【世界に拒絶された男】

文字数 1,185文字

 人から嫌われるのが怖いという人がいる。

 まぁ、これは当たり前の話なのかもしれない。確かに人から嫌われるというのは、色んなリスクを孕んでいるし、嫌われるくらいだったら好かれていたほうが絶対いいだろう。

 色んなリスクーーいってしまえばこれはイジメだとか人間関係に纏わるトラブルに直面しやすくなるということだろう。

 だが、逆に人から好かれようとすることで自分の評判を落としてしまうということもある。というのも、そういうのは八方美人といわれて毛嫌いされる傾向にあるからだ。

 おれも人に取り入ろうとするヤツのことが大嫌いだ。何というか、人に好かれたい余り周りに流されているというか、自分がないというか、他人本意なところが何かイヤなんよ。

 そもそもおれは性格も悪いし、趣味も特異だしで人から嫌われても仕方ないと思っている。

 流石に仲の良い友人に嫌われたとなったらショックは受けるだろうけど、一度嫌われた相手にもう一度好かれるなんてまず不可能だし、そんなに考え込んでも時間の無駄なんで、仕方ないなと受け入れるしかないとも思っている。

 仮にそれが大した付き合いのない相手だったら、何も考えずに、さようならとなるのはいうまでもない。大体、仕事でもないのに自分を嫌っている相手と付き合うなんて時間の無駄だし、不合理だしな。

 とはいえ、今の世の中はSNSの影響もあってか、人から好かれたい、よく思われたいという欲望が氾濫している気がするのだ。

 ブラウザをスクロールすれば、必死に着飾り取り繕った写真がわんさかと水晶体に映る。みんな、自分が楽しい人生を送っているんだと自分にいい聞かせているような写真を投稿しては、いいねとコメントの数を気にしている。

 うん、メチャクチャ窮屈だよな。

 SNSは人と人の距離を縮めたというけども、それは表面上の話で、実際は人と人の精神的な距離をグンと広げてしまったーー少なくともおれはそう思っている。

 みんな、自分の人生というランウェイを取り繕うことに必死で周りが見えていない。周りは人の投稿なんか気にしていないのに、人から良く見られたい、好かれたいと思うばかりに実人生を無駄にきらびやかに虚飾しようとするのは、逆に貧相に思えてならないのだ。

 行き着く先は泥沼。足を取られて沈んで行き、飲み込まれて窒息するのを待つばかりだ。

 人間、一番に注視すべきは他人のことではなく、自分の足許だ。自分の足許をしっかりと確認しなければ、人のことをしっかりと見ることなどできるワケがない。

 本当に大切なのは、自分は本当はどう思っているかということだ。

 まぁ、今の世の中じゃ足許を確認する精神的な余裕もなくなって来ているのも事実だけどな。ひとついえるのはーー

 別に、無理して魅力的な存在になる必要はないんじゃないかということだ。

 まぁ、気を楽に持とうぜ。普通が一番よ。

 アスタラ。
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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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