【ピストルは鳴る】
文字数 2,067文字
ロールプレイングは楽しい。
何、唐突にゲームの話をしてんだって思ったゲーム脳の方もいると思うのだけど、ロールプレイングとはRPGのことではなく、単純に役割を演じることをいう。あと、ゲーム脳なんてものはないーー異論は認めないッ!
まぁ、そんな感じで続きいくわ。あらすじーー「肉体を改造された神敬介は、己の使命に迷いを感じていた。そんな中、出会った子供に、お前は人間じゃないといわれ、完全に意気消沈。父である神啓太郎に、弱音を吐く。が、啓太郎は敬介を一喝し、己の使命のために戦い続けることを諭したのだった」
時系列が変わってないかと思ったアナタは鋭い。まぁ、神敬介の話はどうでもーーよくはないか。恒例行事だからな。
とりあえず、本チャンのあらすじとしては、台本も決まり、ヨシエさんに指定された役を読んでいたのだが、その中で自分の演じ方に微かな迷いを感じたのだった。って感じか。
じゃ、今日も書いてくーー
本稽古が始まって台本を貰うと、おれはその台本を何度も読み返した。
楽しみで仕方なかった。芝居というものに関われる。それだけでよかったのだ。
二回目の本稽古は同様に本読み。前回と同じくヨシエさんの役振りの後に全体で本を読んでいく。おれは再び『山田和雅』を演じることとなった。
ーー病人ぽく演じてみて。
前回いわれたことが頭をよぎる。病人らしくとは何なのか。一週間程度ではその答えも出なかった。ただ、自分で思ったように演じてみようと思い、おれは台本と向き合った。
が、結果は同じだった。
二度目の稽古でも、病人ぽくというダメ出しがきた。まったく芝居経験のないド素人にはどうにもわからなかった。
それから一週間経って三回目の本稽古。この日はオーディションと称して、各々の役をやってみたい人が、場面場面を即興で演じる稽古。
おれは、とりあえず、和雅と一樹、あとひと役くらいをやってみたと思う。ちなみに和雅の対抗馬はーーいなかったんじゃないかな。
それはそれで寂しい話だけど、役柄的にそんなやりたいって人も多くないのは納得ではある。正直、今同じような役をやるとなったら、あまり乗り気にはなれないだろうし。
話を戻そうーー
その日のオーディションは、特に制約もなく、やりたいように演じていいとのことだったので、おれは自分の思うように演じてみた。
本当に楽しかった。
制約なしに演じる自由さというのは、本当に楽しいものだった。だが、それだけではいけないのが演劇だ。実際に演技をするときは、台本や共演者との兼ね合いがある。そのルールに従えないのなら、舞台を降りなければーー
えー、あくまでも初舞台の話なんでそこらへんの話はここで打ち切りまーす。
オーディションが終わると、ヨシエさんがアナウンスするーー
「では次回の稽古で、本役の発表をします」
ドキドキだった。果たして、自分は役に入るのか。まぁ、これだけ和雅を演じていれば、おれが和雅をやることは確定したようなものだけど、この時は、何かしらの大番狂わせがあるのでは、と思っていた。
芝居に携われるだけで嬉しいというのは事実だったけど、できることなら役をやりたかったのよね。まぁ、それはさておきーー
次の稽古までの一週間はまるで精神の拷問のようだった。あれだけやった和雅の役を別の人が演じることになったらと考えると、いても立ってもいられなかった。
「和雅は、竜也くんになると思うよ」
あおいはそういっていたが、おれはやはりどこかで番狂わせが発生するのではないかと不安で仕方なかったのだ。
そして、次の稽古。稽古場の雰囲気はいつも通りーーのようにも見えるが、どこかピリついた空気が漂っていた。それもそうだろう。
役者をやることに生き甲斐を感じている人にとって、役落ちは地獄。公演が終わり、次の公演が動き出すまではスタッフ仕事や内部仕事をすることとなる。スタッフも立派な舞台仕事なのだけど、それをやりたがらない人が一定数いるのも、また事実だった。
準備運動と発声を終えると、みな座ってヨシエさんが口を開くのを待つ。
「では、キャストを発表しまーす」
そういってヨシエさんは本キャストを発表していった。結果ーー
五条氏は『山田和雅』を演じることとなりました。
もう意外性がまったくなくて何の面白味もないのだけど、そんなもんよね。そもそも、ここまで話をしといて和雅じゃありませんでしたーみたいなことになったら、とんだ策士だよな。
個人的な話をすると、この駄文集って、その日の夜に、当時どんなことがあったか思い出して書いてるから、伏線的なことはほぼないといってもいっても問題はないーーこの発言は、物書きとしてはどうかと思うがな。
そんな感じで、何の捻りもないことを書いたところで、今日は終わり。次回は、役についてからの稽古についてだな。幅広すぎ。
アスタラビスタ。
何、唐突にゲームの話をしてんだって思ったゲーム脳の方もいると思うのだけど、ロールプレイングとはRPGのことではなく、単純に役割を演じることをいう。あと、ゲーム脳なんてものはないーー異論は認めないッ!
まぁ、そんな感じで続きいくわ。あらすじーー「肉体を改造された神敬介は、己の使命に迷いを感じていた。そんな中、出会った子供に、お前は人間じゃないといわれ、完全に意気消沈。父である神啓太郎に、弱音を吐く。が、啓太郎は敬介を一喝し、己の使命のために戦い続けることを諭したのだった」
時系列が変わってないかと思ったアナタは鋭い。まぁ、神敬介の話はどうでもーーよくはないか。恒例行事だからな。
とりあえず、本チャンのあらすじとしては、台本も決まり、ヨシエさんに指定された役を読んでいたのだが、その中で自分の演じ方に微かな迷いを感じたのだった。って感じか。
じゃ、今日も書いてくーー
本稽古が始まって台本を貰うと、おれはその台本を何度も読み返した。
楽しみで仕方なかった。芝居というものに関われる。それだけでよかったのだ。
二回目の本稽古は同様に本読み。前回と同じくヨシエさんの役振りの後に全体で本を読んでいく。おれは再び『山田和雅』を演じることとなった。
ーー病人ぽく演じてみて。
前回いわれたことが頭をよぎる。病人らしくとは何なのか。一週間程度ではその答えも出なかった。ただ、自分で思ったように演じてみようと思い、おれは台本と向き合った。
が、結果は同じだった。
二度目の稽古でも、病人ぽくというダメ出しがきた。まったく芝居経験のないド素人にはどうにもわからなかった。
それから一週間経って三回目の本稽古。この日はオーディションと称して、各々の役をやってみたい人が、場面場面を即興で演じる稽古。
おれは、とりあえず、和雅と一樹、あとひと役くらいをやってみたと思う。ちなみに和雅の対抗馬はーーいなかったんじゃないかな。
それはそれで寂しい話だけど、役柄的にそんなやりたいって人も多くないのは納得ではある。正直、今同じような役をやるとなったら、あまり乗り気にはなれないだろうし。
話を戻そうーー
その日のオーディションは、特に制約もなく、やりたいように演じていいとのことだったので、おれは自分の思うように演じてみた。
本当に楽しかった。
制約なしに演じる自由さというのは、本当に楽しいものだった。だが、それだけではいけないのが演劇だ。実際に演技をするときは、台本や共演者との兼ね合いがある。そのルールに従えないのなら、舞台を降りなければーー
えー、あくまでも初舞台の話なんでそこらへんの話はここで打ち切りまーす。
オーディションが終わると、ヨシエさんがアナウンスするーー
「では次回の稽古で、本役の発表をします」
ドキドキだった。果たして、自分は役に入るのか。まぁ、これだけ和雅を演じていれば、おれが和雅をやることは確定したようなものだけど、この時は、何かしらの大番狂わせがあるのでは、と思っていた。
芝居に携われるだけで嬉しいというのは事実だったけど、できることなら役をやりたかったのよね。まぁ、それはさておきーー
次の稽古までの一週間はまるで精神の拷問のようだった。あれだけやった和雅の役を別の人が演じることになったらと考えると、いても立ってもいられなかった。
「和雅は、竜也くんになると思うよ」
あおいはそういっていたが、おれはやはりどこかで番狂わせが発生するのではないかと不安で仕方なかったのだ。
そして、次の稽古。稽古場の雰囲気はいつも通りーーのようにも見えるが、どこかピリついた空気が漂っていた。それもそうだろう。
役者をやることに生き甲斐を感じている人にとって、役落ちは地獄。公演が終わり、次の公演が動き出すまではスタッフ仕事や内部仕事をすることとなる。スタッフも立派な舞台仕事なのだけど、それをやりたがらない人が一定数いるのも、また事実だった。
準備運動と発声を終えると、みな座ってヨシエさんが口を開くのを待つ。
「では、キャストを発表しまーす」
そういってヨシエさんは本キャストを発表していった。結果ーー
五条氏は『山田和雅』を演じることとなりました。
もう意外性がまったくなくて何の面白味もないのだけど、そんなもんよね。そもそも、ここまで話をしといて和雅じゃありませんでしたーみたいなことになったら、とんだ策士だよな。
個人的な話をすると、この駄文集って、その日の夜に、当時どんなことがあったか思い出して書いてるから、伏線的なことはほぼないといってもいっても問題はないーーこの発言は、物書きとしてはどうかと思うがな。
そんな感じで、何の捻りもないことを書いたところで、今日は終わり。次回は、役についてからの稽古についてだな。幅広すぎ。
アスタラビスタ。