【陽炎ゆらめく街に死す】
文字数 2,507文字
もう暑くて仕方がない。
まったくもって暑くて仕方がないのだ。
聴くところによれば、今年は去年以上に暑くなるということだ。いや、それ、毎年いってるじゃんか。そう思えてくる。というか、毎年暑さを更新してるって、ナチュラルに気候がイカレているとしか思えない。
もはや遠い過去であって確かなことはいえないし、老害くさいモノいいになってしまうのは承知の上なのだけど、やはり自分がガキの時分は、これほどまで暑くはなかったと思えてならない。それほどまでに、今は気候がぶっ壊れていると思う。こっちがウイルスで自粛してんだから暑さも自粛しろ!とか理不尽なこともいいたくなるのも無理はない。マジで自粛しろよ。
さて、かくいうおれというと、夏は嫌いというか、本当に大嫌いだ。
まぁ、そんなことをいうと、どうせ、これまでの人生の中で楽しい夏を過ごしたことないんだろっていわれたら、それはノーだ。おれはおれなりに楽しい夏を過ごしたつもりだ。
だとしても、おれは夏が嫌いなのだ。
夏肯定派からしたら、海、バーベキュー、ひと夏の恋だとか面白いことが沢山だよというと思うのだけど、海もバーベキューもそんないいもんじゃないぞ。あと、ひと夏の恋もな。
まぁ、そんな感じで夏に肯定的な意見として挙げられがちなことをことごとく経験しつつも夏が好きにはなれないのには、やはり理由があるワケだ。
というのも、おれの身体の雑魚さは中々酷いもんで、暑さに異常に弱く、寒さにも兎に角弱いという、四季でいったら秋しか生きられないんじゃないかってレベルの雑魚なのだ。つまり旬は秋、秋刀魚かな?
とはいえ、中学、高校くらいまではまだ暑さに堪えられた気がするのだ。それがここ最近は毎日熱中症気味というか、体調が悪いなんてこともザラで、もはやまともな生活ができないんじゃないかってレベルまで落ち込んでいる。
クーラー掛けろよともいわれるかもしれない。だが、クーラーを掛けたら掛けたで、涼しさに対応しきれずにやはり体調を崩すという体たらく。前門の夏、後門の冬。いや、前門の日射し、後門のクーラーといったところである。
そんなこといってたら、もはや生きていけないじゃんって感じなのだけど、まぁ、正直ここ数年の夏に関しては、
「今年で◯んでも仕方ないかな」
と半ば諦感を漂わせつつ、生きているワケだ。冗談抜きで、ここ最近の夏は暑すぎる。
とはいえ、とはいえである。
昔は暑さに堪えられたとはいったが、本当にそうなのか、といわれるとそれは微妙ーー堪えられたと断言できたモノではないと思う。
そう、今のおれはこの暑さに脳まで焼かれて感覚や記憶が可笑しくなっているといっても可笑しくはーー元から可笑しい、そうだな。
さて、今日はそんな暑さの話ーー
あれは中学二年の頃のこと。
その日の午後はまぁまぁな暑さで、暑さにやられてグッタリというほどでもなかった。
そんな中、五限目、六限目とぶっ続けで学年集会が開かれることとなったのだ。
何を目的とした学年集会かは忘れたけど、多分体育祭か何かの練習か何かについてだったような気がする。
さて、まずは最初の一時間、これは殆ど立ったまま話を聴くだけの時間となった。
ひとりでずっと話をしていたか、というとそうでもなく、多分、数人の教員が代わる代わる話をしていたのだと思う。そんな最中である。
突然、視界がクラっと来たのだ。
あれ、可笑しいぞーーいや、おれの頭がじゃなくてーーまぁ、可笑しいけど。とまぁ、そんなジョークも飛ばしていられるような状況でもなく、気づけば、
思考力が著しく低下していることに気づいたのだ。
元から考える能力なんかないのだけど、普段から何となく思っているような思考の流れ、これすら滞っているような状況になっていたワケだ。これは正直マズイと思ったよな。そして、気づけば、どこか吐き気というか血の気が引くような感覚に襲われ始めたのだ。
そうなると後はもう地獄。何か体調悪いヤツって、不思議と伸びや地味なストレッチをしたり、平常時の手の動きがうるさくなるというか、無駄な動きが増えるけど、まさにそうなりまして。
プラス、体調不良って緩やかにではなくて、いつだって急に来るよな。アレ、マジで止めろって思うんだけど、なんなんかな。
まぁ、そんなこんなで気づけば粘っこい汗を全身に掻いておりまして、かと思いきや、
ぶっ倒れましてな。
まぁ、そうなるわって感じでした。目の前も赤黒くぐにゃぐにゃになっていて、取り敢えず周りの音だけが頼り。どんな視界だったかというと、早い話が『Mother 2』のラスボスのギーグ戦の背景みたいな感じだった。こうなるのは初めてではないのだけど、あの赤黒く歪んだ視界って、ほんと、地獄みたいなんよな。
「大丈夫か!?」
そんな声も聴こえて来たり。まぁ、それが当時の担任であり、これまで散々ネタにしてきた小野寺先生だったワケなんですが。
おれは小野寺先生の声がするほうに向かって、トイレに連れていってくれないかと頼んだのだ。何でトイレ?とも思われるかもしれないけど、この時、兎に角吐き気が止まらなくて、というかさっさと胃の中で煮えたモノを吐き出してしまいたかったのだ。
そうして小野寺先生に連れられ、トイレにいったのだけど、その時には赤黒く歪んだ視界も多少はクリアになっておりまして、おれは小野寺先生に支えて貰いつつ、胃の中で煮えたモノを全部処理してしまいました。
それから少し休んだ後、よせばいいのに授業に戻ったワケだ。といってもその時は休み時間で、何故かぶっ倒れたにも関わらず、「人の上に何人乗れるか」みたいなイカレたゲームをやっていた同級生のいわれて、下から三番目ぐらいの場所に寝そべることとなってしまったワケでした。コイツら感情死んでんのか。
ちなみに原因は熱中症とのことでした。
やっぱ、おれは昔から夏に弱いらしい。ほんと夏ってクソだわ。
最近暑くなって来たから、アンタらも熱中症には気をつけてな。ダメそうならダメだって休憩しな。仕事や学業より、命だぜ。
朝から汚い話題でお目汚し、すまんね。
アスタラ。
まったくもって暑くて仕方がないのだ。
聴くところによれば、今年は去年以上に暑くなるということだ。いや、それ、毎年いってるじゃんか。そう思えてくる。というか、毎年暑さを更新してるって、ナチュラルに気候がイカレているとしか思えない。
もはや遠い過去であって確かなことはいえないし、老害くさいモノいいになってしまうのは承知の上なのだけど、やはり自分がガキの時分は、これほどまで暑くはなかったと思えてならない。それほどまでに、今は気候がぶっ壊れていると思う。こっちがウイルスで自粛してんだから暑さも自粛しろ!とか理不尽なこともいいたくなるのも無理はない。マジで自粛しろよ。
さて、かくいうおれというと、夏は嫌いというか、本当に大嫌いだ。
まぁ、そんなことをいうと、どうせ、これまでの人生の中で楽しい夏を過ごしたことないんだろっていわれたら、それはノーだ。おれはおれなりに楽しい夏を過ごしたつもりだ。
だとしても、おれは夏が嫌いなのだ。
夏肯定派からしたら、海、バーベキュー、ひと夏の恋だとか面白いことが沢山だよというと思うのだけど、海もバーベキューもそんないいもんじゃないぞ。あと、ひと夏の恋もな。
まぁ、そんな感じで夏に肯定的な意見として挙げられがちなことをことごとく経験しつつも夏が好きにはなれないのには、やはり理由があるワケだ。
というのも、おれの身体の雑魚さは中々酷いもんで、暑さに異常に弱く、寒さにも兎に角弱いという、四季でいったら秋しか生きられないんじゃないかってレベルの雑魚なのだ。つまり旬は秋、秋刀魚かな?
とはいえ、中学、高校くらいまではまだ暑さに堪えられた気がするのだ。それがここ最近は毎日熱中症気味というか、体調が悪いなんてこともザラで、もはやまともな生活ができないんじゃないかってレベルまで落ち込んでいる。
クーラー掛けろよともいわれるかもしれない。だが、クーラーを掛けたら掛けたで、涼しさに対応しきれずにやはり体調を崩すという体たらく。前門の夏、後門の冬。いや、前門の日射し、後門のクーラーといったところである。
そんなこといってたら、もはや生きていけないじゃんって感じなのだけど、まぁ、正直ここ数年の夏に関しては、
「今年で◯んでも仕方ないかな」
と半ば諦感を漂わせつつ、生きているワケだ。冗談抜きで、ここ最近の夏は暑すぎる。
とはいえ、とはいえである。
昔は暑さに堪えられたとはいったが、本当にそうなのか、といわれるとそれは微妙ーー堪えられたと断言できたモノではないと思う。
そう、今のおれはこの暑さに脳まで焼かれて感覚や記憶が可笑しくなっているといっても可笑しくはーー元から可笑しい、そうだな。
さて、今日はそんな暑さの話ーー
あれは中学二年の頃のこと。
その日の午後はまぁまぁな暑さで、暑さにやられてグッタリというほどでもなかった。
そんな中、五限目、六限目とぶっ続けで学年集会が開かれることとなったのだ。
何を目的とした学年集会かは忘れたけど、多分体育祭か何かの練習か何かについてだったような気がする。
さて、まずは最初の一時間、これは殆ど立ったまま話を聴くだけの時間となった。
ひとりでずっと話をしていたか、というとそうでもなく、多分、数人の教員が代わる代わる話をしていたのだと思う。そんな最中である。
突然、視界がクラっと来たのだ。
あれ、可笑しいぞーーいや、おれの頭がじゃなくてーーまぁ、可笑しいけど。とまぁ、そんなジョークも飛ばしていられるような状況でもなく、気づけば、
思考力が著しく低下していることに気づいたのだ。
元から考える能力なんかないのだけど、普段から何となく思っているような思考の流れ、これすら滞っているような状況になっていたワケだ。これは正直マズイと思ったよな。そして、気づけば、どこか吐き気というか血の気が引くような感覚に襲われ始めたのだ。
そうなると後はもう地獄。何か体調悪いヤツって、不思議と伸びや地味なストレッチをしたり、平常時の手の動きがうるさくなるというか、無駄な動きが増えるけど、まさにそうなりまして。
プラス、体調不良って緩やかにではなくて、いつだって急に来るよな。アレ、マジで止めろって思うんだけど、なんなんかな。
まぁ、そんなこんなで気づけば粘っこい汗を全身に掻いておりまして、かと思いきや、
ぶっ倒れましてな。
まぁ、そうなるわって感じでした。目の前も赤黒くぐにゃぐにゃになっていて、取り敢えず周りの音だけが頼り。どんな視界だったかというと、早い話が『Mother 2』のラスボスのギーグ戦の背景みたいな感じだった。こうなるのは初めてではないのだけど、あの赤黒く歪んだ視界って、ほんと、地獄みたいなんよな。
「大丈夫か!?」
そんな声も聴こえて来たり。まぁ、それが当時の担任であり、これまで散々ネタにしてきた小野寺先生だったワケなんですが。
おれは小野寺先生の声がするほうに向かって、トイレに連れていってくれないかと頼んだのだ。何でトイレ?とも思われるかもしれないけど、この時、兎に角吐き気が止まらなくて、というかさっさと胃の中で煮えたモノを吐き出してしまいたかったのだ。
そうして小野寺先生に連れられ、トイレにいったのだけど、その時には赤黒く歪んだ視界も多少はクリアになっておりまして、おれは小野寺先生に支えて貰いつつ、胃の中で煮えたモノを全部処理してしまいました。
それから少し休んだ後、よせばいいのに授業に戻ったワケだ。といってもその時は休み時間で、何故かぶっ倒れたにも関わらず、「人の上に何人乗れるか」みたいなイカレたゲームをやっていた同級生のいわれて、下から三番目ぐらいの場所に寝そべることとなってしまったワケでした。コイツら感情死んでんのか。
ちなみに原因は熱中症とのことでした。
やっぱ、おれは昔から夏に弱いらしい。ほんと夏ってクソだわ。
最近暑くなって来たから、アンタらも熱中症には気をつけてな。ダメそうならダメだって休憩しな。仕事や学業より、命だぜ。
朝から汚い話題でお目汚し、すまんね。
アスタラ。