽古のお手伝いに来てくれているワケだから、それはそれでいいだろう。
「あとひとりぐらい欲しいんだよな」
ショージさんがいった。まぁ、ここでこの駄文集を読み慣れている貴様らならこの後の展開がどうなるかなんてハナクソほじりながらでもわかると思うんだけど、うん、その通りーー
「じゃあ、ジョー、いこうか」
である。これにはおれも「ウェッ!?」とか変な声を上げて驚いてしまったのだけど、まぁ、そういうワケだ。
おれは生涯で初めて、メディアに自分の声を乗っけることとなってしまったのだ。
まぁ、ローカル放送ということもあり、その放送のアーカイブは残ってないはずなんだけど、おれは本当にラジオに出ることとなったのだ。
そこで本番は、おれの誕生日前の木曜日ーーすなわち、平日稽古の前ということになった。
当日の夕方、とりあえずショージさんと約束した通り、五村市駅前で待機することに。
数分後、ショージさんが車に乗って颯爽と登場、おれはショージさん、タカシさんの乗る車に同乗して、FM五村へと向かったのだ。
車内ではショージさんとタカシさんが賑やかに話していた。おれは緊張で吐きそうになっており、ショージさんに話を振られない限り、何も話さなかったーーいや、話せなかった。
五村市駅から二〇分ほどで、FM五村に到着した。FM五村は雑多な印象。車はたくさん停まっているが、施設自体は思ったほど大きくはなかった。
中に入ろうとするとメガネを掛けた男性がこちらに近づいてきた。
「おー、ショージ、久しぶり!」
そのメガネを掛けた男性はショージさんを見るなりそう挨拶した。
ショージさん曰く、この男性の名前は『エース』、件の『ブラスト』のOBなんだとか。何故エースかというと、中学時代に野球部のエースだったからそうアダ名されるようになったとのこと。
挨拶を済ませ、おれらはエースの案内のもと、ラジオ局の奥へ入っていった。外からブースの中を覗けたが、そこには見覚えのある芸人がいて驚きだった。
まぁ、ローカル局とはいえラジオ局なのだから、そんなのは当たり前なのだろうけど、やはり自分がそういう場所にいるということがにわかには信じられなかったのかもしれない。
エースに案内されたのは、職員のオフィスのような場所だった。たくさんのデスクが並び、その上には雑多にものが置かれている。オフィスの奥は衝立で仕切られており、おれたちはそこでエースとラジオの打ち合わせをした。
打ち合わせといっても、どういうことを話すか、どこで誰が話すか、といったことを簡単に話しただけだった。何とも味気ない感じもするけど、おれは緊張で頭と心臓がバーストしそうだった。
打ち合わせも終わり、ブースの前まで来る。おれはもう死にそうになっていた。ショージさんやタカシさんは、大丈夫だと笑っていたけど、マジでしんどかった。
CMとなり、カフが下げられるとおれら三人はブースの中へ入って、パーソナリティのレイコさんに挨拶をして席に着き、簡単な確認を行った。
CMが終わる直前。緊張で可笑しくなってくる。そのせいでもうどうにでもなれ、といわんばかりにBGMのベースラインに乗って身体を動かしていた。
そしたら、早々にそのことをレイコさんに放送で取り上げられ、和気藹々とした雰囲気の中、おれらの紹介が始まった。紹介が終わり、チャプターごとに個人が話を進めていくのだけど、おれはーー
滅茶苦茶に喋ったーー喋りまくった。
元々緊張しいではあったが、本番になると滅茶苦茶に元気になるというのは、中学時代の応援団長以来ずっとで、バンドでボーカルをやっていた時も同様だった。
そんなこともあって、本番が終わっていざ帰ろうとなった時、
「何が緊張してるだ。滅茶苦茶に喋るじゃねえか」
とショージさん、タカシさんにいわれましたわ。悪いな、本番には強いタイプなんだ。
まぁ、こう話した通り、初のラジオ出演は大成功だった。おれは稽古にむかう車の中で、ひとり、これからのことに対して自信を持てるようになったのだーー
とこんな感じ。次回はちゃんと先に進めよう。鷲巣麻雀みたいにいつまで経っても終わらないってなったらヤバイからな。じゃーー
アスタラビスタ。
何も考えてなかったのか、といわれると違う。じゃあ、書くのが面倒なのかと聞かれると、イエス。まぁ、仕方ないよね。
とはいえ、文章を書く上で枕って大切だと思うんよな。まったく関係がないようで、本編とどこかでリンクしているというかね。
こういうのは、それこそ初心を忘れずにどんなことにも全力で取り組む姿勢で頑張っていくべきだと思うのだ。
最近、ダレてきたんじゃない?ーーそういわれないように気をつけたいと思う。
じゃないと、チャンスは巡ってこないし、人から誘いを受けることもなくなってしまうからね。
そんなことより今日も『初舞台篇』を書く。
あらすじーー「五条氏は殺陣の稽古があるにも拘わらず爆睡。稽古をサボってしまったのだ」
何の話だよといわれたらアレなんですけど、早い話が昨日のおれの話なんよね。本当にやらかした……。ダラケるのはよろしくない。
さて、本当のあらすじは、五条氏は一日稽古終わりに劇団から誕生日プレゼントを貰い、感激するのだった。とこんな感じ。まぁ、間違ってないよな。では、いくーー
さて、ことの始まりは一〇月に入ったばかりのことだ。まぁ、昨日の話よりも前のことなんでどういうことなのって感じだけど、早い話が話忘れたことを今回収してるワケだ。
稽古終わりの終わりの会。そこでゆーきさんがこんなことをいったのだ。
「FM五村から出演依頼の話が来ています」
FM五村というのは、五村のローカルラジオ局だ。何故、そんなところから連絡が来たのかというと、単純に局にOBが勤めていることと、そして『ブラスト』の上層部が地味に地域の活動に貢献していることもあって、そういう話が来やすいというのだ。
ラジオ出演の目的はいうまでもなく、活動内容の紹介と舞台の宣伝だ。
おれは、「ラジオねぇ」とそんな感じの反応だった。まぁ、どうせ五条氏はラジオなんかどうでもいいんだろ、とか思われてるかもしれんがね、実はおれ、ラジオが好きなんよ。
というのもおれは、高校時代は地味に元黒夢やSADSの清春のラジオを聴いていたり、大学時代は映画にまつわる話の多い某ラップグループのメンバーのラジオや、とあるフリーアナウンサーがやっていた昼の帯番組なんかをよく聴くラジオ青年だったのだ。
その時期も、地味に深夜の芸人のラジオを聴くのが日課で、それこそラジオは身近な存在だったのだ。
んなこともあって、ラジオの出演依頼と聞いて、いいなぁと思う気持ちと、本番になったら話せないだろうなというネガティブな気持ちがあり、とりあえず様子を見ることとした。
「じゃあ、おれ出るわ」
そう手を挙げたのはショージさんだった。それにつられたようにタカシさんも、
「あっ、じゃあおれも出るかなぁ」
と手を挙げる。普通に考えたら、『ブラスト』の人間でないタカシさんが出るのは可笑しな話だけど、それはご愛嬌。まぁ、別の団体とはいえ、稽古のお手伝いに来てくれているワケだから、それはそれでいいだろう。
「あとひとりぐらい欲しいんだよな」
ショージさんがいった。まぁ、ここでこの駄文集を読み慣れている貴様らならこの後の展開がどうなるかなんてハナクソほじりながらでもわかると思うんだけど、うん、その通りーー
「じゃあ、ジョー、いこうか」
である。これにはおれも「ウェッ!?」とか変な声を上げて驚いてしまったのだけど、まぁ、そういうワケだ。
おれは生涯で初めて、メディアに自分の声を乗っけることとなってしまったのだ。
まぁ、ローカル放送ということもあり、その放送のアーカイブは残ってないはずなんだけど、おれは本当にラジオに出ることとなったのだ。
そこで本番は、おれの誕生日前の木曜日ーーすなわち、平日稽古の前ということになった。
当日の夕方、とりあえずショージさんと約束した通り、五村市駅前で待機することに。
数分後、ショージさんが車に乗って颯爽と登場、おれはショージさん、タカシさんの乗る車に同乗して、FM五村へと向かったのだ。
車内ではショージさんとタカシさんが賑やかに話していた。おれは緊張で吐きそうになっており、ショージさんに話を振られない限り、何も話さなかったーーいや、話せなかった。
五村市駅から二〇分ほどで、FM五村に到着した。FM五村は雑多な印象。車はたくさん停まっているが、施設自体は思ったほど大きくはなかった。
中に入ろうとするとメガネを掛けた男性がこちらに近づいてきた。
「おー、ショージ、久しぶり!」
そのメガネを掛けた男性はショージさんを見るなりそう挨拶した。
ショージさん曰く、この男性の名前は『エース』、件の『ブラスト』のOBなんだとか。何故エースかというと、中学時代に野球部のエースだったからそうアダ名されるようになったとのこと。
挨拶を済ませ、おれらはエースの案内のもと、ラジオ局の奥へ入っていった。外からブースの中を覗けたが、そこには見覚えのある芸人がいて驚きだった。
まぁ、ローカル局とはいえラジオ局なのだから、そんなのは当たり前なのだろうけど、やはり自分がそういう場所にいるということがにわかには信じられなかったのかもしれない。
エースに案内されたのは、職員のオフィスのような場所だった。たくさんのデスクが並び、その上には雑多にものが置かれている。オフィスの奥は衝立で仕切られており、おれたちはそこでエースとラジオの打ち合わせをした。
打ち合わせといっても、どういうことを話すか、どこで誰が話すか、といったことを簡単に話しただけだった。何とも味気ない感じもするけど、おれは緊張で頭と心臓がバーストしそうだった。
打ち合わせも終わり、ブースの前まで来る。おれはもう死にそうになっていた。ショージさんやタカシさんは、大丈夫だと笑っていたけど、マジでしんどかった。
CMとなり、カフが下げられるとおれら三人はブースの中へ入って、パーソナリティのレイコさんに挨拶をして席に着き、簡単な確認を行った。
CMが終わる直前。緊張で可笑しくなってくる。そのせいでもうどうにでもなれ、といわんばかりにBGMのベースラインに乗って身体を動かしていた。
そしたら、早々にそのことをレイコさんに放送で取り上げられ、和気藹々とした雰囲気の中、おれらの紹介が始まった。紹介が終わり、チャプターごとに個人が話を進めていくのだけど、おれはーー
滅茶苦茶に喋ったーー喋りまくった。
元々緊張しいではあったが、本番になると滅茶苦茶に元気になるというのは、中学時代の応援団長以来ずっとで、バンドでボーカルをやっていた時も同様だった。
そんなこともあって、本番が終わっていざ帰ろうとなった時、
「何が緊張してるだ。滅茶苦茶に喋るじゃねえか」
とショージさん、タカシさんにいわれましたわ。悪いな、本番には強いタイプなんだ。
まぁ、こう話した通り、初のラジオ出演は大成功だった。おれは稽古にむかう車の中で、ひとり、これからのことに対して自信を持てるようになったのだーー
とこんな感じ。次回はちゃんと先に進めよう。鷲巣麻雀みたいにいつまで経っても終わらないってなったらヤバイからな。じゃーー
アスタラビスタ。