【黒幕はやっぱり、あの博士】

文字数 2,352文字

 何がどうしてそうなったのかわからないことがある。

 まぁ、そんなことは所詮いいワケに過ぎず、何事においても、そうなった要因というモノはあるもんだ。そして、そういった都合の悪いことを盲目的になかったかのように信じ込みたがるのが人間のサガであるのは昨日もいったことだ。

 大体、何でそうなったかわからないなんて可笑しな話はそうそうない。神隠しや本物の心霊現象でもない限りは原因不明なんてことはそうそう有り得ないのだ。あと腰痛か。神も人体で一番大切といっても過言ではない腰を脆く設計するとか、どうかしてるよな。

 それはさておき、そうなった理由なんて、ちょっと過去を振り返ってみれば大体わかるもんだ。それに、そういったモノを振り返ることをしなければ進歩もない。

 だからこそ、こういったモノの要因はしっかりと追及するべきだと思うのだ。基本的に原因なんてどれも単純なんだからな。

 ただ、時にはまったくもって理解不能なことも起こりうるワケだ。というのも、それはーー

 自分がどうしてそうしたか覚えていない場合だ。

 メメントじゃあるまいし、そんなこと有り得んだろうとも思われるだろうけど、そういったことも決してないワケではない。

 では、それはどういった状況かといえば、クソみたいな暑さの中で朦朧としていたとか、酒を飲み過ぎていたとか、面倒くささを押し殺して作業したりなんかすると、自分でも思いもよらぬ落とし穴に足を掛けていたりする。

 実際、おれなんかはそういった要因でお座なりに作業を進めがちではある。特にこのシーズンとなると、暑さで頭がヤラレていることもあって、まともに思考が回らず、そうでなくても散漫な注意力がより散漫になりがちだ。

 やはり、そうならないためにも普段からそういったミスが起きないように気をつけておかなければならないのかもしれない。

 さて、今日はそんな不注意というか、何でそうなったのかわからないといったような話だ。

 あれは先週の土曜日のことだった。

 その日は本来なら芝居の稽古があった日なのだけど、稽古場の関係で稽古がなくなってしまったのだ。とはいえ、この日は父方の祖母の七回忌があったこともあって、稽古に間に合うか微妙だったので、ちょうど良かったといえば、ちょうど良かったのだけど。

 それはさておき、稽古がなくなった代わりにメンバーでズームにて小道具等をどうするか会議しようということになっていたのだ。

 十二時に法事が終了し帰宅すると、そこから三時間半ほど時間を潰していざ会議ーーと思いきや、久しぶりのズームということでどうすればいいんだっけと迷ってしまいまして。

 まぁ、そんな中、メンバーのひとりがズームのURLを前日に投下していたんで、そこを踏んでみれば会議に参加できるんじゃないかと思い、URLを踏んでみたのだ。

 そしたら、何とか会議に参加できたワケで。

 そんな感じで会議に参加すると話は既に進行中で。その時はちょうど舞台上のセットをどうするかという話をしているところだった。

 まぁ、話を遮るワケにもいかないんで、挨拶は一旦話が切れてからにしようとずっと黙っていたのだ。で、ちょうどいいところで、プレゼンしていたメンバーの『ヒデさん』が、

「さて、ここで五条さんが参加した感じだね」

 とおれの参加をアナウンスしてくれたんで、おれもそれに乗っかり、

「どうも、お疲れ様です」

 と全員に挨拶したんだわ。そしたら、ヒデさんが、あることに気づいたのだ。それはーー

 おれの名前が『ロックマン&フォルテ』になっていたのだ。

 うん、マジでワケがわからない。

 まぁ、わざわざ説明するまでもないだろうけど、『ロックマン&フォルテ』というのは、スーパーファミコンの末期に出たロックマンシリーズの一作でして、仮に「一番好きなロックマンシリーズは?」と訊かれたら、間違いなく『ロックマン&フォルテ』を挙げるぐらいには好きなーーいや、

 そんなことはどうでもいい。

 問題は、何でおれの名前が『ロックマン&フォルテ』になっているのか、だ。

 これには周りのメンバーも苦笑する他なかったようでーーいや、それはそうだろうに。

 で、おれも会議のことを忘れて、どうしてそんなことになったのか考えてみたワケよ。そしたら、わかってしまったのだ。というのもーー

 五村西中のみんなとズーム飲みした時にフザケて名前を変えたんだった。

 そう、その時、おれは酔い過ぎて、健太郎くんや外山の名前を「ぺてん高橋」だとか「あっちゃん」だとか、「ゾンビ小野寺」だとか、「バーバラ剣」だとかそんな感じに変えて遊んでいたのだ。

 その時、自分の名前を『ロックマン&フォルテ』に変えたのだった。

 では、何故『ロックマン&フォルテ』か。それはーー

 覚えてないよね。

 泥酔した自分のすることなんか、わからんし覚えてないよな。でも、何でロクフォルなんだか。大好きなゲームだけども。

 しかし、最後に五村西中のメンバーや、ブラストの仲良しメンバーでズームで飲んだのは、三月が最後。以降は別のアプリやサービスを使っていたワケで、名前を変更したのを覚えていなかったのだ。てか、

 名前の変更がそのまま引き継がれるなんて。

 やっぱ、こういうことも考えて下手に名前を変えるもんじゃないよな。いや、名前を変えるって選択肢自体が可笑しいんだけどさ。

 そんな感じで名前を変更できるということがわかったメンバーたちは、最後の最後に自分の名前を役名に変更してスクリーンショットを取って、チラシを作るのに利用しようかということになりましたとさ。ミスが思わぬ形で役に立ってしまうとは、な。

 しかし、本当に何で自分の名前を『ロックマン&フォルテ』にしたのだろう。

 やっぱ、おれってイカレてるわ。

 アスタラ。
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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