【カラオケより唐揚げが好き】
文字数 2,424文字
歌うのが好きだ。
唐突な自分語りにリーダーのキミらは全員、その場に嘔吐したに違いないだろうけど、残念なことにおれは歌うことが好きだったりする。
まぁ、かといってカラオケにいくのが好きかといわれるとそうでもなかったり。なら歌が好きなのか、そうじゃないのかハッキリせいッ!って感じなのだけど、結論からいうと、
歌うのは好き、カラオケはまぁまぁ。
ということだ。え、何で?と思われるかと思うので、説明すると、あのカラオケの電子音チックな伴奏がどうにもおれは苦手なのだ。
例えば、原曲では歪んだギターに抜けのいいスネアの音、重厚なベースのサウンドが素晴らしくても、カラオケの伴奏となると、どうもそれらが死んでしまい、どこか無味無臭になってしまう気がするのだ。
まぁ、万人に歌い易く聴き易いという意味ではそれこそがベストなサウンドなのかもしれないけど、一度でもバンドで歌ったことがある人間なら、その違和感はわかるんじゃないかと思うのだ。
と、こんな風にいうと、おれがカラオケを否定しているみたいで何か嫌なので、ちゃんと意思を表明しておくと、好きではないとはいえ、嫌いでもないのだ。
ただ、そのいくメンツによってはゴミ以下のものに成り下がるのが大変困ったもんで。
例えるなら、自信満々に歌うけど下手なヤツや、自分に酔って他人を平気で貶めるマヌケ、マイクを離さないナルシストなんかとは、カラオケにはいきたくない。まぁ、最初のは別にいいのだけど、どういうことか、最初のパターンである場合は大抵残りの2パターンの要素も持っていることが多くなる。
しかし、そういった連中にも困ったもんだ。キーもずれてるし、声量もカス、表現力もゴミのクセに、歌うことを楽しむカラオケで他人を貶め笑うなんてナンセンスなんだよ。
ま、所詮カラオケ程度でイキるマヌケなんてそういうヤツばっかなんで、適当に流しておけばいいんだけどね。
とまぁ、カラオケに一緒にいきたくないタイプのおバカさんについてディスってばかりだったのだけど、結局、カラオケってメンツ次第だと思うんよな。
というわけで、個人的に一番狂気に満ちていたカラオケ体験を書いていく。
中学二年だったか、高校一年だったか忘れたのだけど、それこそ以前書いたオンライン飲みをしたメンツ+α+あっちゃんで『12時間対抗カラオケ大会』とかいう狂気染みた企画をやったのだ。そう聞くと一発で狂気の沙汰だと御理解頂けるかと思うのだが、そりゃすごかった。
まず、朝の8時だったか10時に入店するのだけど、そこからフリータイムで8人くらいで入室する。もうこの時点でヤバイ光景なのだが、更に狂っているのは歌い始めた後だ。
最初こそ、「やった! 12時間歌い放題だ!」と歓喜の雄叫びをあげ、マイクを握るのだが、自分の知っている曲を片っ端から入れていけば、そりゃボキャブラリーも尽き、開始から3時間も経つ頃には、もはやネタ曲のオンパレードとなってまともに歌うことはなくなってしまう。
そもそも、昼の時点で腹が減り始めるため、一部のメンツの間では、ホットスナックのメニュー表がトレンドと化し、そこからずっとチキンやらフライドポテトやらを死んだ目で眺めることとなるのが普通だったりする。
で、5時間も過ぎると、もはや滅茶苦茶になり、一度歌った曲を連続で何回も入れたり、最初のほうに歌った曲のリバイバルが始まったりと、中々ケイオスな状態になる。
更に8時間を過ぎると一部のメンツだけでなく、殆どのメンツがヨダレを垂らしながら死んだ目でプリントされたホットスナックに目を奪われる。そりゃ、何も食べずにそんなことをしていれば、美味しそうに湯気を揚げる唐揚げやフライドポテトは魅力的に映るだろうよ。
で、9時間もした頃には、その場にいるメンツの大半がメニュー表にかぶりつくようになり、「食いたい人で金出し合って食おうぜ!」となり、結局、その場の殆どの人がそれに賛同し、後はなし崩し。
ここからは、シンプルにスナックパーチーが始まり、みな、歌うことよりも食うことに集中し出す。まぁ、つまみ食い的に歌いはするのだけど、結局まともに歌を歌うのはあっちゃんくらいだった。タフにもほどがあるだろ。
とはいえ、スナックを摘まみ出すのもいい影響もあれば悪い影響もある。
前者でいえば、空腹が満たされることと、喉に脂が乗ることで多少だけどコンディションがよくーーといっても、この時点で10時間ほどカラオケに缶詰めなので、今さら喉に脂を載せたところで大した影響もないのだけど。
で、問題なのは後者のほうだ。空腹が満たされると、ひとつの革命が起きる。それはーー
各々が自由に遊び出すということだ。
みな、「カラオケに来ているのだから……」と申し訳程度にデンモクを触っていたのが、スナックの登場でそれも大きく覆り、開き直って歌うのを止め、ある者はちょうどいい薄暗さのなか惰眠を貪り始め、ある者たちーーおれも含まれるーーは、誰かが持ってきたトランプで大富豪をやり始める。まるで、点一なら賭け麻雀にならないというとんでもない言い訳でも通用しそうな雰囲気である。
もはや、ここから頭に残っているのは大富豪をしたという事実と、歌っていたのはほぼあっちゃんだけだったということだ。あっちゃんの胆力は化物か何かだと思う。
さて、そうして気づけば12時間対抗カラオケ大会は終わっていたのだけど、ずっと篭った空気の中のいたせいか、外に出た時の夜風の涼しさ、澄んだ酸素の旨さは格別だった。
これじゃ、楽しんでるんだか修行してんだかわかんねえな。
結局、カラオケが面白いって話に繋げられなかった。ま、遊びもほどほどにってことか。
うん、ワケがわからん。
唐突な自分語りにリーダーのキミらは全員、その場に嘔吐したに違いないだろうけど、残念なことにおれは歌うことが好きだったりする。
まぁ、かといってカラオケにいくのが好きかといわれるとそうでもなかったり。なら歌が好きなのか、そうじゃないのかハッキリせいッ!って感じなのだけど、結論からいうと、
歌うのは好き、カラオケはまぁまぁ。
ということだ。え、何で?と思われるかと思うので、説明すると、あのカラオケの電子音チックな伴奏がどうにもおれは苦手なのだ。
例えば、原曲では歪んだギターに抜けのいいスネアの音、重厚なベースのサウンドが素晴らしくても、カラオケの伴奏となると、どうもそれらが死んでしまい、どこか無味無臭になってしまう気がするのだ。
まぁ、万人に歌い易く聴き易いという意味ではそれこそがベストなサウンドなのかもしれないけど、一度でもバンドで歌ったことがある人間なら、その違和感はわかるんじゃないかと思うのだ。
と、こんな風にいうと、おれがカラオケを否定しているみたいで何か嫌なので、ちゃんと意思を表明しておくと、好きではないとはいえ、嫌いでもないのだ。
ただ、そのいくメンツによってはゴミ以下のものに成り下がるのが大変困ったもんで。
例えるなら、自信満々に歌うけど下手なヤツや、自分に酔って他人を平気で貶めるマヌケ、マイクを離さないナルシストなんかとは、カラオケにはいきたくない。まぁ、最初のは別にいいのだけど、どういうことか、最初のパターンである場合は大抵残りの2パターンの要素も持っていることが多くなる。
しかし、そういった連中にも困ったもんだ。キーもずれてるし、声量もカス、表現力もゴミのクセに、歌うことを楽しむカラオケで他人を貶め笑うなんてナンセンスなんだよ。
ま、所詮カラオケ程度でイキるマヌケなんてそういうヤツばっかなんで、適当に流しておけばいいんだけどね。
とまぁ、カラオケに一緒にいきたくないタイプのおバカさんについてディスってばかりだったのだけど、結局、カラオケってメンツ次第だと思うんよな。
というわけで、個人的に一番狂気に満ちていたカラオケ体験を書いていく。
中学二年だったか、高校一年だったか忘れたのだけど、それこそ以前書いたオンライン飲みをしたメンツ+α+あっちゃんで『12時間対抗カラオケ大会』とかいう狂気染みた企画をやったのだ。そう聞くと一発で狂気の沙汰だと御理解頂けるかと思うのだが、そりゃすごかった。
まず、朝の8時だったか10時に入店するのだけど、そこからフリータイムで8人くらいで入室する。もうこの時点でヤバイ光景なのだが、更に狂っているのは歌い始めた後だ。
最初こそ、「やった! 12時間歌い放題だ!」と歓喜の雄叫びをあげ、マイクを握るのだが、自分の知っている曲を片っ端から入れていけば、そりゃボキャブラリーも尽き、開始から3時間も経つ頃には、もはやネタ曲のオンパレードとなってまともに歌うことはなくなってしまう。
そもそも、昼の時点で腹が減り始めるため、一部のメンツの間では、ホットスナックのメニュー表がトレンドと化し、そこからずっとチキンやらフライドポテトやらを死んだ目で眺めることとなるのが普通だったりする。
で、5時間も過ぎると、もはや滅茶苦茶になり、一度歌った曲を連続で何回も入れたり、最初のほうに歌った曲のリバイバルが始まったりと、中々ケイオスな状態になる。
更に8時間を過ぎると一部のメンツだけでなく、殆どのメンツがヨダレを垂らしながら死んだ目でプリントされたホットスナックに目を奪われる。そりゃ、何も食べずにそんなことをしていれば、美味しそうに湯気を揚げる唐揚げやフライドポテトは魅力的に映るだろうよ。
で、9時間もした頃には、その場にいるメンツの大半がメニュー表にかぶりつくようになり、「食いたい人で金出し合って食おうぜ!」となり、結局、その場の殆どの人がそれに賛同し、後はなし崩し。
ここからは、シンプルにスナックパーチーが始まり、みな、歌うことよりも食うことに集中し出す。まぁ、つまみ食い的に歌いはするのだけど、結局まともに歌を歌うのはあっちゃんくらいだった。タフにもほどがあるだろ。
とはいえ、スナックを摘まみ出すのもいい影響もあれば悪い影響もある。
前者でいえば、空腹が満たされることと、喉に脂が乗ることで多少だけどコンディションがよくーーといっても、この時点で10時間ほどカラオケに缶詰めなので、今さら喉に脂を載せたところで大した影響もないのだけど。
で、問題なのは後者のほうだ。空腹が満たされると、ひとつの革命が起きる。それはーー
各々が自由に遊び出すということだ。
みな、「カラオケに来ているのだから……」と申し訳程度にデンモクを触っていたのが、スナックの登場でそれも大きく覆り、開き直って歌うのを止め、ある者はちょうどいい薄暗さのなか惰眠を貪り始め、ある者たちーーおれも含まれるーーは、誰かが持ってきたトランプで大富豪をやり始める。まるで、点一なら賭け麻雀にならないというとんでもない言い訳でも通用しそうな雰囲気である。
もはや、ここから頭に残っているのは大富豪をしたという事実と、歌っていたのはほぼあっちゃんだけだったということだ。あっちゃんの胆力は化物か何かだと思う。
さて、そうして気づけば12時間対抗カラオケ大会は終わっていたのだけど、ずっと篭った空気の中のいたせいか、外に出た時の夜風の涼しさ、澄んだ酸素の旨さは格別だった。
これじゃ、楽しんでるんだか修行してんだかわかんねえな。
結局、カラオケが面白いって話に繋げられなかった。ま、遊びもほどほどにってことか。
うん、ワケがわからん。