【一年三組の皇帝~睦拾捌~】

文字数 666文字

 過ぎ去って欲しくないと思えば思うほど、時間の流れが早くなるのは何故だろう。

 まるで神がそう考えている人に対してイジワルをしているような、そんな風に思えてならない。出来ることなら来て欲しくない時間ほどすぐに来て、過ぎ去るには実際の時間の流れの感覚よりも二倍も三倍も遅く感じられてしまう。実際にこれで神が時間をいじっているのだとしたら神は本当にクソだし、自分の意識や肉体がそういう感覚を生み出しているのだとしたら、それはそれで人間の身体というのがクソだとしかいえない。

 吐き気がした。給食もまともにノドを通らず、ろくに食事もしていないというのに、そして吐くモノなどないというのに、吐き気が止まらなかった。間違いなくいえるのは、人間の身体は本当にクソだということだ。

 気づけば給食の時間も終わって昼休みとなってしまった。まるで破裂するような騒がしい声があちこちで響いた。ぼくはその逆で、本当に憂鬱だった。関口の席の辺りに人が集まりだしたーーまるでエサに群がるゴキブリのように。密集する人、人ーー人。

 関口と目が合ってしまった。関口はぼくを見るなりフッと笑みを浮かべた。そしてーー

「林崎くんもやろうよ。やっぱ強い人が入ってくれるだけでゲームも面白くなる」

 関口のそのことばは想定していたモノとあまり変わりはなかった。恐らく関口は仕掛けて来るーーその予想はやはり当たった。ということは、今回の勝負、何かを仕掛けて来るに違いなかった。つまり、この長い休み時間が終わる時、ぼくか関口のどちらかが終わるということだ。

 ぼくは意を決した。

 【続く】
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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