【凍える夜に、世界は氷河期】
文字数 2,006文字
昔から新しいモノに疎くて仕方がない。
別に斜に構えていたり、新しいモノに対して抵抗感を抱いていたりするワケじゃない。ただ、シンプルに新しい何かを発掘するのが苦手なのだ。
プラス、これは新商品や流行りモノだけに限った話ではなかったりする。
というのも、おれは新装開店の店に行くことすら余りしないというか、そもそもが出不精な性格もあってか、わざわざ混むとわかっている場所にいくのもどうにも気が進まないのだ。
さて、今日はそんな新装開店の店にいった話をしていこうと思う。
てか、元々「ひと口サイズの駄文」を名打って始めたこの駄文集ではあるけれど、日に日に文章の長さが延びつつあるワケで。このままじゃ、当初のコンセプトとは違って来てしまう。
だから、今日は本当にさっさと終わらせる。目標は、二千字だ!
じゃ、やってくーー
あれは大学一年のちょうどこの時期のことだった。ある日、バンド仲間のインギーからこんなメールが入ったのだーー
「明日、◯◯駅の南口に新しい電気屋がオープンするから行こうよ」
おれは別に新しいモノ好きではないのだが、ちょうど試験も終わった直後で暇していたので、その提案に乗ることにしたのだ。
そこで、おれはインギーに何時から行くか訊ねたのだけど、そしたらーー
「八時開店なんだけど、開店と一緒に入店したいから、朝五時には並ぼう」
うん、ちょっとワケがわからない。
これには流石の五条氏も困惑してしまった。いやいや、別に新装開店だからって開店と同時に行く必要なんかないではないの。だから、そういう風に伝えたんだわ。そしたらーー
「でも、新装開店だと絶対人来るじゃん。並んで開店と同時に入ったほうが絶対いいよ」
まぁ、そのいい分はわからないでもない。ただ、別に急ぐほどのことでもないのではと思いはした。そもそも、そんなにまでして欲しいモノもなかったしな。
といいつつ、やることもなかったんで、おれはその提案に乗ることにした。
朝四時、インギーの家に行くと、あからさまに眠そうなインギーが顔を出した。何でも、全然寝てないという。
「少し寝てから行くか」
インギーにそういわれ、おれはインギーの部屋で仮眠を取ることにしたのだ。
三〇分後、おれたちは起床し、駅の南にある電気屋へと向かった。
五時を少し過ぎた頃になって、おれらは駅に着いた。もう始発電車が走る時間になっており、駅構内は既に開かれていた。
しかし、問題は自転車の置き場である。当時おれが住んでいた街は県庁所在地にも関わらず、比較的田舎な五村と大して変わらないーーいや、むしろ五村のほうがマシだったと思う。
そもそも、駅にまともな駐輪場がない時点で中々に詰んでいた。
さて、そうなると困ったものだ。自転車を停めておく場所がないとなると、自転車をどうするべきか。が、インギーは、
「歩道橋の下でも放置すればいいじゃん」
いやいや、歩道橋の下って。それはないだろ。おれは普通に首を横に振ったのだけど、そうなると結局はふりだしだ。結局、インギーのいう通り、歩道橋の下に自転車を放置して店に向かうことにしましたさ。
駅の南エリアに出ると、早速、肝心の店舗へと向かった。だがーー
誰も並んでなかったよな。
そりゃそうだ。プレステ3が出るワケでもあるまいし、新装開店の電気屋に並ぶ理由など、正直いってない。
でも、まぁ、並びましたよ。並んでいる最中にインギーの持ってきたチラシを見て、取り敢えず何を買うか決めることに。
結果、まだ持ってなかったMP3プレイヤーを買うことにし、おれたちは開店を待った。
六時半頃になって、漸く後続の人が現れ、おれらのうしろに並び始めた。
あと一時間半。寒くて仕方なかった。そうでなくとも寒いのは苦手なのに、まだ陽も出ていない早朝に何時間も待つのは、普通にしんどかった。
結局、八時になるまで耐えましたさ。その頃になると、流石に後続の列は結構長くなっていたんで、良かったといえば良かったのかもしれないけど。
購入予定の商品を店員に伝え整理券を貰い、開店まで待った、待ったーー寒さに耐えて。
八時、開店。
おれとインギーは入店し、一直線に目的の商品を購入し、特に寄り道をすることもなく、そのまま店を後にした。だって寒くて早く帰りたかったんだもの。
まぁ、そんな感じで自転車の停めてある歩道橋の元まで戻ったのだけどーー
自転車がなかったのだ。
可笑しいぞ。どういうことだ。これにはおれもインギーもイヤな予感を抱き、ある場所まで歩いていったのだ。そしたらーー
案の定、撤去されてました。
そりゃ、歩道橋の下に駐輪してたら撤去されるよな。
結局、安くはない引き取り料金を支払い、自転車を回収して家路に着きましたとさ。この後、五条氏が風邪を引いたのはいうまでもない。
やっぱ、新しいモノとは相性が悪いらしいーーまぁ、知ってたけどさ。
アスタラビスタ。
別に斜に構えていたり、新しいモノに対して抵抗感を抱いていたりするワケじゃない。ただ、シンプルに新しい何かを発掘するのが苦手なのだ。
プラス、これは新商品や流行りモノだけに限った話ではなかったりする。
というのも、おれは新装開店の店に行くことすら余りしないというか、そもそもが出不精な性格もあってか、わざわざ混むとわかっている場所にいくのもどうにも気が進まないのだ。
さて、今日はそんな新装開店の店にいった話をしていこうと思う。
てか、元々「ひと口サイズの駄文」を名打って始めたこの駄文集ではあるけれど、日に日に文章の長さが延びつつあるワケで。このままじゃ、当初のコンセプトとは違って来てしまう。
だから、今日は本当にさっさと終わらせる。目標は、二千字だ!
じゃ、やってくーー
あれは大学一年のちょうどこの時期のことだった。ある日、バンド仲間のインギーからこんなメールが入ったのだーー
「明日、◯◯駅の南口に新しい電気屋がオープンするから行こうよ」
おれは別に新しいモノ好きではないのだが、ちょうど試験も終わった直後で暇していたので、その提案に乗ることにしたのだ。
そこで、おれはインギーに何時から行くか訊ねたのだけど、そしたらーー
「八時開店なんだけど、開店と一緒に入店したいから、朝五時には並ぼう」
うん、ちょっとワケがわからない。
これには流石の五条氏も困惑してしまった。いやいや、別に新装開店だからって開店と同時に行く必要なんかないではないの。だから、そういう風に伝えたんだわ。そしたらーー
「でも、新装開店だと絶対人来るじゃん。並んで開店と同時に入ったほうが絶対いいよ」
まぁ、そのいい分はわからないでもない。ただ、別に急ぐほどのことでもないのではと思いはした。そもそも、そんなにまでして欲しいモノもなかったしな。
といいつつ、やることもなかったんで、おれはその提案に乗ることにした。
朝四時、インギーの家に行くと、あからさまに眠そうなインギーが顔を出した。何でも、全然寝てないという。
「少し寝てから行くか」
インギーにそういわれ、おれはインギーの部屋で仮眠を取ることにしたのだ。
三〇分後、おれたちは起床し、駅の南にある電気屋へと向かった。
五時を少し過ぎた頃になって、おれらは駅に着いた。もう始発電車が走る時間になっており、駅構内は既に開かれていた。
しかし、問題は自転車の置き場である。当時おれが住んでいた街は県庁所在地にも関わらず、比較的田舎な五村と大して変わらないーーいや、むしろ五村のほうがマシだったと思う。
そもそも、駅にまともな駐輪場がない時点で中々に詰んでいた。
さて、そうなると困ったものだ。自転車を停めておく場所がないとなると、自転車をどうするべきか。が、インギーは、
「歩道橋の下でも放置すればいいじゃん」
いやいや、歩道橋の下って。それはないだろ。おれは普通に首を横に振ったのだけど、そうなると結局はふりだしだ。結局、インギーのいう通り、歩道橋の下に自転車を放置して店に向かうことにしましたさ。
駅の南エリアに出ると、早速、肝心の店舗へと向かった。だがーー
誰も並んでなかったよな。
そりゃそうだ。プレステ3が出るワケでもあるまいし、新装開店の電気屋に並ぶ理由など、正直いってない。
でも、まぁ、並びましたよ。並んでいる最中にインギーの持ってきたチラシを見て、取り敢えず何を買うか決めることに。
結果、まだ持ってなかったMP3プレイヤーを買うことにし、おれたちは開店を待った。
六時半頃になって、漸く後続の人が現れ、おれらのうしろに並び始めた。
あと一時間半。寒くて仕方なかった。そうでなくとも寒いのは苦手なのに、まだ陽も出ていない早朝に何時間も待つのは、普通にしんどかった。
結局、八時になるまで耐えましたさ。その頃になると、流石に後続の列は結構長くなっていたんで、良かったといえば良かったのかもしれないけど。
購入予定の商品を店員に伝え整理券を貰い、開店まで待った、待ったーー寒さに耐えて。
八時、開店。
おれとインギーは入店し、一直線に目的の商品を購入し、特に寄り道をすることもなく、そのまま店を後にした。だって寒くて早く帰りたかったんだもの。
まぁ、そんな感じで自転車の停めてある歩道橋の元まで戻ったのだけどーー
自転車がなかったのだ。
可笑しいぞ。どういうことだ。これにはおれもインギーもイヤな予感を抱き、ある場所まで歩いていったのだ。そしたらーー
案の定、撤去されてました。
そりゃ、歩道橋の下に駐輪してたら撤去されるよな。
結局、安くはない引き取り料金を支払い、自転車を回収して家路に着きましたとさ。この後、五条氏が風邪を引いたのはいうまでもない。
やっぱ、新しいモノとは相性が悪いらしいーーまぁ、知ってたけどさ。
アスタラビスタ。