【ギャルな彼女のディスコミュニケーション】

文字数 2,953文字

 またクソみたいなタイトルだな。

 ほんと、知性の欠片もないゴミ溜めみたいなボキャブラリーの中で考えたとしか思えない頭の悪さに自分でも辟易としてしまう。

 どうでもいいけど、おれって『辟易』って使いがちだよな。

 まぁ、この駄文集をよく読んでいる変わり者からしたら、あぁ、このクソみたいなノリはきっと『詐欺アカウント篇』だなと気づくかと思うのだけど、まさにその通り。

 本日は『詐欺アカウント篇』ですわ。

 まだ続くのかって思われるかと思うのだけど、残念ながら、詐欺アカウントに粘着されるのはよくあることでな。ネタはなかなか尽きてくれないのよ。

 ほんと、詐欺するクズはいなくなれよって感じなんだけど、来るものは仕方ない。

 特にこの手の詐欺アカに粘着されていた大学時代は、自分のエッセイでネタにしまくってたんで、どんどんこいって感じだったんだけど。

 一応、前のあらすじーー「ゆうなは三人いた。五条氏は三人のゆうなにそれぞれメッセージを送ったが、ドン引きされ、フラれたのだ」

 何か、色んな意味でバグった文章に思えるんだけど、事実だから仕方ーーいや、フラれてないな。おれが通報していなくなったんだわ。

 さてと、じゃあ始めてくーー

 大学一年、三人のゆうなにフラれた五条氏は、平穏な日々を過ごしていた。

 それこそこの時期はひとり暮らしにも慣れて、ひとり部屋でゲームをしたり、友人とメシを食いにいったりと、学生生活をエンジョイしていたのだ。

 加えて、三人のゆうなとの対決話をSNSに書き込んだらサークルの人間に、

「あの詐欺アカウントとの対決話、メッチャ面白かった! あぁいうの、本当にいるんだね」

 と地味な反響がありつつも、

「あんな長文書くって暇なの?」

 と鼻で笑われて、思わず「あ?」と威圧的な返事をしてしまいそうになってしまいました。貴様らには趣味ってもんがないのか。まぁ、暇だったけども。

 さて、そんな中、SNSのダイレクトメールにこんなメッセージが届いたのだ。

「こんにちはぁ!足跡たどってきましたぁ!写真見たけど、イケメンだね!よかったら仲良くしてね!」

 明らかに見覚えのないアカウント名。個人ページに飛んでプロフィールを見ても、誰だかわからない。うん、

 足跡何かつけてねぇ!

 間違いない。おれはこの女のページに足跡何かつけてない。つけてたとしたら、完全におれは記憶障害ーーあ、お前、そういうこと覚えてられないほど頭悪いだろって?ケツの穴広げてピッチング練習するぞ。

 と、そんなことはさておき、おれはそんなアカウントは微塵も知らなかったのだよ。

 ちなみにそのアカウントの名前は『エリリン』。おれの所属していたサークルは確かにマンモスで、人もたくさんいたけれど、そのような名前の女子に覚えはなかった。

 多分、その後入ってくる後輩を含めて、その名前に合致する人はいなかったと思う。

 見覚えのない名前に、やたらとフレンドリーな姿勢、顔写真のアカウント画像。名探偵五条氏は、すべてを悟ってしまったのだ。そう、

 また詐欺アカウントか、と。

 ゆうなに続いて今度はエリリンとかいう頭の中で妖精とか飼ってそうなバカそうな名前に、女性器みたいな顔をした下半身でしかモノを語れなさそうな女のプロフィール画像の詐欺アカウントが、おれを騙そうとしてきたのだ。

 これには五条氏もお怒りですよ。

 そうじゃなくてもゆうなにフラれて傷心なのに。覚◯剤でもやらなきゃ、もう恋なんてしないなんていわないよ絶対とかいえなーー検閲により削除されました。

 でもさ、もうウンザリなんよ。何でこんな詐欺アカウントにパケット代を支払わなければならないのかと考えたらね。というわけで、面倒臭いんでさっさと話を打ち切ることに。

 おれはこんな感じに返信したーー

「びぃえあぁぁぁぁ! ぎゅうぅいぃぃぃぃ!
  どくしゅうぅぅぅぅん! 」

 もう、文面から滲み出すガイキチ感がヤバイし、絶対覚◯剤とかやってるだろって感じなのだけど、こうなったら本物のガイキチの振りをしてエリリンをドン引きさせるのが手っ取り早いと判断したのだ。

 とりあえず、これでオールオッケーって感じで、携帯を使ってのネットサーフィンを楽しむことにしたのよ。そしたら、

 返信がきたのだ。

 まさか。いや、エリリンから返信が来るワケ……。まぁ、んなワケねぇだろうと思い、おれは改めてダイレクトメールを確認したのだ。そしたら、

 エリリンからだった。

 ま、まぁ、ドン引きしてくれたんだろうな……と恐る恐るメッセージを開いたんだわ。エリリンからのメッセージ、その内容はーー

「メールありがとぉ!実はわたし、この前彼氏と別れてばっかりで寂しくて……。よかったら、一緒にメールしたいなぁ」

 ……ん?

 コイツ、バグってるのか?

 あんなガイキチ染みた返信をしてくるマッドネスに対して唐突に身の上話をし始めたぞ。

 いや、おれがマッドネスなのではない。エリリンがマッドネスなのだ。

 とまぁ、ただ「マッドネス」っていいたいだけだろって感じなんだけど、とりあえず改めてメッセージを送ってみることにーー

「ぶぴゅうぅぅぅぅ! ふいあぁぁぁぁ! ゆうな! ゆうなぁぁぁぁ! きいぃぃぃぃえぇぇぇぇ!」

 もはや精神科が来いって感じ、というかマッドハウスが来いって感じなんだけど、これに対して、エリリンはどう返信するかだけが気になって仕方なかった。で、数分後、エリリンから連絡があったーー

「わたし、あなたと直接メールでやり取りしたいな……。アドレス載っけとくから、連絡くれたら嬉しいな」

 阿鼻叫喚の地獄絵図って感じだった。

 何を間違えたらメールの文面で奇声を上げる異常者と直接メールで話したいとかいえるのだろうか。おれは更にーー

「にぃぃぃぃあぁぁぁぁおぉぉぉぉ! デェェェェイ! きいぃぃぃぃあぁぁぁぁ!」

 と送り返した。するとエリリンはーー

「どうして連絡くれないの……? もしかして、わたしのことが嫌いになっちゃった……?
  だとしたらゴメンね。わたし、あなたに謝りたいからメール送って欲しいな」

 もはや会話の銃撃戦、機銃対ロケットランチャーって感じだった。その後も奇声とお花畑の応酬が続いたのだけど、おれは気づいたのだ。

 エリリンは人間じゃない。

 プログラムなのだ。

 メールを送った相手の返信に対して自動的にプログラムされた返信内容を送るbotでしかないのだ。そう、

 彼女もマトリックスの一員でしかなかったのだ。

 とうとうプログラムにまで愛されてしまった五条氏は、泣く泣くエリリンを通報しました。一時間ほどしてエリリンのページにいくと、

 エリリンはいなくなってました。

 またつまらん詐欺アカウントを通報してしまった。悲しみに暮れた五条氏は、ただひとり、携帯電話を閉じるのだった。

 そりゃ、暇っていわれるよな。

 アスタラビスタ。

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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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