【帝王霊~百拾~】
文字数 486文字
ちょっと安心した、ちょっと恥ずかしかったけど。
でも、ほんとハルナが無事で良かった。多少乱暴されて身体には多少のキズがつけられていて、衰弱もしているとはいえ、休めば何とかなりそうとハルナはいっていた。
ハルナは自分の身体を支えるのも大変そうだった。ぼくはやはり恥ずかしかったけど、彼女の前で屈んでいった。
「乗りなよ」
正直恥ずかしくて仕方なかった。だが、そうするより他はなかった。ハルナの顔も暗い中でもわかるほどに真っ赤になっていた。いいようのない間の後に、ハルナはぼくの背中に乗った。彼女を持ち上げるのに、さほどの力はいらなかった。多分、これが一年前だったら全然だったに違いない。
それほど、ぼくは鍛えられたということか。
ハルナをおぶって表まで出た。山田先輩がいた。何だか様子が可笑しかった。やたらと荒い息をしていた。
山田先輩がこちらを見た。とても鋭い視線で、ぼくは思わずたじろぎそうになった。良く見たら、顔と服に血をつけていた。さっきまではなかったはずの。更には辺りにも血は飛び散っていてーー
山田先輩はぼくを見ると、フッと笑った。
そして、倒れたーー
【続く】
でも、ほんとハルナが無事で良かった。多少乱暴されて身体には多少のキズがつけられていて、衰弱もしているとはいえ、休めば何とかなりそうとハルナはいっていた。
ハルナは自分の身体を支えるのも大変そうだった。ぼくはやはり恥ずかしかったけど、彼女の前で屈んでいった。
「乗りなよ」
正直恥ずかしくて仕方なかった。だが、そうするより他はなかった。ハルナの顔も暗い中でもわかるほどに真っ赤になっていた。いいようのない間の後に、ハルナはぼくの背中に乗った。彼女を持ち上げるのに、さほどの力はいらなかった。多分、これが一年前だったら全然だったに違いない。
それほど、ぼくは鍛えられたということか。
ハルナをおぶって表まで出た。山田先輩がいた。何だか様子が可笑しかった。やたらと荒い息をしていた。
山田先輩がこちらを見た。とても鋭い視線で、ぼくは思わずたじろぎそうになった。良く見たら、顔と服に血をつけていた。さっきまではなかったはずの。更には辺りにも血は飛び散っていてーー
山田先輩はぼくを見ると、フッと笑った。
そして、倒れたーー
【続く】