【嵐の前の静けさに】
文字数 2,211文字
最近の天候が意味不明でヤバイ。
のっけから頭の悪さ全開な表現で、思わず笑っちゃうんだけど、本当に天候がどうかしている。暑いと思ったら涼しい風が吹き、陽が出ていると思えば雨雲が空を覆う。
こんな状況じゃ、体調を崩している人も多いんじゃないだらうか。ちなみにおれは体調を崩すどころか、どういうワケか元気でね。
しかし、例のアレのこともあって病院にはいきづらいと思うのだけど、何かある前に何とか手を打ったほうがいいで、最悪の結果はいつだって手遅れになった頃にやってくるからな。
さて、そんなことはどうでもよくて、昨日の続きですわ。あらすじーー「五条氏、女装の女装をすることに」
何か、他にも色々あったはずなんだけど、そこが強すぎて他が頭に入ってこないよね。
まぁ、正確にいえば、団長として上手く立ち回れるようになったのはいいんだけど、とある競技のために「松浦ゴリエ」のコスプレをすることになったワケですなーー泣けるぜ。
さて、そんな中、応援合戦の練習なんかも始めていたのだけど、これがまたマッドネスなもんで、氣志團とオレンジレンジの替え歌を歌いつつ、おれ、外山、麦藁、TKとともにちょっとした殺陣をやるということもやっていたのだ。何故、おれ以外にいるのが三人かって?ーーうちの団以外には三つしか団がなかったからだ。
どんな感じで話が進むかというと、とりあえず、おれが女装の女装をして競争を終え、それぞれの団の応援合戦が始まるワケだ。
で、黄団の順番になってからは、オレンジレンジの替え歌を歌い、そっから小芝居ーー内容は、おれが歩いていたら、チンピラ染みた赤、青、桃色の三人に襲われ、氣志團の『ワンナイト・カーニバル』が掛かったところで簡単な立ち回りがあって、「おれんとこ来ないか?」というセリフと共に他の団に向けて人差し指をさし、応援団にて『ワンナイト~』の冒頭のダンスをするという、まぁ、茶番なんだけど、これはこれで楽しいのだーーどうでもいいな。
それから、最後に「絶対負けない!」みたいなことをいって終わりです。まぁ、中学生っぽいよな。
で、練習段階では、当時、ビートたけしガチ信者だったおれはダンスの後にコマネチを入れていたんだけど、そしたらブタさんにーー
「本番では絶対やらないで」
といわれてしまいました。やめろ、やっちゃダメ、この短期間で何度いわれたかわからないんですが、そのせいか、おれはもう完全に頭が可笑しくなっていたーーいや、元から可笑しいとかそういうのいいから。そこでおれは、わかりましたと素直に了承したのだけど、
守るつもりなんてこれっぽっちもなかったからな。
これまで散々我慢してきたのだ、こんなどうしようもない命令にまで従って堪るか!となってしまったんですな。
まぁ、後に五条氏がパンクロックにドハマりしてしまったのもこういうことに反発していたからなんだろうねーーどうでもいいわ。
そうして、日々の練習をこなし、応援団員や後輩たちとも打ち解けてきて、ようやく団長としての立ち振舞いに慣れ始めた頃には、もう体育祭の前日となっていたわけだ。
最後の練習を終え、国旗の装飾がなされた校庭をただじっと眺める。夕暮れ時、ベルベットの空模様が闇に溶け、その色を濃くしていく。
あと少しで終わるーーあと少しで終わってしまう。
ふたつの感情が水と油のように反発し合う。複雑な気分だった。最初はイヤでイヤで仕方がなかった。だけど、今では何となく終わりが近づいていることに寂しさを感じた。
今自分が生きているのは現実だ。フィクションだったら、ここで誰かがおれに声を掛け、いこうというか、ふたりで闇に溶けていく空を眺めるのだろうけど、おれはただひとりだった。
いや、ひとりでよかった。
この自分の中で蠢くグロテスクな感情を誰かに吐露したくはなかった。これは紛れもなくおれだけのシナリオだった。何十人もの仲間を巻き込んだ、おれという人間の人生のシナリオだった。おれは静かにその場を後にした。
学校から帰ると、いつも通り塾へいった。何も変わらない日常がそこにある。だけど、おれの中には、沈殿したドス黒い疲労と、燃え上がる得体の知れない興奮があった。
おれだって、ここまでやってやったぜ。後は明日、どうなるかだけだ。
それで、おれの仕事は終わる。おれの人生のひとつのシナリオが完結する。それだけだ。
塾を終え、帰ろうとするところで小田さんとバッタリ会った。彼女はおれの顔を見ると、ハッとして笑顔になった。思えば、こんなゴミみたいなパンクのガキに着いてきてくれたもんだ。感謝しかなかった。おれは彼女に、
「じゃ、明日は頑張ろうか」
とだけいった。彼女は明るい笑顔で「はいッ!」とだけ答え、友達とともにその場を後にした。
友人と雑談する外山に話し掛けた。ひとこと、明日はよろしく。外山の答えもそうだった。麦藁もそうだった。それだけでよかった。
さぁ、明日は体育祭だ。おれは無限に広がる夜空を見上げて大きく息をついた。闇の中で、いくつもの星が光っていたーー
とまぁ、今日はここまでですな。久しぶりに真面目なトーンで話を進めてしまったな。あと本番とその後の話で終わりか。まぁ、長い。
じゃ、また次回。
のっけから頭の悪さ全開な表現で、思わず笑っちゃうんだけど、本当に天候がどうかしている。暑いと思ったら涼しい風が吹き、陽が出ていると思えば雨雲が空を覆う。
こんな状況じゃ、体調を崩している人も多いんじゃないだらうか。ちなみにおれは体調を崩すどころか、どういうワケか元気でね。
しかし、例のアレのこともあって病院にはいきづらいと思うのだけど、何かある前に何とか手を打ったほうがいいで、最悪の結果はいつだって手遅れになった頃にやってくるからな。
さて、そんなことはどうでもよくて、昨日の続きですわ。あらすじーー「五条氏、女装の女装をすることに」
何か、他にも色々あったはずなんだけど、そこが強すぎて他が頭に入ってこないよね。
まぁ、正確にいえば、団長として上手く立ち回れるようになったのはいいんだけど、とある競技のために「松浦ゴリエ」のコスプレをすることになったワケですなーー泣けるぜ。
さて、そんな中、応援合戦の練習なんかも始めていたのだけど、これがまたマッドネスなもんで、氣志團とオレンジレンジの替え歌を歌いつつ、おれ、外山、麦藁、TKとともにちょっとした殺陣をやるということもやっていたのだ。何故、おれ以外にいるのが三人かって?ーーうちの団以外には三つしか団がなかったからだ。
どんな感じで話が進むかというと、とりあえず、おれが女装の女装をして競争を終え、それぞれの団の応援合戦が始まるワケだ。
で、黄団の順番になってからは、オレンジレンジの替え歌を歌い、そっから小芝居ーー内容は、おれが歩いていたら、チンピラ染みた赤、青、桃色の三人に襲われ、氣志團の『ワンナイト・カーニバル』が掛かったところで簡単な立ち回りがあって、「おれんとこ来ないか?」というセリフと共に他の団に向けて人差し指をさし、応援団にて『ワンナイト~』の冒頭のダンスをするという、まぁ、茶番なんだけど、これはこれで楽しいのだーーどうでもいいな。
それから、最後に「絶対負けない!」みたいなことをいって終わりです。まぁ、中学生っぽいよな。
で、練習段階では、当時、ビートたけしガチ信者だったおれはダンスの後にコマネチを入れていたんだけど、そしたらブタさんにーー
「本番では絶対やらないで」
といわれてしまいました。やめろ、やっちゃダメ、この短期間で何度いわれたかわからないんですが、そのせいか、おれはもう完全に頭が可笑しくなっていたーーいや、元から可笑しいとかそういうのいいから。そこでおれは、わかりましたと素直に了承したのだけど、
守るつもりなんてこれっぽっちもなかったからな。
これまで散々我慢してきたのだ、こんなどうしようもない命令にまで従って堪るか!となってしまったんですな。
まぁ、後に五条氏がパンクロックにドハマりしてしまったのもこういうことに反発していたからなんだろうねーーどうでもいいわ。
そうして、日々の練習をこなし、応援団員や後輩たちとも打ち解けてきて、ようやく団長としての立ち振舞いに慣れ始めた頃には、もう体育祭の前日となっていたわけだ。
最後の練習を終え、国旗の装飾がなされた校庭をただじっと眺める。夕暮れ時、ベルベットの空模様が闇に溶け、その色を濃くしていく。
あと少しで終わるーーあと少しで終わってしまう。
ふたつの感情が水と油のように反発し合う。複雑な気分だった。最初はイヤでイヤで仕方がなかった。だけど、今では何となく終わりが近づいていることに寂しさを感じた。
今自分が生きているのは現実だ。フィクションだったら、ここで誰かがおれに声を掛け、いこうというか、ふたりで闇に溶けていく空を眺めるのだろうけど、おれはただひとりだった。
いや、ひとりでよかった。
この自分の中で蠢くグロテスクな感情を誰かに吐露したくはなかった。これは紛れもなくおれだけのシナリオだった。何十人もの仲間を巻き込んだ、おれという人間の人生のシナリオだった。おれは静かにその場を後にした。
学校から帰ると、いつも通り塾へいった。何も変わらない日常がそこにある。だけど、おれの中には、沈殿したドス黒い疲労と、燃え上がる得体の知れない興奮があった。
おれだって、ここまでやってやったぜ。後は明日、どうなるかだけだ。
それで、おれの仕事は終わる。おれの人生のひとつのシナリオが完結する。それだけだ。
塾を終え、帰ろうとするところで小田さんとバッタリ会った。彼女はおれの顔を見ると、ハッとして笑顔になった。思えば、こんなゴミみたいなパンクのガキに着いてきてくれたもんだ。感謝しかなかった。おれは彼女に、
「じゃ、明日は頑張ろうか」
とだけいった。彼女は明るい笑顔で「はいッ!」とだけ答え、友達とともにその場を後にした。
友人と雑談する外山に話し掛けた。ひとこと、明日はよろしく。外山の答えもそうだった。麦藁もそうだった。それだけでよかった。
さぁ、明日は体育祭だ。おれは無限に広がる夜空を見上げて大きく息をついた。闇の中で、いくつもの星が光っていたーー
とまぁ、今日はここまでですな。久しぶりに真面目なトーンで話を進めてしまったな。あと本番とその後の話で終わりか。まぁ、長い。
じゃ、また次回。