【ナナフシギ~玖拾死~】

文字数 640文字

 理解は恐怖を生む。

 本来ならば逆なのはいうまでもない。人はわからないモノ、理解できないモノに対して恐怖感を抱く生き物だ。だからこそ、そういったモノを強く否定したり、頭ごなしに認めなかったりするワケだ。何故なら肯定すれば、自分の無知や無理解がさらけ出されるだけでなく、自分の恐怖感までもを肯定しなければならなくなるのだから。

 だが、逆の場合もある。

 理解すること、理解できることにより恐怖を抱くということだ。それは今いったシチュエーションとはまったく逆で、理解していないことが逆に幸いであるという場合だ。

 それはどういう場合だろうか。

 例えば、100メートルほどの砂の道が続いているとする。そこを歩き切った後に「実は今歩いた砂の道には大量の地雷が埋まっていた」と聞かされたらどう思うだろうか。まず、恐怖で震え上がるに違いない。

 確かに地雷が大量に埋まっている100メートルの道のりを歩き切ったのは事実だ。だが、文字通り一歩間違えば地雷を踏み身体がぶっ飛んでいたかもしれないのだ。その事実を受け入れ理解し、人は震え上がり恐怖する。

 そして、これは何も渡りきってからだけではない。逆に渡ろうとする前に大量の地雷の存在を告げてやれば、今度は一歩も足が出なくなるのはいうまでもないだろう。

 人はわからないモノを恐怖する。そして、同時にわかったことで恐怖することもあるのだ。

 祐太朗は恐怖していた。頭をゆっくりと持ち上げ視線を上にやる。

 とてつもなく大きな霊の集合体がそこにいた。

 【続く】
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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