【一年三組の皇帝~伍拾漆~】

文字数 665文字

 謝れない人間はとことん謝れないという話を聞いたことがある。

 まぁ、それも所詮は動画サイトに投稿された動画で見た程度の話ではあるけど、正直確かにと思うこともなくはない。いや、むしろ納得してしまうくらいに思うことはある。

 確かに小学校の時も上の学年になればなるほど横柄なヤツはより横柄になり、傲慢なヤツはより傲慢になる。三つ子の魂百まで、とはいうけれど、それほどに人間の性格は変わりづらいモノらしい。

 そう考えると確かにぼく自身も幼い時から大きく性格が変わった感覚はない。躾や学校に入ってしなくなったことも多いけど、それは所詮生きていくために必要であり、自分自身を生きやすくするために変化しなければならなかったからこそそうなっただけの話だ。それでは自分の性格そのものが変わったとはいえないと思う。

 結局、その人のコアにある性格は本質的には変化しないモノなのだろうと思う。つまり、子供の時に謝れないヤツというのは、大人になっても謝れないということだと思うのだ。

 ぼくはことばを失った。

 辻がぼくに向かって土下座をしていたのだ。

 ぼくはどうことばを掛ければいいのかわからなくなってしまった。人に土下座されることなんて初めてだし、そんなことをして欲しいと思ったこともない。

「え、あ、何だよ」

 かろうじて口から出たのがこれである。困惑。土下座されるのはまったく嬉しくなく、逆に気分が悪くなった気がした。だが、辻はピタッと止まったまま動かない。多分、見ようによっていえば見事な土下座なのだと思う。辻はいったーー

「本当にすまなかった」

 【続く】
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み