【一年三組の皇帝~零~】

文字数 619文字

 この世には二種類の人間がいる。

 それは、支配者と奴隷ーーすなわち、支配する人間と従う人間の二種類だ。

 ぼくはまだ十三年も生きてないけど、何となくはわかる。この世の中は常に競争が起きていて、そこから脱落したヤツが落ちて行くということを。

 何を生意気な、と思われるかもしれない。でも、これまでだって、ずっとそんな風には見えていた。連日テレビでやっている大人の世界のトラブルも、ぼくの目線から見てもそういう風にしか見えない。

 それは、競争することが世代関係なく、この世のデフォルトだということだ。

 そして、それはいってしまえば、イジメもそれと同じことだと思うのだ。

 みな、自分の地位を確立することに必死だ。でなければ、居場所を失い、今度は自分が虐げられる立場となる。だからこそ、自分より明確な形で下の人間を作り、自分の優位性を常に可視化しようとしているのだ。

 辻、海野、山路。三人ともそうだったのだろう。現に、ぼくは今、三人と行動を共にしている。立場を失い、孤立したかつてのイジメっ子三人と一緒にーー。

 どうしてこうなったか。それを話すには、少しばかり時間を巻き戻さなきゃならない。

 ひとついえるのは、これはひとりの支配者と奴隷たちとの闘争であるということだ。

 中学生が何をイキったことをいっているのかとも思われるかもしれない。でも、ぼくらはぼくらで、いつだって必死なんだ。

 アレは和田のイジメが収まって少ししてからのことだったーー

 【続く】
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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