【大人の夜は白昼のように】

文字数 2,286文字

 学生の恋愛ものが苦手だ。

 理由はわからないが、おれはどうも学生同士の恋愛ものがあまり好きではないのだ。

 まぁ、この駄文集を読んでいる人からしたら、そういうのとは無縁な学生生活を送っていたからだろといわれかねないと思うのだけど、多分、それも一理ある。

 おれは、学生の恋愛の見せ場は夕方にあると思っている。が、おれとしては恋愛において最も雰囲気のある時間帯は夜だと思うのだ。

 これは下ネタ的な意味ではなく、薄暗い中での男女は恋愛関係に発展しやすいという統計もあるし、研究結果もあるからということだ。

 まぁ、そんな理論で語らずとも、恋愛における夜という時間帯は最もロマンチックなものだと誰もが思っているはずなのだ。……だよな?

 さて、そんなことはどうでもいいんで、昨日のあらすじーー「死んだはずのアポロガイストが生きていた。クロノスによって手痛い傷を受けた神敬介は、GoD機関のアジトから逃げ出そうとするが、そこで聴いたのは、『神敬介、そうか、総司令からのプレゼントとはお前だったのか!』というアポロガイストの声だった」

 はい、来ました、神敬介シリーズ。ここまでくると何でそんなに神敬介にこだわるのかって疑問も出てくるかと思うのだけど、それはシンプルにおれが神敬介のファンだからだ。

 それはさておき、本当のあらすじとしては、五条氏はヨシエさんが書いた候補台本にて、『山田和雅』と出会ったのだ、といったところだろうか。まぁ、間違いではない。

 というワケで昨日の続きなんだけど、ここでひとついっておかなければならないことが。

 今日はすぐに終わらせますわ。

 理由?ーー恥ずかしいから。

 はい、というわけで始めてくー。

 ヨシエさんの台本の登場で、波乱が巻き起こった。ヨシエさんの台本を候補に入れるべきかどうか、そんなことがメーリングリストにてアンケートが取られるくらいには『ブラスト』は燃えていた。ブラスト・イズ・バーニング!

 おれはまだぺーぺーの劇団員で、団内の事情もよくわかっていない若造だったので、そんなことはどうでもよかったのだけど、確かに自分たちの脅威となる存在が突然現れたら、それはイヤな気分にもなるだろうな。

 それは別として、おれとしてはもはや二者択一になっていた。それはヨシエさんの台本か、立野さんの台本か、だ。

 理由はシンプルにオリジナルのキャラクターで、しかも遣り甲斐のありそうな役だったからだ。というか、おれの中ではもはや和雅を演じたいって気持ちのほうが強かったんだけど。

 それもあって、自分があの台本と役を気に入ったので、是非やりたいと思っているといった内容のメッセージをヨシエさんに送ったのだ。

 ヨシエさんは、前回の稽古後にタブーを冒してしまったとでもいうように酷く落ち込んでいたのだけど、おれのメッセージに対して、お礼と詫びを送ってき、もしあの本をやることになったら、是非お願いと送ってきてくれた。

 これからの展開が楽しみで仕方なかった五条氏だったのだけど、そんな中、今後のことについてあおいとラインで話をしていた。

 あおいは、ヨシエさんの台本も面白いけど、自分なんかがヒロインで本当にいいのだろうか、と迷っているようだった。そこでおれは何を思ったのかーー

「そっか。よかったら、メシでも食いいく?」

 と彼女を食事に誘っていた。まぁ、唐突な上に、万年非モテの五条氏からのお誘いを受ける人などあり得ないワケでーー

「いいよ。いつがいい?」

 ……ん?

 いや、こういっておいて、最終的なところにたどり着く前で話はナアナア、破綻するワケよ。そんな風に思っていたこともあって、おれはとりあえず、時間を確認した。夜六時。

「じゃあ、一時間後に五村市駅前でどう?」

 どうせ断られるなら、無理のある時間設定でいいかと適当なスケジュールを組んで送ったのだけど、返ってきたメッセージにはーー、

「わかった。駅のどこ?」

 可笑しいな。話が進んでるぞ。今までとは明らかに異なった展開に五条氏も狼狽してしまったのだけど、とりあえず改札前集合ということで合意したワケなのだ。

 となるとヤバイ。その日は休みで、昼間から久しぶりに筋トレをして過ごし、かつシャワーも浴びていなかったので、とても人と会っていいような状況ではなかったのだ。

 おれは急いで着替えを持って浴室へいき、シャワーにシャンプーにボディソープに、と全身を満遍なく洗い流したのだ。

 そして、浴室で着替えを済まし家を飛び出したのだがーー

 歯を磨いてない!

 急いで室内に戻り、歯ブラシと歯磨き粉を手にとって歯を磨く。時間は?

 あと二〇分しかない!

 家から駅までは自転車で約二〇分。このままでは自分から誘っておいて遅刻するという醜態をやらかす羽目になる。

 三分で歯磨きを終え、家を飛び出す。

 急いで、急いでーー急いで駅へ向かった。

 五村市駅ウエストサイド。時間はーー。

 ギリギリ七時!

 改札まで走った、走ったーー走り続けた。

 改札前にて、あおいを見つけ、おれは小走りで彼女のもとまで駆け寄り、

「悪い、遅れてしまった」

 と遅刻したことを詫びた。あおいは、

「うん、全然大丈夫」

 とあどけない笑顔をおれに見せたーー。とまぁ、小休止で短く書き上げる予定が、またもや長くなるんで、小休止を二回に分けます。

 また長くなってしまう……。

 アスタラビスタ!


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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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