神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世(11)

文字数 1,050文字

フリードリヒ2世についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
フリードリヒの遠征中、グレゴリウス9世は北イタリア諸都市を唆して南イタリアを攻撃した。帰国したフリードリヒは都市を占領していた教皇派の軍隊を撃退し、グレゴリウスを威嚇しつつ和議を提案した。1230年にチュートン騎士団の仲介と皇帝側の譲歩の結果、サン・ジェルマノの和約が成立し、フリードリヒの破門が解除された。講和では同時にヴェローナの領主エッチェリーノ・ダ・ロマーノの破門の解除、港湾都市ガエータのローマ帝国への編入が認められ、教皇側には屈辱的な結果に終わる。
この時の和約で教皇側にとって屈辱的な結果に終わったということが、老獪なグレゴリウス9世をますます狡猾にしたように思います。教皇と皇帝の力のバランスが取れている時はよくても、そうでない時に力を取り戻そうとして徹底的に相手を攻撃し悲劇が生まれます。
1231年のメルフィの会議で、フリードリヒはかつての皇帝たちが施行した法令を元に編纂した『皇帝の書(リベル・アウグスタリス)』を発布する。

・都市・貴族・聖職者の権利の制限

・司法・行政の中央集権的性質の確立

・税制・金貨の統一

上記以外に、18世紀の啓蒙思想を先取りしたとも言われる規定が存在した。

・貧民を対象とした無料の職業訓練・診療

・私刑の禁止

・薬価の制定

・役人に対する不敬・賄賂の禁止

裁判に関しては、神判(熱鉄神判等)を廃止し、決闘裁判を禁止したが、後者については密殺と大逆罪の場合は例外とした。

フリードリヒは近代的な考えを持っていましたが、そのことが逆に教皇との対立を深めたようにも思われます。
『皇帝の書』の発布によってシチリアには絶対主義的な体制が成立し、フリードリヒはかつてのローマ帝国の権威と伝統を復興させる意思を顕わにした。また、制定した法令を国民に周知させるため、コロックイアという会合が各地で開かれた。同1231年には北イタリア都市へのポデスタ(行政長官)の任命によって、北イタリアの都市にも支配を行き渡らせることを試みた。
優れた法令を制定して支配力が強まるほど教皇とは対立するというのは皮肉ですね。
1232年に開催されたフリウリの諸侯会議の後、北イタリアの都市ヴェローナが帝国に帰順し、領主エッチェリーノは北イタリアの皇帝派の中心人物となる。また、他の北イタリアの自治都市のうちピサ、シエナ、クレモナ、モデナもフリードリヒを支持した。
フリードリヒの影響力が強まるほど教皇とは対立し、それが悲劇へとつながります。
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登場人物紹介

ラミロ2世。アラゴンの王様だったがいろいろあって今は亡霊となっている

ペトロニーラ。アラゴン女王の名前を使っているがただの主婦。小説家になりたいと思っている。

フェリペ、16世紀のスペインの修道院で暮らすユダヤ人の少年。父親に捨てられて心を閉ざしていたが、ニコラス医師の指導で本来の明るさを取り戻す。まじめで勉強熱心。

ニコラス医師。修道院内の病院の医師で、孤児たちに勉強も教える。心を閉ざしていたフェリペを気にかけ、特別にラテン語や歴史、医学の基礎なども教える。

フアン1世。不真面目王と呼ばれ業績を残さずに死んだが、娘のヨランド・ダラゴンが勝利王シャルル7世を支えている。

ハインリヒ7世。皇帝フリードリヒ2世の長男でアラゴンの血も引いている。父と対立して反乱を起こし降伏して目を潰され。幽閉されて悲劇的な人生の幕を閉じる。

ペドロ2世。ラミロ2世のひ孫でレコンキスタの英雄。戦闘能力はかなり高く、ファンタジー映画やゲームの中では主要キャラになるタイプだが、なぜか小説の中で影が薄い。

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