【健太郎くんはゴリアテをぶちのめすのか?】
文字数 2,776文字
犬猿の仲という関係がある。
いうなれば、何をしても上手くいかない険悪な関係ということである。
人間は日々の生活の中でたくさんのコミュニティに属している。それは会社もそうだし、学校もそう、サークルやオンラインサロン、もっといえば、家族というのもそのひとつだ。
が、そんなコミュニティの中で不仲な相手がいるとどうにも生きづらいモノだ。人間関係にはわだかまりが生まれるし、ストレスも溜まる。そうなるとまるでグリスを切らした歯車のように、不穏な音を撒き散らしながら他人の不快感を煽ることとなるだろう。
まぁ、この駄文集を読んでいる方なら二秒でおわかりだと思うけど、おれという人間は大体どのコミュニティにいっても、こういった「犬猿の仲」になる人と出会いがちだ。
ナチュラルに自分の思想や行動様式にも問題はあるのだろうけど、考えてみると、おれに突っかかってくるのはいつも同じタイプだ。
それは、所謂「キョロ充」、「太鼓持ち」と呼ばれるタイプで、おれはどういうことかこういう面倒なヤツにやたらと因縁をつけられがちだ。あとは不良ぶったゴミだけど、そのどれもが中途半端な存在で、他人に流されることをよしとしていることがわかる。
やはりこの文章を読んでいる人なら、おれがそういったことに唾を吐き掛けるようなスタンスでいることがわかると思うのだけど、おれがやたらにそういった連中に絡まれるのも、恐らくそれが原因なのだと思うワケだ。下らね。
まぁ、自分が絡まれる時は自分が何とかすればいい話なのだけど、これが付き合いの深い友人となったら、話はまた別だろう。
というワケで、今日はそんな「犬猿の仲」の話。じゃ、やってくーー
これは中学の時の話だ。
その切っ掛けとなる出来事がいつのモノだったかは覚えていない。片方が唐突に仕掛けたのは想像がつくが、どちらが仕掛けたのかーー
考えなくてもわかる気がする。
というのも、これが健太郎くんと高橋の話だからだ。
健太郎くんに関しては説明は大していらないだろうけど、一応いっておくと、早い話が真面目な優等生タイプなのに不意に人をぶっ飛ばしてしまうという危ない習性を持った人だ。
さて、問題は高橋だ。
これまで何度か名前が出てきた高橋だけど、彼は自称「極真空手世界チャンピオン、遊☆戯☆王世界選手権優勝、ポケモンマスター、プロレスラーにスカウトされた男、世界数学マエストロ」と、弱冠一四、五歳にも関わらず、そうそうたる称号を得た男だった。ちなみに、高校中退後に入った自衛隊も「ヌルイから辞めた」とのこと。流石化け物。
高橋はそんな行き過ぎた天才であると同時に、ちょっとした問題児でもあった。
かつてこの駄文集でも書いたけど、高橋はあのもこみちの教科書に卑猥な落書きをしまくって、当時担任でも何でもなかった第三者の小野寺先生に呼び出されて説教を食らうという意味不明な問題を起こしたり、色々とやっていたのだ。登場人物にろくなヤツがいないな。
まぁ、この話からも察することができるだろうけど、健太郎くんと高橋の間で起きた長きに渡る因縁も、高橋が仕掛けたモノだった。
まぁ、極真空手世界チャンピオンであり、遊☆戯☆王世界選手権優勝、数学マエストロの高橋にケンカを売られた時点で健太郎くんも不幸だなって感じではあったけど、健太郎くんも他称「瞬獄殺を身につけた異常者」であり、ゲームや映画の残酷シーンで大爆笑するサイコだったため、ある意味ではイーブンだった。
ちなみにこのふたりが同じクラスになったことはない。部活も違うし、そもそも中学になって転入してきた高橋と健太郎くんがバッティングする機会はほんとになかった。
では、どこでふたりが交わることとなったのか。それはとある帰り道でのことだった。
そもそもおれと健太郎くんは家の方向が同じで、小三から中学を卒業するまで一緒に帰っていたのだけど、その時々によって帰り道を共にするメンバーも変わっていた。
そんなある日のことである。おれはいつも通り健太郎くんやその他数人と帰っていたのだけど、その時、唐突に高橋がやって来たのだ。
まぁ、前述したような性格の高橋だ。ちょっとでも弄る余地がありそうなヤツにはガンガン突っ込んでいく。オマケに健太郎くん自体、その特異なキャラクターから色んな人から弄られることが多かった。
それが原因で、そこからすべてが始まった。
高橋が健太郎くんを弄り始めたのだ。が、健太郎くんも普通ではいない。弄りに対して対抗する。あとはこの繰り返し。こうして、健太郎くんと高橋の間に因縁が生まれたワケだ。
さて、そんなことをしつつ月日は過ぎて行き、気づけば中学二年の半ばになっていた。
その日もおれは健太郎くんと共に帰宅していたのだけど、そこに高橋がやって来たのだ。もはや健太郎くんも高橋が来たところで、「またか……」程度にしか思っていなかっただろう。
が、この日は違った。というのも、
高橋がちぎったチーズの欠片を健太郎くんに投げつけ始めたのだ。
上の文章を見て、とうとう五条氏の脳もバグったかと思われるかもしれないが、残念なことに事実なんだ、これ。
そもそも何故高橋がチーズを持っているかといえば、シンプルに給食にチーズが出たからなのだけど、高橋はなんと、余ったチーズを全部回収し、ちぎった欠片を人に投げるという意味不明な趣味の持ち主だったのだ。
まったくもってトチ狂った趣味なのだけど、そんなことお構い無しに高橋はちぎったチーズを健太郎くんにぶつけ続ける。
まぁ、そんなことをされ続けたら、流石に健太郎くんも苛立つワケで。高橋に止めろと語気を強めていったのだけど、高橋は止まらない。それどころか高橋はーー
チーズの塊を健太郎くんの頭に擦り付けたのだ。
これには驚いた。というか、人の頭にチーズを擦り付ける絵がシュール過ぎて笑うしかなかった。どうしたらそういうイカれた考えが浮かぶんだろうか。毎日チーズでシャンプーでもしてんのか。
まぁ、こんなことされて健太郎くんも完全に怒り心頭だったんですが、高橋はニンテンドー64のスマブラに出てくるサムスのような走り方で逃げていってしまいました。
その時の高橋はまるで、マザーブレインを撃破して時限爆破装置が起動したゼーベスから脱出しようとするサムスのようだった。デレレレデレレレデレレレレ~♪
結局、健太郎くんは高橋を逃し、擦り付けられたチーズのせいで、数日間頭皮からチーズのにおいが消えなかったとのこと。チーズは頭皮に擦り付けるモンじゃない。
そして、その後も高橋は卒業するまでずっと健太郎くんを見つけては、チーズや消ゴムのカスを投げ続けるのだった。
バカとハサミは使いよう。消しカスとチーズも使いようーー何か違うけどな。
アスタラビスタ。
いうなれば、何をしても上手くいかない険悪な関係ということである。
人間は日々の生活の中でたくさんのコミュニティに属している。それは会社もそうだし、学校もそう、サークルやオンラインサロン、もっといえば、家族というのもそのひとつだ。
が、そんなコミュニティの中で不仲な相手がいるとどうにも生きづらいモノだ。人間関係にはわだかまりが生まれるし、ストレスも溜まる。そうなるとまるでグリスを切らした歯車のように、不穏な音を撒き散らしながら他人の不快感を煽ることとなるだろう。
まぁ、この駄文集を読んでいる方なら二秒でおわかりだと思うけど、おれという人間は大体どのコミュニティにいっても、こういった「犬猿の仲」になる人と出会いがちだ。
ナチュラルに自分の思想や行動様式にも問題はあるのだろうけど、考えてみると、おれに突っかかってくるのはいつも同じタイプだ。
それは、所謂「キョロ充」、「太鼓持ち」と呼ばれるタイプで、おれはどういうことかこういう面倒なヤツにやたらと因縁をつけられがちだ。あとは不良ぶったゴミだけど、そのどれもが中途半端な存在で、他人に流されることをよしとしていることがわかる。
やはりこの文章を読んでいる人なら、おれがそういったことに唾を吐き掛けるようなスタンスでいることがわかると思うのだけど、おれがやたらにそういった連中に絡まれるのも、恐らくそれが原因なのだと思うワケだ。下らね。
まぁ、自分が絡まれる時は自分が何とかすればいい話なのだけど、これが付き合いの深い友人となったら、話はまた別だろう。
というワケで、今日はそんな「犬猿の仲」の話。じゃ、やってくーー
これは中学の時の話だ。
その切っ掛けとなる出来事がいつのモノだったかは覚えていない。片方が唐突に仕掛けたのは想像がつくが、どちらが仕掛けたのかーー
考えなくてもわかる気がする。
というのも、これが健太郎くんと高橋の話だからだ。
健太郎くんに関しては説明は大していらないだろうけど、一応いっておくと、早い話が真面目な優等生タイプなのに不意に人をぶっ飛ばしてしまうという危ない習性を持った人だ。
さて、問題は高橋だ。
これまで何度か名前が出てきた高橋だけど、彼は自称「極真空手世界チャンピオン、遊☆戯☆王世界選手権優勝、ポケモンマスター、プロレスラーにスカウトされた男、世界数学マエストロ」と、弱冠一四、五歳にも関わらず、そうそうたる称号を得た男だった。ちなみに、高校中退後に入った自衛隊も「ヌルイから辞めた」とのこと。流石化け物。
高橋はそんな行き過ぎた天才であると同時に、ちょっとした問題児でもあった。
かつてこの駄文集でも書いたけど、高橋はあのもこみちの教科書に卑猥な落書きをしまくって、当時担任でも何でもなかった第三者の小野寺先生に呼び出されて説教を食らうという意味不明な問題を起こしたり、色々とやっていたのだ。登場人物にろくなヤツがいないな。
まぁ、この話からも察することができるだろうけど、健太郎くんと高橋の間で起きた長きに渡る因縁も、高橋が仕掛けたモノだった。
まぁ、極真空手世界チャンピオンであり、遊☆戯☆王世界選手権優勝、数学マエストロの高橋にケンカを売られた時点で健太郎くんも不幸だなって感じではあったけど、健太郎くんも他称「瞬獄殺を身につけた異常者」であり、ゲームや映画の残酷シーンで大爆笑するサイコだったため、ある意味ではイーブンだった。
ちなみにこのふたりが同じクラスになったことはない。部活も違うし、そもそも中学になって転入してきた高橋と健太郎くんがバッティングする機会はほんとになかった。
では、どこでふたりが交わることとなったのか。それはとある帰り道でのことだった。
そもそもおれと健太郎くんは家の方向が同じで、小三から中学を卒業するまで一緒に帰っていたのだけど、その時々によって帰り道を共にするメンバーも変わっていた。
そんなある日のことである。おれはいつも通り健太郎くんやその他数人と帰っていたのだけど、その時、唐突に高橋がやって来たのだ。
まぁ、前述したような性格の高橋だ。ちょっとでも弄る余地がありそうなヤツにはガンガン突っ込んでいく。オマケに健太郎くん自体、その特異なキャラクターから色んな人から弄られることが多かった。
それが原因で、そこからすべてが始まった。
高橋が健太郎くんを弄り始めたのだ。が、健太郎くんも普通ではいない。弄りに対して対抗する。あとはこの繰り返し。こうして、健太郎くんと高橋の間に因縁が生まれたワケだ。
さて、そんなことをしつつ月日は過ぎて行き、気づけば中学二年の半ばになっていた。
その日もおれは健太郎くんと共に帰宅していたのだけど、そこに高橋がやって来たのだ。もはや健太郎くんも高橋が来たところで、「またか……」程度にしか思っていなかっただろう。
が、この日は違った。というのも、
高橋がちぎったチーズの欠片を健太郎くんに投げつけ始めたのだ。
上の文章を見て、とうとう五条氏の脳もバグったかと思われるかもしれないが、残念なことに事実なんだ、これ。
そもそも何故高橋がチーズを持っているかといえば、シンプルに給食にチーズが出たからなのだけど、高橋はなんと、余ったチーズを全部回収し、ちぎった欠片を人に投げるという意味不明な趣味の持ち主だったのだ。
まったくもってトチ狂った趣味なのだけど、そんなことお構い無しに高橋はちぎったチーズを健太郎くんにぶつけ続ける。
まぁ、そんなことをされ続けたら、流石に健太郎くんも苛立つワケで。高橋に止めろと語気を強めていったのだけど、高橋は止まらない。それどころか高橋はーー
チーズの塊を健太郎くんの頭に擦り付けたのだ。
これには驚いた。というか、人の頭にチーズを擦り付ける絵がシュール過ぎて笑うしかなかった。どうしたらそういうイカれた考えが浮かぶんだろうか。毎日チーズでシャンプーでもしてんのか。
まぁ、こんなことされて健太郎くんも完全に怒り心頭だったんですが、高橋はニンテンドー64のスマブラに出てくるサムスのような走り方で逃げていってしまいました。
その時の高橋はまるで、マザーブレインを撃破して時限爆破装置が起動したゼーベスから脱出しようとするサムスのようだった。デレレレデレレレデレレレレ~♪
結局、健太郎くんは高橋を逃し、擦り付けられたチーズのせいで、数日間頭皮からチーズのにおいが消えなかったとのこと。チーズは頭皮に擦り付けるモンじゃない。
そして、その後も高橋は卒業するまでずっと健太郎くんを見つけては、チーズや消ゴムのカスを投げ続けるのだった。
バカとハサミは使いよう。消しカスとチーズも使いようーー何か違うけどな。
アスタラビスタ。