【再び暗闇照らすライトの中へ】

文字数 1,461文字

 二週連続で芝居の稽古が休みになったのだ。

 とはいえ、芝居から遠ざかっていいかというとそんなことはなく、不意にセリフを掛けられて自分のセリフがスラスラ出てくるようにしなければ意味がない。

 というか、二週後の稽古で相手のセリフに自然とセリフを返せるようにしなければ、休みの間何をやっていたのかということになる。

 だからこそ、セリフの暗唱と確認を怠ってはいけないと思うのだ。

 にしても、久しぶりだからか、はたまた長いセリフがいくつかあるからかわからないけど、自分のセリフの定着率が悪くなっている気がする。セリフ自体は暗記したはずなのだけど、それが瞬時に出て、かつ突っかえず、唐突なセリフ忘れもなくということが今のところない。

 つまり、セリフが頭の中に定着し切っていないということだ。

 これには困ったモノだ。今までセリフをちゃんと入れて来ることだけが取り柄みたいな五条氏の、セリフの定着率が悪くなるなんて。

 以前もいったかと思うけど、セリフを覚えること自体は全然大変じゃない。むしろ覚えた後が大変なのであって、セリフを入れることは所詮準備運動程度の意味合いでしかない。

 まぁ、元々物覚えの悪いゴミのような頭ではあるので、今の定着率が悪いと感じているだけで、案外、これまでもそんな定着率が良かったというワケでもないのかもしれないけど。

 とはいえ、久しぶりの芝居で甚だ感じたのは、やはりセリフを覚えないことには、芝居が芝居にならないということだ。

 セリフを覚えず、台本を見ながらだと、どんなに頑張ったところで動きは小さくなるし、相手との間合いも、芝居の間も上手く噛み合わなくなる。当然、演じるキャラクターも人間として動き出して来ないーー演じるのが人外であってもこれがマストなのはいうまでもない。

 この自分の意識と現実間の齟齬と、自分と別の役者間での芝居の齟齬を埋めて行くには、やはりセリフを自分の頭に定着させるしかない。

 あと、他の役者やスタッフとコミュニケーションをしっかり取ることだよな。

 幸い、キャストのひとりは正さんで、上に書いたような話は帰りの電車の中でもしたし、互いの芝居の歴史みたいなことは把握し合っているからいいとして、後は他の人たちである。

 会って間もない、下手したらまだ顔合わせもしていないメンバーとどうコミュニケーションを取っていくか、これが重要になってくる。

 が、そうなると困るのは緊急事態宣言だ。

 まぁ、ウイルスなんか関係ねぇといいたいんじゃなく、シンプルに稽古後にメンバーで軽い食事を取りに行くのも躊躇われるような状況であるが故に、会話の数も自然と少なくなってしまうのがネックだということだ。まぁ、おれも稽古後数時間したら沖縄空手の稽古なんで長居は出来ないし、酒も飲めないんだけどさ。

 そんな感じで稽古後にコミュニケーションを取る機会が少なくなるとなると、やはり話をするには稽古中のちょっとしたタイミングを見計らうしかない。さて、そのちょっとした時間の中で、どこまで出来るだろう。久しぶりとはいえ、個人の力量が試されるのは間違いない。

 いやぁ、ゾクゾクするねぇ。

 不安だから?ーーいや、楽しくて仕方がないのだ。何処から攻めるか。この状況をどう攻略していくか。どう演じたら印象的で面白くなるか。考えることが山積みでゾクゾクする。

 取り敢えず、芝居のことは決まり次第、情報を載っけてみようかと思うんで、適当にスルーするなり、ちょっと興味を持ってみるなりして頂けると幸いかな、と。

 さて、勝負だぜ。

 アスタラ。

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登場人物紹介

どうも!    五条です!


といっても、作中の登場人物とかではなくて、作者なんですが。


ここでは適当に思ったことや経験したことをダラダラと書いていこうかな、と。


ま、そんな感じですわ。

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